ポロトコタンの夜(白老・アイヌ民族博物館・夜間特別プログラム)
はい、写真の整理と選択が苦手で、なかなかリアルタイムでUPできないこのブログ。はい、 アイヌ民族博物館・夜間特別プログラム「ポロトコタンの夜」に行ったのは8/11です。しかし、花一家の北海道旅行の参考になるかと思い、ヨッコラショと重い腰をあげました。この他に、"博物館"と"ポロト湖など周囲の様子"とで、3つに分けてUPしようと思います。以前にも日程だけ急いで紹介したアイヌ民族博物館・夜間特別プログラム「ポロトコタンの夜」。夏の夜に数日間だけ白老にあるアイヌ民族博物館を夜間も開放して催される演目です。(ちなみに2011年度は7/29,30、8/5,6,11,12,13に行なわれました)ポロト湖畔がすっかり闇に沈むころ、案内されてチセ(茅葺き家)の中に入りました。金田一京助氏の研究を手伝いながら19歳の若さで心臓発作で亡くなられた知里幸恵さんの「アイヌ神謡集」の朗読につづき、イナウケ(イナウ削りの実演)~カムイノミ(神への祈り)が始まります。歌(ヤイカテカラ・イヨハイオチシ)やムックリの演奏。踊り(リムセ)には家族や村の平和、喜び悲しみを神々とともに分かち合う意味もあるそうです。トンコリヘチリ(樺太地方のトンコリ伴奏による歌と踊り)。山へ狩りに行き美しい鳥に矢を射ようかどうか迷っている動作を表現したクリムセ(弓の舞)。親子の鶴の深い情愛や飛ぶ姿を表現したサロルンチカプリムセ(鶴の舞)。チセの限られた光の中でアイヌの歌の心地良いリズムにもたれながら、流れるように踊る姿を見ているうちに、本当の鶴が舞っているように思えてきました。最も位の高い神である「熊」への感謝を込めて踊るイヨマンテリムセ(熊の霊送りの踊り)。イヨマンテはアイヌ民族の最も重要な儀式で、毛皮や肉を人間に与えてくれる熊に感謝したくさんの贈り物を添えて霊を送る崇高なものです。アイヌ民族の自然に根ざした生き方や食文化、独自の風習について、分かりやすい解説を添えながらポロトコタンの夜は更けていきます。あ、あの可愛い女の子が指差してるのは・・・天井一杯に吊るされた保存食、鮭の燻製(サッチェプ)だ!この後、試食させていただきましたv市販の鮭トバと違って味付け(みりんとか醤油とか・・・)を加えてない干したそのままだから、自然の塩味が心地よくどんどんイケます!はい、試食しながら「日本酒飲みたい」と口走り周囲に笑われたのは私です。終了後、かがり火の灯かりだけが頼りの闇の中で会うスタッフごとに開口一番「鮭の燻製どこ?」と聞きまくり笑われながらもしっかりとお買い上げ!一袋500円というお値打ち価格でしたよん♪さて、客席も参加して一緒に踊れる交流の時間、みなさん楽しそう~最後に、みんなの旅の安全と家族の健康を祈ってくださりながら、最初に作って願いをかけたイナウを火の神(アペ・フッチ・カムイ)に捧げます。イナウが燃えあがると同時に、私たちも願い事を祈りました。ちょっと違うかもしれないけど、肌で闇を感じながら、倉本聰先生が以前話されていた言葉を思い出しました。「自然の中で最も怖いのは、嵐でも豪雪でもなく、実は"闇"なんです。 闇を知っている人間とそれを知らない人間じゃ、まったく人種が違うと思いますね。」原子力の恩恵にどっぷり漬かって、ライターやマッチなしでは火も熾せないくせに、闇への畏怖を忘れていないか。