GWでの苦い思い出
GWを迎えると思い出す、新人時代の苦い思い出があります。 私が担当している著者の方々は、職業としての作家さんだけではなく、大学の先生や企業にお勤めの方もいます。 執筆以外に本職を持っている著者の方々は、普段はなかなか執筆に当てる時間がとれないということもあって、土日といった普段の休日の前や、GWや夏休みといった長めの休日の前になると、 「この休みを使って、執筆を進めて下さい」 というお願いに行ったり、電話を入れたりすることがよくあります。 本音を言えば、「きっと、休みはゆっくりしたいだろうなぁ~」 という気持ちはあるのですが、そこは心を鬼にして、原稿の催促をしています (著者の皆さん、ごめんなさい)。 相手を最大限に気づかいながらも、それでいて、思い通りに進んでいない著者のお尻を叩かなければならない “原稿催促” は、編集者として何年経験を積んでも、とても神経を使うものです (経験を積めば積むほど、いろいろなことに気がまわり過ぎてしまうからかもしれませんが) 。 新人時代、原稿催促に不慣れだった私は、GWをまもなく迎えるというタイミングで、先輩の編集者の指示のもと、何人かの著者に (いま思い出しても恥ずかしくなるような口調で) ビジネスライクに 「GWを使って執筆を進めて下さい。 休み明けに、できた部分だけでも拝見させて頂きたいと思いますので。」 のような感じに電話を入れました。 GWに入り、私自身もその休日は友人と旅行に出ていたのですが、旅先のホテルで、電話を入れた著者のお一人とばったり出くわしたのです。 「ここに3日ほど泊まって、執筆を頑張ろうと思ってね。」 とのこと。 編集者だって休日をのんびり過ごすことがあっていいのですが、原稿催促をした手前、私は何とも申し訳ない気持ちでいっぱいになってしまいました。 GWが明け、その方への催促の電話がしづらかったのは言うまでもありません。