先週からめずらしく風邪をひいてしまっていた私
先週は友人との約束もキャンセルし
熱は下がったものの、まだ今ひとつ本調子ではなく・・・
この土日もだらだらと過ごしていました
そんな中でなんだか現実逃避したくて、昨日は久しぶりに
半日読書をしていました
昨日読んだのは・・・・
S・Dタワーという方の『レイル』~王国の暗殺者~という本
一番のお気に入り
と言っても過言ではない本
何回読んでも楽しめるし、本当に何回も読み返している本
内容(「BOOK」データベースより)
幼かったわたしは、針をなくした責めを負って村を出た。森で拾ってくれたのは、優しい面差しの女だった。「マザー」と呼ばれるその人に導かれ隠れ里へ行ったのはいつだったか…。暗然たる力をもつ、王国タムリンの女王。その下で美しき暗殺者に育った少女レイルは、ダーデインの若き王のもとへ送りこまれる。読みだしたらとまらないミスティック・ファンタジー。
いつの時代、そしてどこの国が舞台なのかさえ、はっきししないような設定・・・・
なのに、文章から映像がはっきりと描写されるような・・・・
まるで映画を観ているような、
そんな圧倒的な世界観を持っている本です
一応児童文学の分類になっちゃうと思うのですが、
心理的な深みや歴史の深みなどもあり、絶対に絶対に大人のほうが楽しめる
お話しだと思う
訳者の方も「読み出したら止まらない」と記していますが、
600ページある物語が、短く感じてしまうくらい本当におもしろいのです
レイルが生きている世界は、ダーデイン人とエグザイル人がせめぎ合う世界。
それぞれ6王国が健在しているのですが、民族対民族だけではなく、
同じ民族同士でも扮装が絶えません。
国民は100年前に比べて、衰退の一方
電気はもちろんなく、かつてあった水道も今は通っていない・・・
ガラスもめずらしい貴重品・・・・というような時代
人々は信仰深く、「霊」の世界も近くにあります
そんな中でレイルは一国の女王の養女として、
望む望まざるに関わらず、冷徹で知的なスパイに成長します
初めての仕事は、なんと6王国の中でも一番栄華を極める国の、
王の愛人になること
そこからレイルや、周囲の人の心情や、策略が交差していきます
スパイ活動、戦争、国策、陰謀、恋愛などなど、
本当に盛りだくさんの内容です
いろんな陰謀があるのですが、その準備が本当に抜かりない
人間の執念や恨み・・・また愛憎などの深さも、物語の深さと怖さの1つ
また主人公のレイルが本当に魅力的
知的で頭の回転が早く、打算的野望も高い女性です
決して純粋・・・というわけではないかもしれないけれど
冷静に物事を見極め、自分で人生をつかみとる様は、本当に憧れます
また敵方も含め、そのほかの登場人物もそれぞれとっても魅力的
戦争がある時代ならではの、多面性を持った登場人物たちに、
人間の深さを感じ取ることが出来ます
服装や建物、また町並の描写もとっても綺麗で、
個人的には是非是非映画化していただきたい作品
この本を読むおすすめとしては、目次の項目を初めに見ちゃわないこと
(見ると若干、ストーリーが読めちゃうのでおもしろさが半減しちゃうような)
夢見るファンタジー・・・というわけではなく、
後味も、「冒険が終わった」というようなすがすがしいものではなく、
なんだか余韻にひたってしまうような作品ではあるけれど・・・・
それでもこういう分野が嫌いでない方には、
是非是非おすすめしたい作品です