テーマ:暮らしを楽しむ(387888)
カテゴリ:歴史・文学など
11時半だと聞いていたのに、少し過ぎてからの発表でした。これはどうにも気になって、珍しくテレビを見ていましたよ。
で、発表されたのは「令和」 まさかの頭文字R 出典が万葉集だとわかり、どの部分かいな、と万葉集を引っ張り出しました。 すぐに、ネットでどの箇所かという情報が出て、梅の花の歌32首の序文にあるとわかりましたが、その梅の花の歌がどの巻にあるのかわからないと、探せない。 しばらくしたら、それも載せてある記事がありました。 第五巻でした。 最初からずーっと読んでいくのでは、とても時間がかかったことでしょう。教えてくれた人に感謝です。 この本でいうと、377ページでした。 大伴旅人が書いた、漢文の序の中の文字です。 これでは雰囲気が伝わりにくいので、現代語訳を。 この中の最初のところ、「時あたかも新春のよき月、空気は美しく風はやわらかに」のところからとられた二文字です。 現代語訳を見ると、なかなかの名文。みなを招いた旅人(たびと)さんの気持ちの高ぶりが感じられますね。 ちなみに、この大伴旅人(おおとものたびと)さんは、万葉集の最終編纂者といわれる大伴家持(おおとものやかもち)さんのお父さんです。 お酒をこよなく愛した人としても、有名です。 さて、「令和」は、初めて日本の書物からとられた年号だということですが、序文は漢籍の影響をいっぱい受けているのも、確か。 「蘭亭序」とか張衝さんの「帰田賦」の影響が残っている、ということですが、ここは大目に見て、日本人が書いた文章の中から、ということで話をすすめます。 この旅人さんが催された梅の花を愛でる宴で歌を詠んだのは、こんな人たち。 筑前は地元ですから、守(長官)と介(次官)、掾(三番目の人)がいますね。豊後と筑後、そして壱岐は長官だけ。 対馬、大隅、壱岐、薩摩からは、目(四番目の人)が来ています。 あとは、大宰の中の官吏、神司、陰陽師、薬師、算師など。 では、どんな歌を詠んだのか、少しだけ。 長官である大伴旅人さんは、 わが園に 梅の花散る ひさかたの 天(あめ)より雪の 流れ来るかも と詠んでいます。 意味は、 私の庭に梅の花が散っている。天の果てから雪が流れ来ているのか・・・ (散る梅の花びらを、雪に見立てた) です。 雪にみえるほどに、花びらがはらはらと散っていたのでしょうかね。 「令和」という年号について息子たちと話をしていたら、 「どうも、平和にすごしなさい、と命令されているみたいな気がする」と言うので、とっておきの漢和辞典で調べてみましたよ。 そしたらね、やっぱり。 「令」は、神のおつげをきいている神官の形からできた漢字でした。 命令の「令」だもんね。おつげの通りにやったら、「良い・正しい・めでたい」ということなのでしょう。 そして「和」は、そのまま和平の意味。 だけど、従う、応えるという意味もありました。 ということは、「令和」とつながると、 (神のおつげに従って、正しく平和に生きていきましょう・・・) という雰囲気が漂うのは仕方ないことですね。納得でした。 さて、年号が変わる5月1日までは、まだ平成です。何をするにつけても、「平成最後の・・・」とついてしまいそう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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