夫婦って~スマトラ沖地震ドラマ「TSUNAMI」より~
年末に教育テレビでスマトラ沖地震のドラマ「TSUNAMI」を見ました。2夜連続だったかな。衝撃的だった。6歳の子供をその地震で亡くした夫婦のことも取り上げられていた。お互いに子供の死を受け入れられずに。子供の遺体が見つからない。もう死んだんだとわかっているけど、受け入れられない。もしかしたら、生きているかもしれないと考える。あきらめきれない苦悩。遺体を捜しているうちに、子供にそっくりな別の子供と出会う。妻はその子を自分の子供のように接し、一緒に住み始める。夫はその子はうちの子ではない、本当の親が捜しているだろうから、返さなくてはいけないと言う。しかし、妻は耳をかさない。夫は毎日生存者リストを見て回る。何度も何度も同じリストを見て回る。妻は津波がきたとき、一人ダイビングに出かけいた。夫は子供と一緒にいた。妻は夫が津波に合ったとき、どうして子供の手を離したのかと責める。夫が一緒だから大丈夫だと思い、私は一人ダイビングに出かけたのに、あなたは子供を守らなかったと。夫は、子供とはぐれたとき、子供は「ママ」と叫んだ。そのときおまえはどこにいたんだ。その場にいなかったじゃないかと。二人は絶望していた。私は、このとき、この夫婦はもう駄目だと思った。離婚するだろうと。一緒にいれるわけがない。信頼をなくした夫婦。お互いの顔をみねたびに、子供のことを思い出し、苦しむ。どこかに生きているかもしれない。そんなわけがない、6歳の子供がどうして生きていることができるだろうと・・・誰のせいでもない・・・そんなことわかっている天災なのだから。この怒りと悲しみをぶつけるところがない・・・その苦悩。でも、この夫婦は離れなかった。夫は妻を説得し、勝手に連れ出した子供を本当の親元に返した。そして、今度は二人で一緒に子供を探し出す。わからなかった。私にはわからなかった。どうして離れずにいれるのか、この夫婦がわからなかった。実話を元にしたドラマだという。あぁ、これが夫婦なのかな。夫婦はこうして、夫婦になっていくのかな。テレビの前で泣きながら、私はそう思った。そして、うらやましかった。そういう夫婦になりたかったな。最近、ひびきといぶきの生まれたころの写真を見た。ひびきといぶきと一緒に。お腹の中にいたときのエコーも一緒に。お風呂に入ったとき、抱っこされているとき、笑っているとき、泣いているとき、ミルクを飲んでいるとき、ご飯を食べているとき・・・どれもこれも大切な写真だった。可愛くて可愛くて仕方ない。私の子供たち。ひびきの写真をみて「これ、いぶき?」「違うよ、それはひびき。いぶきはまだ生まれていないよ」「そっくりだねぇ」「女の子みたいだよ」「あぁ 真っ裸」「海に行ったときの写真だねぇ」「いちご狩りの写真だね」パパの写真を見せた。離婚してから、初めてだろうか。「あぁ、こんな顔なんだぁ」「イメージ違ったな」「ぜんぜん違うじゃん」離婚して1年くらいは面会していたけど、会わなくなってから久しいから、忘れちゃうんだね。どう思ったかなぁ。最近ひびきはパパの話をするようになっていたから、写真を見せたのはよかったのかなぁ。パパに会いたいのかな。パパとは、本当の夫婦にはなれなかったな。