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テーマ:食べ物あれこれ(50367)
カテゴリ:スウィーツ
『Juchheim』といえば神戸の老舗洋菓子店としての存在のみをごく当然に考えていたのですけれど、TV番組で歴史を知った感銘が記憶に新しかったのです。。 番組では、”カール・ユーハイム氏がはるばる連行されてきた日本で俘虜として収容所での生活のおりに、故国を思い悲しんでいる仲間を励まそうと、子供の頃のお菓子を囲んでの暖かい思い出や、離れ離れになっている夫人の言葉、幸せを届けるためのお菓子作りの思いから、かろうじて手に入れることの出来た小麦粉などの材料で焼いたお菓子が、日本で作られた初めてのバウムクーヘン”というお話でした。 あらためてユーハイムの背景に興味がわいたのでサイトを拝見したのですけれど、そこには番組で拝見したものとはまた異なる”歴史”が記されていました。 震災後の整理で発見された手記や資料をひもときながら、ユーハイムの歴史を振り返るという形になっています。 ドイツでの創始者カール・ユーハイム氏と夫人との出会いから、軍部召集による国を隔てた別離。 日本での俘虜生活の中でのお菓子作りのできない悲しみと、少ない材料でのお菓子作りを出来た事の喜び。 またその後、移送された広島県のドイツ人捕虜の作品展示即売会のためのバウムクーヘン作りで、多くの日本の人達に受け入れられた希望。 この時のお話でフロインドリーブ氏の名前にも少し驚きました。(ローマイヤー氏も連行されていたドイツ人の中の一人だったとか。) 1922年の銀座でのカフェ・ユーロップから度重なる災害に見舞われながらも、ユーハイムの精神に賛同し集まった人々とともに艱難辛苦を乗り越えるお話にすっかり読み入ってしまいました。 読み進んでいく間に、戦争という悲しいきっかけではあったのですがドイツと日本の交流ともなったというのがわかりました。一次大戦終了後の開放されたドイツ人の中に日本残留を希望する方も少なくなかったとか。 数多くのドイツのマイスターや有能な技師達が、奉仕の精神でこの日本に多くの財産を残してくださったということに気付かされ、考えも及ばなかった一面を知ることもでき感動するばかりでした。 最近、日本に”会社に奉仕”する愛社精神の希薄化、個人主義のような話を耳にした事があるのですけれど、時代の変化のほかにも、もしかすると企業や経営の本質を見つめ直すことも必要なのかなとも感じました。 まだまだ身近にあるのに気付かない歴史もあるのでしょうね。 追記 。。。 取り寄せた紅茶から気付いたのですけれど、ユーハイムが片岡物産との契約がきれた後の『Fortnum & Mason』の日本での経営、販売をされているとか。 ドイツ由来の精神によって本物の紅茶を日本にこれから広めてくださる事に期待しています。* Juchheim -------- http://www.juchheim.co.jp/index.html お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
May 18, 2005 11:51:34 AM
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