外国労働者の一例
前回は入管法改正について書きました。今回は、偶然にも外国人労働者を目の前で見た話を書きます。我が家の苦しい財政からやっと捻り出してと言いますか、妻を漸く同意させて、壁の一部をセラミックタイルにしました。10年前は38㎡、今回は27㎡です。このセラミックタイル張り工事に来た一人が21歳のベトナム人です。教育期間3年の契約で、日本に来て半年だそうです。日本に来るまでに数カ月間日本語教育を受けて,さらに日本に来て一月程度日本語教育を受けているそうです。タイル張り職人の「てこ」として働いていました。職人の補助ですね。「職人との仕事上の会話は略出来ているようでした。私も、世間話をと思い、話しかけ冗談を言ってやりましたが、そこそこ話が通じているようですが、ここ一番になると「わからない」を連発していました。3年後には日本語が相当話せるようになる感じです。エピソードを一つ。貴方は、美男子ですね。と褒めたつもりでした。ストレートに話が伝わらないようで、職人が「美人ですねと言っているよ」と分かり易く話した。そうすると、「向いの家に美人が一人居る。眼鏡を掛けている時と、掛けていない時がある」と言いだしました。その発言は、向いの家に出入りしている女性を良く観察している事が分かり、思わず笑っちゃいました。こんなやり取りで、日本に馴染み、職人も焦らずに少しづつ仕事を教えているようでした。残業はさせないようにしているとのこと。車の運転もさせない。(現在は免許なし)毎朝、アパートに車で迎えに行き、一緒に帰る。アパートは、会社が探したアパートで、同じベトナムから来た労働者が数名いるそうです。11月に入ると、寒くストーブが欲しいようであるが会社は未だ用意していないとのこと。職人の話によると、帰国してレンガ職人にはなる気は無いようだとのこと。本人は日本に収入を求めて来たと言っている。少し会社の批判になるが手袋を履かずにグラインダーとかレンガカッターを使用させている。高い所に上がっても安全綱を着けていない。レンガカッターを足場の高い所で使用するから切り粉が周辺に飛散する。前回、工事をしてもらった時は、テントの中で切削加工をしていた。環境に配慮が無い。優しい職人であるが、こんな状態でベトナム人を使う事は、安全教育、環境意識教育が全くなってない。工事中、工事のまずさで2回手直しをさせた。タイルメーカーのマニュアル通りに工事をしていない点を指摘したのです。施行会社にマニュアルに対する認識が全くなってない。ベトナム人はなんで2回も手直しになったのか、理解出来てはいないと思う。仕事を教えると言っても、ベトナム語で教えないから、又は日本語が充分通じないから体で覚えさせるしかないのだろう。結論こんな実態を見て、外国人に対する技術教育とは名ばかり。レンガ会社は、猫の手を借りたいほど労働力不足と言っているから、猫よりはましなベトナム青年。ベトナム青年は、収入を得られれば初期の目的は達成した事になり、3年後ベトナムに帰って習得した技術を生かすことなどさらさら考えていない。入管法改正の主旨に反する実態が垣間見えました。職人は、70才前後一体、この職人の後継となる労働者が近い将来確保出来るのか?てこ程度の労働者を確保出来れば、それで労働力不足が解消されるのか?入管法で5年に期間を延長し、さらに永住コースも導入されると言う。日本人の高度な職人技を外国人に伝承して行くつもりなのか?将来、職人は外国人ばかりの日本になるのでは?。入管法改正を考えるにつけ、将来の日本が嘆かわしい。