One Stop Border
日本には陸路の国境が無いので、あまり国境について考える機会はないのだけど、世界の多くの国には国境がある。国境の先には、他の国があるので、基本的には自由に物や人が行き来しない。特に、近年は取り締まりが厳しくなっており、国境超えが難しくなっている。また、国境では、麻薬などの取り締まりに加え、関税徴収が行われ、政府の貴重な財源になっている。(汚職の場にもなっている)途上国の多くの国々では、迅速に検疫、徴税、取締りをする余裕が無く、時間がかかり、かつ正確ではない。通過するだけの国で、荷を開いたり閉じたりし、荷物が無くなったりすることもある。また、困ったことに、ある国の手続きを終え、ようやく出国したら、次の国の入国審査が待っている。こんな訳で、国境付近には数キロにもわたるトラックの列ができ、一週間近くも通関手続きに時間を費やすところもあるという。こんな状態では、とても農産物の輸送は無理。アフリカの国々では、これを効率化しようということで、One Stop Border構想が広がっている。これまで、他の地域でも実施された取組み。国境を接している二カ国が、共同で通関の施設を作り、共同で通関手続きを行う。そうすると、単純計算で、通関に費やす時間は半分ですむ。そのためには、施設整備はともかく、通関合意、徴税システム、検疫や取締りの人材育成など、課題は山積。特に、制度合意が大変。数カ国と国境を接している国が多いので、地域全体で取組みを試みるのだが、各国の仕組みは異なり、内陸国の事情もあったり、協議は難航するのが常。でも、通関がスムーズに行えると、経済活動が促進され、相互に活性化するメリットは大きいので、取り組む意義は大きいと思います。国境を有していない日本は、あまりノウハウで優位性があるとは思えないのだけど、物流業者や税関の方々は、より良い仕組みへの提言ができるかもしれない。One Stop Borderに関する記事はあまり無いので、国連の通関関係のサイト:http://www.gfptt.org/Entities/TopicProfile.aspx?tid=f02e95d2-7f7a-4443-bfa4-e1abc6be8e47