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テーマ:☆詩を書きましょう☆(8532)
カテゴリ:作詞スクール
♪ あなたは もう 忘れたかしら 何度も書きましたが、歌詞というものは、なかなか しっかり聴き取られる、ことがありません。 まあ、歌を聴く時、 半分は曲を聴いているわけですから、 詞に神経が行かなくても仕方のないことでしょう。 しかし、好きな歌で、何度も聴いた歌なら、 歌詞の内容も充分伝わってほしいものです。 ♪ 赤い手拭い マフラーにして この「手拭い」という言葉は、僕らの世代にして すでに使いにくい、老いた言葉です。 自分より10年以上、年配の人間が書いた詞 って感じがしますよね。 ♪ 二人で行った 横丁の風呂や ♪ 一緒に出ようね って言ったのに ♪ いつも 私が 待たされた 余談ですが、僕らが大学生の頃も、まだまだ銭湯は健在で、 僕も女子と行ったりしましたが、 普通は男より女の方が風呂の時間は長いので、 彼女が出て来るのを待ったことはあっても、 待たせたことは、ほとんどないですね。 ♪ 洗い髪が 芯まで冷えて ♪ 小さな石鹸 かたかた鳴った 以前、ふと気になって、うちの子供に 「なんで石鹸が、かたかた鳴ったんだと思う?」 と、聞いたことがありました。 「そりゃ、石鹸だから、かたかたって音がしたんだろ。」 みたいな答が返って来ました。 ・・・そう、うちの子の国語力は最低で、僕は子供の情緒を育む 教育に失敗しました。 石鹸が、かたかた鳴ったのは、 彼女の体が冷えて、震えていたから、かも知れないし、 何より、石鹸が小さくなっていたからです。 新しい大きな石鹸なら、あまり鳴りません。 小さな石鹸を使っていた、という描写が、 貧しさ、侘しさ、を醸し出しているのです。 ♪ あなたは 私の体を抱いて ♪ 冷たいね って言ったのよ 彼氏の天然ぶり、無頓着さ、が描かれることによって、 「私」の健気さが、伝わって来ます。 まあ、これは、愛情を描く時の常套手段で、 欠点を描くことによって、そんな欠点があっても好きなんだと、 より真摯な、純粋な愛情を表現できる、効果があります。 素敵さや美しさ、長所を描いたのでは、 いまいち、とても愛していたってことは、伝わりません。 実際、「神田川」の詞には、ペーソスが感じられます。 ♪ 若かった あの頃 何も 怖くなかった ♪ ただ あなたの 優しさが ♪ 怖かった・・ いくら歌詞が聴き取れない人でも、 このサビの詞は、気になるでしょうね。 「彼の優しさだけが、怖かった。」って、どういうことだろう? ぐらいは、思いますかね。 この詞は、サビで、そう思わせることができただけで、 成功してる、と言えます。 逆に言えば、サビの詞に、深い意味を探る必要はなく、 聴き手を立ち止まらせる、ことを狙っただけの表現である。 とは、言い過ぎですかね。 でも、「神田川」は、サビの手前までの詞が、 映画を観てるように情景が浮かんで来て、雰囲気も伝わって来て、 とても良いのです。 まあ、一応、ひも解いておくと、 貧しくて、生活は苦しかったけど、好きな彼と一緒に居れて、 とても幸せだった。 ただ、いつかは、この幸せが終わる予感がして、 それが怖った、ということでしょうね。 この「神田川」の彼と「私」は、今は別れてしまって、一緒には居ません。 それが、サビからも読み取れていれば、いいんじゃないでしょうか。 「神田川」を聴く お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2012年06月24日 13時21分13秒
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