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NPOの方から、老人ホームの丁寧な説明を受け、なるほど老人ホームと言っても、色々な種類や個性があるのだとこの時知ったが、そのことについては詳しくは書かない。大事なことなので、必要な人が自身で調べた方が良い。 とにかく入居予定となる母は肝心な住処となる老人ホームを選べないため、家族が見て回り、良いと思う施設をピックアップするしかない。母の説得も大変な山だろう。 4回に分け、10以上の施設を見て回った。たぶん多いと思う。その度に会社は休んだ。 その全てに90歳の父が付き添ったことは(ここでも場をかき回したが)、褒めるしかない。たとえ邪魔でも父を頼らざるを得なかったのだ。 お金がかかるから。 子供にお金は頼らないスタンスだから。 介護付き有料老人ホームは安くはない。住む場所によっても相場が異なる(実家の周りは高かった)。施設の設備や介護方針、サービスはもちろん、毎月いくらかかるのか、頭金が必要かを確認していった。 実家の預金や株、年金/収入を計算すると、毎月使えそうな額が出てくる。というか、ズバリ書いてしまえば「あと何年生きる想定をするか」の逆算となる。しかも父が今後どうなるかわからないため、使い切ることもできない。 なるほど、施設選びはこういう問題にぶち当たるのか。 「払えなくなったらどうするんですか?」と見学の際にいくつかの老人ホームには聞いてみた。自宅で引き取る場合もゼロではないが、資産が尽きる前に国の施設を探して退所する人がほとんどとのこと。そのために身元引受人や保証人が大事だとも言われた。 母の嗜好や父の要望があるものの、最終的にはお金の問題なのだと実感した。 施設に支払える年額は○○○万円までで、それでも○年で貯蓄が尽きる可能性が高い。万が一父に何かあった場合は、最初から考え直さなければならないと割り切った。 こうなると老後2,000万円はあながち間違いでもない。健康でポックリなら不要だが、医療や介護の発達で意外にそれの方が難しそうである。 父は10施設も見学すればさすがに老人ホームの現状は理解できたらしい。昔の人が抱く施設(老人ホーム)のイメージは「収容所」であることも分かった。それでは母が老人ホームを嫌がるのも当然だ。 二回目の4者面談では、リハビリテーションが進み母の状況は少し上向いていたが、それでも在宅介護可能という方向にはならなかった。一回目の時から当然見当は付いていたのだろうな。 あれだけ施設を見ても、父は最後まで自分で世話ができると主張し、今までもやってきたと言った。しかし、子ども側から見れば、それで骨折したのだし、動けない85歳を90歳が老老介護するのは考えられない。医師も「3日ともたない」と説得してくれて、最後は父も折れた。 母も同意した。 介護付き有料老人ホームを選択すること、資産の中で最良と考えた施設にすること、当面お金の心配はいらないこと(母は心配性でお金に細かい)、父の分を使い切らないことなどを優しく諭した。 二人が貯めたお金なのだから、全て自分たちの安らかな余生のために使えばよい。
実は、介護付き有料老人ホームについては、父も弟も私も「ここが良かった」という意見が一致していた。これは非常に助かった。この手の話は、身内に一人でも反対者がいると進まないし、将来に遺恨を残すことが容易に想像できるからだ。 決まったら、別のステージに入った。施設との契約準備だ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
September 24, 2024 12:00:19 AM
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