蒼井優×4つの嘘 カムフラージュ Chapter4 『都民・鈴子 -百万円と苦虫女 序章-』
あちこちで引っ張りだこの蒼井優ちゃん。『百万円と苦虫女』の前哨? のようなDVDが出ているので、お借りして観てみました。これは、WOWOWで企画され、放映されたテレビドラマをDVD化したもので、各チャプターごとに異なるクリエーターが制作し、蒼井優ちゃんもそれぞれの世界観で、それぞれの人格を演じるというもの。第4章はタナダユキさんの制作です。『赤い文化住宅の初子』で、かなりその世界観が好きになったタナダ監督。4つの嘘、と題されたDVD-BOXのうちの第4章。この中の優ちゃん、『百万円・・』のあの表情に近いものがありました。嘘をついた友達をかばってあげたくて自分がついた嘘。でも受け入れられなくて苦笑いした顔・・・。今が幸せ、って言い切る知人たち。でもその言葉にどうにも首をかしげたくなる思いを抑えきれず・・・。自分じゃこう思っている。 でも第三者からいろいろ言われたことで、自分で自分がわからなくなってしまって・・・。白か黒か、と定義したくても、完全な白じゃないかもしれないし、完全な黒じゃないかもしれない。グレーゾーンの表情が、彼女の持ち味なんでしょうか。タナダユキ監督は、「蒼井優ちゃんしか撮りたくなかった」とまで、制作の様子を語っていました。そして、DVDのエピソードの合間に、写真家・石塚元太良氏による「もう1つの嘘」というコーナーがありました。これも、1枚の写真をもとに、そこから蒼井優ちゃんを語っていくという企画で、石塚氏は、「彼女が入ると、もうそれだけで絵になってしまう。そして彼女は、被写体であると同時に、撮る側の視点というものも持ち合わせている」と語っています。現実であるのに、どこかそこから浮遊しているかのような視点。常に自分だけ、という感覚では、なかなかできないことだと感じます。その、「自己の中の他者」的な感覚が、生まれながらにして備わっている優ちゃん、だからこそ自分を自然にクリエイトしていけるのでしょう。蒼井優×タナダユキ、この組み合わせって本当にぴったりという雰囲気しますね。本編の後に、2人が本編観ながらのツッコミトークしてるのがあるんですが、その、撮影中の本音全開トークとか、場面場面のツッコミどころとか、言いたいことをまったりと言っているのが妙に面白い。。ファンの方はぜひ、こちらもご覧になって損はないですよ。。