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テーマ:気になるテレビ番組(2918)
カテゴリ:映画・演劇
朝ドラといえば、何回か一度アタリはあるものの、
かなりの勢いで撮り進める必要があることや、 単位時間あたりの会話量が多いことなどもあってか、 かなり、コケる率が高いというか、 また、 視聴率狙いをしてさらにコケる率が高いというか、 やたら、明るくて、ポジティブ志向の「おんなのこ」が、 困ってる人たちをみつけては介入していって、幸せにしていくながら、 自身も成長する!!みたいなパターンか、 田舎から出てきて、、、(以下同文) みたいなパターンが比較的多く、 また、 にんげん よりも、出来事 を描いて済ませようとする (脚本の負担が大変なので、そういうラクな方に逃げてしまうのかも) ことも多いため、登場人物がおよそ、ありえない思考や行動を示す、、、 ということもおおいのですが、 今回のクールで始まった、ウェルかめ、、、 設定そのものが、びっくりするほど特殊ではないんですが、 主人公の「にんげん」の描き方、 また、周りの人間、そして、周りとの相互のかかわり方など、 なかなか、 よく「にんげん」を描いているドラマのようです。 主人公は、文字通り、成長していく過程の、社会に出たばっかりの「おんなのこ」ではあるのですが、若さゆえの、未経験ゆえの、まっすぐさとともに、肝心なものが見えていない、また見えていないゆえの残酷さ、不寛容さ、偏狭さ、、、、などもかなりストレートに描かれています。といって、それは、人間の悪さ、、、とかではなく、まさに、成長していく過程の「成長しろ」であって、「ありえない」ようなものでなく、むしろ、皆若いころは、そして、若くなくなっても、ときおり、人間の核のところで疼く、、、そんな部分を上手に描いています。 きっと同年代の同じ「若さ」を生きている人たちがみたら、自分の恥部をみせつけられるような不快感さえもつのでは、、、と思うほど、ある意味「突き離した」脚本と演出になっています。 本当の意味での相手の受容・興味・理解、、、すなわち「愛」なのかもしれません。(男女にもちろん限りません。)が、その意味では、やさしいかもしれないが「愛」を知らない「おんなのこ」の状態から主人公をスタートさせています。 人格そのものが未発達、、、、これは、数々の「成長物語」を描いているかにみえる朝ドラにして、実は、あまりそうではない(例外は、「ちりとてちん」と「ファイト!」くらいか、、でも「ファイト」はかなりすでに完成された人格でした、、、)ことを改めて思い起こしました。 そしてまた、「仕事」「社会人として」「プロフェッショナルとして」という視点でも、主人公に対し、あたたかくも辛らつな言葉を、上司が投げかける場面が多くあるのですが、それは、単なるイジメでもなければ、「実は良い人」の伏線でもなく、 実際、単なる自己承認要求や、固定された興味や、自分だけの順位付け、、、などから陥る、「眼の前で実際に起こっていること」「実際に眼の前に存在している者・物」への正しい興味と理解の欠落 (アレは関係ないもん、とか、あんなのは私のスルことじゃない、、とか)を、シナリオの中で実際に主人公が行って、それを戒める、、という場面だったりしていて、「成長」や「生き方」という面からみても、とても共感できる内容になってます。 もしかしたら、「学習塾の優等生タイプ(=絶対者からの評価と、他者への相対的優位に自分のアイデンティティを預けてる人たち)」などには(主人公はそれとは違うけど)、耳の痛いハナシもおおいかもしれませんが、きっとそういうタイプは自分とは重ね合わさないので気付かないでしょう。 友人も、また、ちょっと協調性の無い友人が、辛らつな言葉を投げかけるのが、これまたなんの悪意もなく、図星であることが多く、それがまたドラマを進めていくのもよくできています。 これらが、しかも、ユーモラスで、おかしみを常にたたえていて、深刻だったり、愁嘆場であったりはまったくせず、ノリ的には「ちゅらさん」的なノリで展開するようになってるという、非常に秀逸な脚本と演出がなされています。 なにぶん、脚本も書きながら、撮影を進め、放映もしている、、という番組ですから、今後どうなるかは保証の限りではありませんが、 かなり、見ごたえのある、かつ、朝にサラっとみても重たくならない(僕は毎日録画して帰宅後、15分みるのを楽しみにしてますが)、面白いドラマになっています。 主人公は新人で、顔立ちやスタイルだけでいえば、「かわいい系」なんですが、これまた、役者としてよく演技しておられると思います。 また、よい作品に出られてよかった、、とも思います。相乗効果、、ですね。 室井滋が上司なんですが、これまた、良い味を出しています。 脚本をもらって、文字で読んで、、、それを、どんな過程を経て、あんな「役」を自らの中に立ち上げて、形にするのか、、、と考えると、やはり、一流の役者ってすごいなあ、、、と思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009.11.03 14:23:55
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