カレンダー
何の変哲もないありふれたカレンダーが、世界に一つだけのスペシャルになる。カレンダーに行事を書き込むのが好きだ。「ねぇ、遊ちゃん。私のピンクのペン取って」「良いよ。でも、何するん?」「ん?カレンダーに行事を書き込むの」うちのカレンダーの毎月25日は、ピンクのペンで丸印が付けてある。飽きもせず、○ヶ月記念日、と称してこの日に二人でお祝いをしている。先月の25日で一年9ヶ月目。あと3ヶ月もすれば、ついに3年目に突入だ。「何を書くと?」「6月の行事だよ」「6月?3年目に突入する以外、何か特別な行事ってあったっけ?」「6月5日は、初めて遊ちゃんにメールを送ったメール記念日。11日は、遊ちゃんが怪我をした負傷記念日。14日は、初めて拉致られた初拉致記念日。20日は遊ちゃんの寝顔記念日。24日はファーストキス記念日ですが、何か文句でも?」「(苦笑)」一緒に居ることが当たり前になってきた今日この頃。だけど、改めて二人の記念日を祝うことによって、自分に渇を入れてるの。傍に居てくれてありがとうってちゃんと思えるように。「3年目に突入かぁ…。この2年間、どうだったよ?」「特に何もなし」「どうでも良いんやん!!」「そんなこと、一言も言ってないやろ!!しいて言えば、以前ほど大喧嘩をしなくなったよね」「本当やん!大喧嘩しなくなったね」つき合い始めて直ぐの頃は、些細なことでよく大喧嘩をした。1年目は、泣いたり笑ったり、大喧嘩したり仲直りしたり…その繰り返し。2年目は、相変わらず泣いたり笑ったりしたけど、大喧嘩は滅多にしなくなった。それは、言ったところできっと変わらない、仕方がないという諦めによるものなのか、それとも互いのことをちゃんと理解出来るようになったということなのか…「今年の6月25日は日曜日なんだね。今の状況のままだと休みなんか取れそうもないや」「3年目に突入なのに。一度しかないのに」私だって、3年目に突入したその日に二人でお祝いしたいさ。でも、現状が続けば、それは叶わぬ夢となる。「取れそうだったら取る。でも、無理そうだったら、26日で勘弁して?」「許しちゃらーん」「………(涙目)」「わぁ~、ゴメン、ゴメン。謝るけ、許しちゃるけ、そんな泣きそうな顔せんでぇー」「………(ニコッ)」こんな日々が、ずっとずっと続きますように―Photo by NOION