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カテゴリ:英語講師として
密かに進行している内緒の話
実は中学生の女の子の家庭教師をしている。 (プライバシーの関係があるので事情は省きます。 また家庭教師の募集はしていません。ごめんなさい) で彼女は何をしに来ているかと言うと、基本 楽しくおかしくエイゴする。 っていう時間の無駄のような事をしている。 海外ドラマの話。 洋楽の話。 世界情勢の話。 絵本を読んだり、など。 一見何をしているんだか分からないような内容だが、 私はこれがすごく大事だと思っている。 英語を理解する時に「概念」が必要だからだ。 そんな風に楽しくやっていたある日 彼女から申し入れがあった。 「英検を受けてみたい。」 「はっ?ううううう~ん。」 「本当に?つまらないよ。」 それでも彼女は受けるというので、ボチボチ準備をしてきた。 6月に英検を受ける。 彼女はまだ中学2年をスタートしたばかり。 極めて文法的な経験も少なく、語彙も少ない。 しかし「3級」を受けるという。 正直悩んだ。 今まで月2回のペースでやってきたものを週1にし、 膨大な量の宿題を与えた。 でもキツくて泣けてしまう。 英検の3級なんて高校に入ったら何の意味もなくなってしまう。 その頃にはぞくぞくと準2級や2級の合格者がでるだろう。 将来的に英検が資格として意味を持つのは正直準1級か1級のみである。 少なくともあと1年待てば今のように泣く事もなかろう。 でも彼女は「今3級」にこだわっている。 夏休みもお盆休みしかなく、テスト中でも部活があるくらいハードでも 部活動が大好きな彼女。 部活の隙間をぬって英語をやるのは大変だろう。 宿題もテスト勉強もある。塾もある。 それでもやるという。 彼女のお母さんと電話で話した。 「大変みたいです。」 「こんなに勉強ばっかりで、大変でつまらない、って言うんです。」 とお母さん ほらね~。 私「どうしますか?1年待ちますか?それとも級を落としますか?」 お母さん「今までみたいに楽しくやりたいっていうんですけど」 「でもやるっていうんです。」 そろそろ「楽しくエイゴ」の禁断症状がでているようだ。 私の胸のうちは複雑だ。 英語だけの事を考えれば、無理をして英検を受けるなんて意味が無い。 ある程度英語が分かるようになれば、勉強しなくても自然に分かるようなことばかり。 その「暗記」にかける時間とお金が無駄に感じてしまう。 それでも今回は「英語」に意味があるのではなく 「高い壁に挑戦」する彼女の強い意志とそれを成し遂げようとする努力に意義があると考えよう。 どれだけ時間を作り、努力をする事が困難だと分かっていても向かっていく彼女は美しい。 もし今回の結果がダメでも秋に再挑戦はしないことを彼女に告げた。 6月の英検が終ったら、彼女と映画を観ようと思う。 後二ヶ月。今回はテストを受ける技術を彼女に仕込んでいる。 とにかくテストなんて受かればいいんだ。 分かってなくてもいい。点数だけが問題だ。 本当に大事なのは将来彼女が英語を使って何かできる能力のある人間だと信じ、「実際に使える英語力」を付けさせてあげる事であり、それが私の使命である。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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