浴衣買うなら-お薦めの浴衣:「銀座 松屋」編
先日の、銀座 くのやさん編の続きです。。銀座の松屋に行っても、やはりふらふらと浴衣売り場に吸い寄せられてしまいます。私は伝統的な白や藍、水色の型染めのものが好きなので、いきおい、自然に竺仙さんの売り場に流れ着きます。綿紬や綿芭蕉、綿絽に綿紅梅、絹紅梅と、お仕立て上がりを見るのも楽しいのですが、・・・なんといっても浴衣鑑賞の真髄は、反物見物にあります。もう、めくるめく江戸伝統美の世界・・・!あまりの素晴らしさに、うっとりと陶酔してしまういます。うわぁ、これも素敵!これもいいですねぇ・・!と感嘆の声を挙げていると、店員さんもノッてきて、いろいろ見せて下さいます。私が今回本気で欲しいなぁ~~と思ったのは、藍色地に水色で、両面に別の型染め文様を染め出したもの。以前は男物に多かった気がしますが(私が知らないだけで女性用もあったのかも)、女性向けの美しい型染めが表と裏、両方堪能できて一反で二度嬉しい♪表に見える柄を見て手を伸ばし、反物をくるくる巻き伸ばしてみると、あら驚き、裏面にまったく違った柄が現れるのです!表、裏、好きなほうの柄を表に仕立てて、袖口や裾にチラリと見える裏の柄が、八掛チラリ効果を生み出すんです。見えない処に凝る、江戸の粋ですなぁ~。江戸時代、奢侈禁止令が出された頃、庶民のお洒落心は羽裏などの隠された部分に凝ることに結集したそうです。お上の目をかいくぐってお洒落を楽しむ庶民の心意気。表からはほとんど見えない部分に凝るって、お洒落の極地だと思いませんか?松屋さんの場合、お仕立ては手縫い(¥12,000)なため、飽きたらほどいて裏側を今度は表にして、仕立て直してもよいそうです。ほんっとに一反で二度オイシイですね!それを考えると、約2万円くらいのお値段でも、倍の価値がありそうです。この文様も素敵、この文様もいいですねぇ、とひとしきり堪能させて頂きました。くのやと同じく、こちらも4万円くらいの小千谷縮の反物がありまして、これにも惹かれました。麻の襦袢地もありました。麻の襦袢ってすっごく涼しいそうですよー!それから、お店の方に耳寄り情報を教わりました。綿や麻素材の、浴衣や夏の薄物は自分で洗っているのですが、絹紅梅(絹と綿の交織)は絹が入っているから自分では洗えないだろうと思っていたのです。けれど、絹紅梅も自分で洗ってもよいそうです!お店の方もお持ちで、ご自分で洗っておられるとか。慣れている方ならば、注意店を守れば洗って大丈夫だそうです。(本畳みにして大きめの盥等で)必ず冷水で、一枚ずつ、やさしくこすらずに押し洗い。手早く洗うことが肝要。(本畳みでネットに入れて)脱水も洗濯機でほんの数秒。あとは生乾きで敷き押しして、最後に風を通せばよいのでしょう。(後日夏の着物のお手入れ日記を掲載予定)自分で洗えるならば、お手入れ代もかからずに経済的!!夏の着物の選択肢の幅が増えました♪きちんとしたお店は、店員さんも経験豊富で、有用なアドバイスをして下さいます。ご自分でも着ておられる上での助言というのは、ほんとうに参考になるものです。さてはて、さんざん両面型染めの着物を拝見させて頂きましたが、その日は閉店時間でもあり、これにて退散。しかし、かなーり後ろ髪引かれています。そのうち欲しいなぁ・・・!!**追記**雑誌「LEE」8月号の巻末の着物連載頁に、竺仙さんのこの両面染浴衣がでていました♪(>● 伊藤まさこさんの「着物のいろは」今年の浴衣はしっとりと着たい )<参考>・綿コーマ ・綿絽 ・綿紅梅・綿紬 ・両面染・絹紅梅