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テーマ:山登りは楽しい(12253)
カテゴリ:キャンプと山登り
(きのうの記事のつづき) 月山は神さまの山なので、頂上に立派な神社があります。 白い霧がたちこめる荘厳な雰囲気のなか、ひとがたを流してお祓いを受け、たくさんのお社に手を合わせる。 巡礼の白装束を着た方たちもたくさんいる。 ここまで無事に登ってこられたことに感謝しておみくじを引いたら、大吉が出ました。 「よくがんばったね」とほめられているみたいで、うれしい。 山頂は歯の根が合わないほど寒いので、お参りの後、急いで上着を着る。 屋久島では出番のなかったゴアテックスのレインスーツ。 軽くて薄いのになんてあたたかいんだ! ちょっと値が張るものだったけど、あのときけちらなくて本当によかった。 ありがとう、2年半前のわたし。 などと言っている間に、くまはリュックから携帯用ガスコンロと鍋、ペットボトルの水を取り出して、お湯を沸かしている。 どうやらここで、インスタントラーメンを煮て食べさせてくれるらしいのです。 出発前は「わざわざ山の頂上まで出かけて、なぜにインスタントラーメン?」と半信半疑だったわたし。 出来上がった湯気のたつラーメンをひと口食べて、ちっぽけな疑いは吹き飛びました。 塩気のあるあたたかいスープが冷えた体に染みこむようで、言葉をうしなうほどおいしい。 くまの分まで取り上げるようにして、夢中でずるずる食べる。 今までの人生で食べたインスタントラーメンの中で、まちがいなく一番の味。 空が近い。雲が近い。手を伸ばしたら、届きそう。 帰りみちは霧も晴れて、月山がその美しい姿を惜しみなく見せてくれました。 上の写真、白い筋のように縦に細長くつづいているのが登山道です。 登りの半分ほどの時間でふもとに着いて、こわばった体を念入りに伸ばしてから温泉へ。 お湯の中で手足の指がのびのび広がる感じが、なんとも気持ちいい。 うちの周りの温泉はさらさらしているけれど、このあたりのお湯はとろりとして、肌がすべすべになる。 湧き水も、うちの近所のはどちらかといえば無味無臭だが、月山の水はほのかに甘い。 ほんの少し移動するだけで、水の味ってずいぶん変わるものだ。 登山の後、数日間体がむくんで、おなかの調子がわるくなりました。 (女性にはときどきあることみたいです) 登っているときだって、見ているのは景色より地面ばかりで、苦しいし疲れるし、もうしばらく登山はいいやと思っていたはずなのに、気づいたら本屋で登山の本に手を伸ばしている自分がいる。 今度山に登るときはから揚げと卵焼きも持っていこう。果物も忘れずに。そうそう、はちみつレモンがすごく食べたかった。なんて、お風呂のなかで思いついたりして。 登山とか、キャンプもそうだけれど野外で過ごすのは本当に不便だ。 火を起こすのも、水を汲むのも、家の台所ならボタンを押すだけ、蛇口をひねるだけですむのに、外ではとても手間がかかったり、力が必要だったりする。 それでも、不自由な中で工夫して作ったごはんはすごくおいしい。 夜は静かで、朝はすがすがしい。 当たり前のことが、かけがえなく思える。 「めんどうくささ」こそが、野外では愉しみの種になると気づいてしまったわたし、もう後には引き返せません。 さて。 今週末は、どこへ行きましょうか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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