『落下の王国』 (2006) / アメリカ
原題: THE FALL監督・製作・脚本 : ターセム 出演 : リー・ペイス 、 カティンカ・アンタルー 、 ジャスティン・ワデル 、 ダニエル・カルタジローン 、 レオ・ビル 鑑賞劇場 : シネスイッチ銀座公式サイトはこちら。<Story>1915年のアメリカ、オレンジの木から落ちて怪我をし、入院中の5歳の少女、アレクサンドリア(カティンカ・アンタルー)。人懐こい少女は、あどけない笑顔で病院中の人々に可愛がられていた。ある日、足の怪我でベッドから起きられない青年(リー・ペイス)と知り合う。病室に入ってきた利発そうな少女に、青年は自分が作った物語を聞かせる。たちまち夢中になって、続きを聞かせてとせがむ少女。しかし、それは少女に自殺するための薬を盗み出させるための作戦だった…。落下の王国 - goo 映画<感想>世界各国にある、世界遺産などの美しい風景をロケ地に使用したということで、話題になっている映画でしたので、興味を引かれて観てきました。ですが、シネスイッチの、公開翌週のレディースデーということをすっかり忘れておりましてね・・・。 人が多い(汗多いだけならまだいいのですが、複数で来場の女性客が中心ですので、おしゃべりが・・・。900円で安いから来るのはいいのですが、最低限のルールは守ってほしいものです。私語はしない、座席は蹴らない、飲み物食べ物は極力周囲の迷惑にならないように。当然ですが携帯の電源は切って。席につく前から機関銃のように喋りまくっていたご年配の女性2人連れ。私のお隣でした。予告始まったら静かにしてほしいのに、それでも1つ1つにコメント入れながらおしゃべりで。席移りたかったけど、混雑しているのでその余裕もなく(涙)本編始まってまだうるさかったら注意するぞ!おー♪ と思っていたのですが、最初ににらみを利かせたのが功を奏したらしくw さすがに本編では黙っていましたが。。。そんなこんなで映画です。スタント中に怪我をして半身不随になってしまったロイが、同じ病院に骨折で入院してきたアレクサンドリアに語る物語を映像化していきます。その内容は復讐劇。映像の至る所に、世界24カ国以上のロケ地を入れています。劇の場面場面で背景に出てくる映像美に、まずは見とれてしまいます。(C) 2006 Googly Films,LLC.All Rights Reserved.劇中劇はかなりペシミスティックな雰囲気。アレクサンドリアが、"No,no,no,..." と泣きながら、そんなに悲しい話ならもうしないでと懇願するところなどは本当に気の毒になってしまいました。ここで泣いている観客も周囲にはちらほら。力を合わせて立ち向かったとしても生き残れるのはほんの少数・・・ そして必ずしもハッピー・エンドが待っているとは限らない。おとぎ話はハッピーに終わってほしいと思うのが子どもだけど、敢えてそうは語らないロイ。彼もまた、アレクサンドリアに話すことで自分が受けた心の傷から回復するためののバランスを取っていたのだろう。構想26年、撮影4年という時をかけてつくられたこの映画。ターセムの、映画に対しての畏敬の念がそこここに感じられます。丁寧に、場面ごとに選ばれた理想の背景。途方もなく理想に近づくためには、それにふさわしいストーリーを用意しなくてはなりませんし、撮影のレベルも高くしなくてはならない。ロイと一緒に旅をする戦士たちも、選び抜かれたエキスパートといったところでしょう。妥協を許さない姿勢があります。ただ・・・。見終わった後に、先への希望がストレートに感じられないものが自分にはありました。きっと映画に深く携わっている方や、相当の数の映画をご覧になっている方、そんな方にはこの映画はかなりツボなところに入ってくるんだろうなと思いながら観ていました。美しいですが、観る人を選ぶ映画です。*********************************今日の評価 : ★★★