『君のためなら千回でも』 (2007) / アメリカ
原題 : THE KITE RUNNER監督 : マーク・フォースター 出演 : ハリド・アブダラ 、 ホマユーン・エルシャディ 、 ゼキリア・エブラヒミ 、 アフマド・ハーン・マフムードザダ 、 ショーン・トーブ 鑑賞劇場 : シネスイッチ銀座公式サイトはこちら。<Story>1970年代のアフガニスタン。裕福な家の一人息子アミール(ゼキリア・エブラヒミ)は、召使いの息子ハッサン(アフマド・ハーン・マフムードザダ)と凧遊びをしたり、兄弟のように仲よく暮らしていた。だがある日、小さな二人の絆は思いがけない出来事によって砕け散ってしまう。やがてソ連がアフガニスタンに侵攻。2人の関係は修復されることなく、アミールと父親(ホマユーン・エルシャディ)は米国に亡命する。時は流れ、00年のサンフランシスコ。小説家となったアミール(ハリド・アブダラ)の元に、父親の親友(ショーン・トープ)から「君は今すぐ故郷に帰って来るべきだ」と電話が入る…。君のためなら千回でも - goo 映画<感想>この日面接に行ったんですよね~。で、早く終わったんで、せっかく近くまで来たんだから・・・と、シネスイッチの金曜レディースデーを思い出してこれを観ることに。『ぜんぶ、フィデルのせい』で、恵比寿ガーデンシネマに行ったときにこれがもう1本かかってて、気にはなっていたけど観ずにいたから、ちょうどいいかな。恵比寿でポスター観たときは、これって子どものほのぼの系? なんて思っていたので、まあハズレでもいいやなんて観始めたら・・・これがまあ、奥が深い深い。ソ連侵攻以前のアフガンの様子なんて、こんな風だったんだ・・・ と、恐らく初めてみる風景でした。凧揚げなんて日本では正月しかまずしないし、あんまり「相手を倒す」ということには熱心にはなりませんから。(C)2007DreamWorksLLCandKiteRunnerHoldings,LLC.AllRightsReserved. 2人の少年、アミールとハッサン。パシュトゥーン人とハザラ人、部族同士の長い長い歴史が2人の間に横たわる。少年同士の友情、そして忠誠というものも、その事実の前に崩れ去っていく。あまりにも自分に忠実すぎるハッサンが疎ましくなったアミールが思いついた画策によって、2人の間は永遠に引き裂かれる。「許し」ということがこの映画の1つのテーマになっている。世の中の罪は全て「盗み」であると説くアミールの父。アミールはハッサンから何を盗んだのだろう。ハッサンの純粋な心だろうか。その「許し」が先々、成人したアミールの人生に大きく関わって来ようとは。タリバン政権下のスタジアムで、姦通罪の石打刑に処される男女を見ながら、アミールは父を許していたのだろうか。そしていつ命が尽きてもおかしくない旅に行く。自分の「許し」を乞いに。(C)2007DreamWorksLLCandKiteRunnerHoldings,LLC.AllRightsReserved. キャスティング、特に3人の少年達が素晴らしい。実際にカブール在住の少年達です。キャスティング担当者はこの役にふさわしい少年達を探して世界中を訪ねていきました。アメリカやヨーロッパ在住の、アフガン系の少年達にはたくさん会ったけど、とてもアフガン在住とは思えないほど彼らは故郷からは隔たっており、結局カブールでオーディションを行い、今回のキャストになった。アミール役のゼキリア・エブラヒミ君は実際に父親をロケット弾で亡くしています。アフガン侵攻、そしてタリバンの支配、9.11以降の世界の変化、そういったものを身を持って体験している彼だからこそできる役だと。あと2人の少年、ハッサン役のアフマド・ハーン・マフムードザダ君、ソーラブ役のアリ・ダネシュ・バクティアリ君、彼らもその役が乗り移ったかのような演技。将来、またスクリーンでお目にかかれることを期待して・・・成人したアミール役のハリド・アブダラ、そしてソラヤ役のアトッサ・レオーニも素晴らしかった。異国におけるアフガニスタン社会のあり方というものも、興味深いものがあった。彼らは彼らのコミュニティに誇りを持っており、互いに支えあって生きているわけで。故郷を愛するという気持ち、そして平和を願って幸せになろうとする想い、彼らの情熱に心動かされました。********************************今日の評価 : ★★★★★