日本で生活したインド人の受けた日本の印象
食事をする時に、味噌汁の容器を手に持つ?窓辺から公園が見えるロケーションのマンションが快適?さん、君、チャンと呼称を使い分ける日本人?床に落とした物を気軽に自分で広い上げる日本人?裸で風呂に入る日本人?1年8ケ月の日本滞在期間中、日本の生活様式の一つ一つに驚き、疑問を抱く。自分にとっては、食事のマナーをそんなに深く考えたことがない。自分の日常を改めて、見つめ直す良い機会となる書です。そして、対比してインドのことを教えてくれる。この本の魅力はそればかりではありません。著者のM.k.シャルマン氏はインドのエリートとしての人生を歩み、会社の人事で日本に生活することになった。その日本での体験記を綴り、それをヒンディー語で書いて個人出版したのが原本です。その本をインドを旅行(1997年2月)した日本人(山田和)の目に留まって、購入したのです。購入した本を鞄に入れて、インド旅行中に、なんとその本の執筆者M.K.シャルマン氏に声を掛けられるのです。シャルマン氏の私邸に招かれて、会話をするうちに、古本屋で購入した本の著者であることが分かったのです。その時に、英語訳することを依頼して、その英訳本を日本語に山田氏が訳した本です。書名は「喪失の国 日本」副題 インド・エリートビジネスマン「日本体験記」出版 文芸春秋なお、シャルマン氏は帰国後、会社を辞めてインドの北西部ラージャスタン州のインドで尤も保守的な小都市(ジャイサルメール)に仙人のような暮らしをしているそうです。戦後繁栄した日本の行く末と、印パ戦争の悩めるインドについて、考える事があって、会社を止めそのような生活に入ったそうです。その辺の思いが、書中にも垣間見えます。