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CHINA QUEST*中国にはまったOL⇒女性社長の人生修行

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2015/12/06
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テーマ:中国&台湾(3303)
カテゴリ:15年11月中国出張


江蘇は長江を境に南北に分けられる。

長江以北の地域を「蘇北(スーベイ)」、
長江以南の地域を「蘇南(スーナン)」と呼ぶと言う。
(Wikiでは、「蘇中(スーチュン)」という中部地域の区分けがあるらしいが、
 それは私は聞いた事がない)

私が昔、働いていた地域は、長江より南だから「蘇南」に当たり、
「蘇北」には行ったことがなかった。

今回、蘇北は初めて赴く。

浦東に到着し、国内線に乗るため虹橋に移動する
地下鉄内で、車内の風景をぼんやり眺めていると
「蘇北(スーベイ)」をキーワードに、ある光景が浮かんできた。

「蘇北(スーベイ)は嫌なんだよな、あの地域、週に一回しか
風呂に入らないからさ・・・」

阿明(アーミン)だ。

その蘇南で働いていた頃に会社がよく使っていた白タクの
運転手、「阿明(アーミン)」の顔だった。

「阿明(アーミン)」は、あだ名だ。
日本語にすると、「ミンちゃん、ミン君」のニュアンスだろうか。

年の頃は多分、30代後半。
郊外にあった会社の近くに住んでいて、
素朴な笑顔が印象的な田舎の運転手だった。

20代が主な中国人従業員からも「阿明(アーミン)」と
親しみを込めて呼ばれていたので、我々日本人も
「**先生」と言わず、「阿明(アーミン)」と呼んでいた。
本名は、忘れた。

阿明は、色が浅黒く、体格は結構がっちりしていた。
2年間、兵役に行った事があると言っていたが
いつもニコニコしており、厳しい雰囲気は微塵もなかった。

車に乗ると、いつもタバコを一本差し出し

「謝謝」と私が礼を言うと、
「酒煙不分家(酒とタバコは家を分けない)」と返礼するのが恒例だった。

阿明と世間話をしていて驚いた事がいくつかある。

阿明の睡眠時間はとても長かった。
一日に8~10時間睡眠だと。

「夜9時に寝て、朝6時に起きる」
「8時間だと、ちょっと寝足りないな。10時間くらい寝ると、
 よく寝たな、と思う」などと言われかなり驚愕した。

そして会社の従業員に睡眠時間を聞くと、20代の若い女性も
大体似たようなもので、私が6時間睡眠くらいだ、というと
「なんでそんな遅くまで起きてるの?」と真顔で聞かれた。

会社の近くは、日本で言えば離島くらいに
何の施設もなかったから、彼らも何もやる事
なかったんだろうと思う。
TVやPCも、そんなみんな持っているわけではなかった。

阿明は赤いサンタナを持っていた。
タクシーを頼むと、時々、車がないと言われた事があった。
結婚式に貸し出しているから、と。

ああ、そうか。
赤はめでたい色だから、赤い車は結婚式に合うんだ。

当時の上司、大川さんは携帯電話を胸ポケットにつなぐ
受話器コードのようなバネ状のコードのついた
携帯電話クリップを持っていた。

当時は会社の近くでは同様のものは売っておらず、
しかし大川さんの携帯クリップは便利に見えたようだ。

何度か、阿明から日本で買ってきてくれないかと
頼まれて、5~6本買ってきた事がある。
ただ私が買ってきたのは、大川さんが持っていたコードより
細く、阿明の思った商品ではなかったようで
困った顔をしていたが、私は気づかないふりをして買い取ってもらった。
今ならね、タオパオやネットショッピングで買うだろうから・・・
年月を感じるのだけれど。


・・・と、阿明の思い出を一通り巡った所で、


「蘇北(スーベイ)は嫌なんだよな、あの地域、週に一回しか
風呂に入らないからさ・・・」


田舎に住んでいる阿明が言うんだから、
蘇北はよほど田舎なのだろうと、ぼんやり思っていた。

そして、その蘇北に初めて今から行くのだ。
一人でさ。

迎えの人は来てくれるけど、
あまりよく知らない人だしさ。

なんだろう。

昔は初めての土地に一人なんて、ワクワクしていたのに。

年なのか、慣れなのか。

阿明の言葉なのか。

なんとはなしに、上がらないテンションを
持て余していた。



つづく。






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最終更新日  2015/12/06 04:48:49 PM
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