現在滋賀県立安土城考古博物館で開催中の「造形衝動の一万年」展、大好評の内に後期展示を迎えました。そして、いよいよ、今回の展示の注目作品、富山県高岡市の二上射水神社御所蔵の重要文化財 男神坐像(像高121センチ) が登場します。
大好評の展覧会。中学生も神像にビックリ!
堂々とした体躯、厳しい表情、荒ぶる神々を押さえつける威厳に満ちたその造形は、神像彫刻の最高傑作の一つです。その特徴となるのが、面部(顔)に残された「のみ」の痕跡。冠や着衣は、ほぼ平滑に仕上げられているのに対し、まさに、異形の表現となっているのです。特に、造像の中核ともいえる眼球部に「のみ」による「横しま」を形成しているところは、この神像彫刻の神髄とも言い得る表現方法です。薄暗い宮殿の中で揺れる灯火によって表情を変える、この「のみ痕」によって神秘性が見事に表現されているのです。この男神坐像は平安時代(10世紀)の作品と考えられ、「のみ痕」などによって「何か」を表現する鉈彫の成立を考えるうえでも重要な作品となっています。
重要文化財 男神坐像 (富山県 二上射水神社蔵 藤森武氏撮影)
威風堂々 展示室の中央に鎮座されています。この機会にじっくりとご覧いただきたいと思います。
今回の展覧会では、こうした荒彫・鉈彫と言われる「のみ痕」を残す神像や仏像を多く展示しています。さらに、こうした異端の仏像彫刻の極致とも言い得る円空仏や木喰仏も展示してあります。不思議な信仰の世界をお楽しみください。
なお、常設展示室では、「金箔瓦」のテーマ展や「織田家の人々」の展示を行っています。あわせて、ご覧ください。
場所:
滋賀県立安土城考古博物館
日時:
平成26年9月20日(土曜日)~11月30日(日曜日)
9時~17時(入館は16時30分まで)
月曜休館(月曜が祝祭日の場合はその翌日)
入館料:
大人 890円(680円)
高大生 630円(460円)
小中学生 410円(310円)
県内高齢者 450円(340円)
( )は20名以上の団体料金
お問い合わせ:
滋賀県立安土城考古博物館 電話0748-46-2424
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