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カテゴリ:music
わたしは、子どもの頃から寄り道が好き(笑)。
とにかくまっすぐ帰る子ではなく、よく母親に怒られたものでした。 今もその習性は変わらず、仕事が終わると、どこかちょこっとでも立ち寄って、気分を変えてからでないと、何とも帰路につく気が起きないのです。 どうしても時間のないときは、せめてビールだけでも(切実)!! そんな寄り道フリークにとって、過日にとても素敵な場所との出会いがありました。 新宿は歌舞伎町にある、「ナルシス」というジャズ喫茶。 世の中の流れなのか、名店と言われたジャズ喫茶がどんどん閉店していくなか、すごーく貴重なスポットです。 何故か、今年に入ってから無性にジャズ喫茶に行きたくなってしまったんですよね。 この願望にはきっと意味がある! と確信が出来たので(^。^)、Anyway! 行ってみようと、探し当てたのがこのお店でした。 なんと、開業したのは大正時代。 現在のママさんのご母堂さまがはじめられたのだそうです。 風俗店だらけの通りを抜けて、恐る恐るドアを開けたときの緊張感と言ったら! そうなんです。 何となくジャズ喫茶って、店主が怖そうっていうイメージがあったので、正直どきどきしていたんですよね。 でもすぐに緊張は解けました! だって、ママさんが本当にやさしく迎えてくれたのですから。 ここは初めて? 何で知って来たの? 昭和なイメージがあるでしょ。 そんなふうに声をかけてくださったので、いちげんさん、のわたしも、いつの間にかゆったりお店の雰囲気に馴染んでしまえました。 感動したのは、カンパリソーダ!! フレッシュなレモンをその場でたくさん絞ってくれて、氷はアイスピックで砕いたもの。 カンパリ大好きなわたしですが、その味には大感動!(^^)! こんな美味しいカンパリははじめてでした。 レコードで聴く音。 時折ぷつっぷつっと入ってくるノイズもなかなかよいもの。 音と音の間に、どこかぬくもりも感じられて。 その日聞いたのは、ジョー・パス。 雨音のような音色でした。 千円札1枚で、こんなに大音量でソリッドな音を浴びられて、さらには俗世間から隔離されて(一歩外を出れば、超俗世間だけど!)、好き放題心をあちらこちらに飛ばせられる。 なんて贅沢なことなのでしょう。 ジャズ喫茶、色々巡ってみようと思っていたけれど、しばらくはここに通いたいな。 そう言えば、田村隆一氏の色紙が飾ってありました。 「いまはどこにも 住んでいないの 隆一」 と書かれていました。 あの横浜のメリーさんのことを書いた言葉のようでした。 その端正な文字をながめていたら、わたしもなんだか、いったいどこに根を下ろして住んでいるのか、一瞬わからなくなったりして。 出来れば、いつかもうすぐ、本当に心が安らぐ場所に帰って行けるようになりたい。 心からそう思いながら、雨音のようなギターの音の粒に耳を傾けていました。 でも、寄り道は、やめないけれど! xxx お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2013年04月22日 21時51分42秒
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