ブランドのつくり方
東京の本社から、真夜中メール仲間のMさんと、師匠のUさんがやって来て、午後から某クライアントの役員様のところへ。 「世の中に通用するブランドを創りたいんだけど、いくら宣伝費をかければできますか?」とおっしゃる役員様を囲んで“ワークショップ”と称する会を開き「ブランドのつくり方」について講義(?)をすることになったのだ。事実、このように「大量に、魅力的に宣伝すればブランドになる」と勘違いをなさっているクライアント様は世の中にたくさんいるのだが、モチロンこれは大間違いであって、広告や販促というのはあくまで商品の持つ「価値」を伝える手段でこそあれ、商品の価値を「作る」なんてオコガマシイことができるわけがないのだ。従って、今日は「所詮、ブランドなんて幾らお金を積んだからって作れるものではなくて、そのブランドが生活者に何を「約束」するのか?ということが、企業側と生活者側との間で共通の認識になっていなければ、そもそもブランドなんて成立しないのですよ」という極めて当たり前の話をさせていただいた。今、世の中で認められているブランドがブランドとして成立しているのは、ルイヴィトンも、ユニクロも、BMWも、ナイキも、健康系カテキン茶も、アンリ・シャルパンティエも、それぞれの顧客がその企業や商品やサービスに対して期待している「何か」を、ちゃんと「約束」してくれるという気持ちの絆ができているからなんですねぇ。ということで、今日の“ワークショップ”の最後は「じゃあ、あなた方の商品は、顧客に何を『約束』できる商品なのかを、次回までによーく考えておいてくださいね。ブランドづくりというのは、地道なようですが、すべてココから始まるのでぇす」などと勝手に言い切って終了となりました。しかし「はぁ、宿題ですかぁ・・・」なんて悲しそうな表情をしながらも、こちらの話を真面目に受け止めていただいたこのクライアント様の商品は、良いブランドになる期待大です。その帰り、すっかり夕方になってしまい、まだ昼メシも食べていなくかったワタシと東京のMさんは、関西では評判のイタリアンのいわゆる「ブランド」店に入り、パスタなどを頼んだ。店の内装は、「やりすぎじゃないスか?」というぐらいお洒落で立派。で、肝心の料理はと言うと、う~ん、見た目は結構美味しそうなんだけど…別にィ?という感じ。決してマズくはないが、パスタ1皿で2,000円前後とることを考えれば、ハッキリ言ってこの値段でこれですかぁ?という感じ。期待してたのに、味は「約束」を守れてないから、この店は、ワタシの中の「ブランド」にはならないことが決定。難しいのぅ、ブランドは。