小説「かもめ食堂」を読んで
私が今までに見た邦画のなかで、「かもめ食堂」はなかなかおもしろかった。でも、なぜにサチエさんがフィンランドで食堂を??とか色々な謎は映画ではわからなかったので、原作を読んでみた。サチエさんのお父さんは古武道の達人で、道場には海外から多くの人が学びに来ていた。その中に、ティモさんというフィンランド人がいて、一度家族3人でフィンランドに遊びに行ったことがあるそうだ。のどかな雰囲気が気に入っていたサチエさんは、食堂をするならフィンランドと決め、彼に連絡をとって、開店準備を手伝ってもらったそうだ。そして、大きな謎・・・開店資金はどうしたのか?なんと、なんと、サチエさんは3度目の正直で、宝くじ1億円が当たったのだ。やっぱり、今年の年末の宝くじも買わねば・・・!道理で、しばらくお客が来なくても、のんびりとしていたわけですね。サチエさん。ペラペラ話せるフィンランド語も、日本の語学学校で習っただけなんだとか。まぁ、小説ですけどね。そして、日本オタクのトンミ・ヒルトネン君は、小説の中では、サチエさんに恋していたようだ。でも、彼女が38歳だと知って、かなり衝撃を受けていた。なんと、サチエさんのことを15歳だと思っていたらしい。海外の人にとっては、日本人の年齢はとてもわかりにくいらしい。私もイギリスで何度か実年齢より若く見られて、うれしかった思い出が(笑)。指さしちゃった先がフィンランドだったというミドリさんは、勤めていた会社が閉鎖となり失業者に。結婚した兄や弟からは邪魔者扱いされ、ふと「外国にいってやろう!」と思い立ち、地図帳を引っ張り出し、指さした先がフィンランド。50歳のマサコさんは、親がマンション経営をしていたことで、ちょっとは裕福に暮らしていたけれど、両親が身体が弱かったため、介護の毎日。その後、両親が相次いで亡くなり、やっと自由に暮らせる・・と思った矢先、弟が事業に失敗し、マンションと弟の自宅が抵当にとられ、残ったのは、両親が住んでいた家とワンルームマンションだけ。で、その自宅を弟に乗っ取られ、自分が小さなワンルームマンションに住む羽目に。頭に来たので気張らし旅行で選んだのがフィンランド。介護のときにテレビニュースで見た「エアーギター選手権」「嫁背負い競争」を見て、気になっていた国なんだったとか。小説もなかなかおもしろかったけど、やはり映画の主演の3人の演技が絶妙だった。また、もう一度見てみよう・・・と思った夜でした。