カテゴリ:音楽・楽器
Bunkamura オーチャードホールに行ってきました。
全国で行われてきた二人のコンサート"DUET"は、 この東京公演が最終になります。 小曽根真さんのライヴは何度か行ったことがあるのですが、 塩谷哲さんの演奏を生で聴いたのは今回が初めて。 ピアノ2台での演奏が中心に、ソロ各々1曲ずつというプログラムでした。 演奏も素晴らしかったんですが、 とても面白いなと思ったのが、二人の音色の違いです。 小曽根さんは華やかな明るいくっきりした音なんですが、 塩谷さんは全体的に紗がかかったような優しい音なのです。 特に小さい音になればなるほど良く分かると言いますか…。 小曽根さんの音と比べるとインパクトが今ひとつかと当初思ったのですが、 塩谷さんの音には、また彼独特の魅力がありますね。 ソロ曲はお互いに相手の曲を演奏したのですが、 特に小曽根さんの曲を塩谷さんが弾いたのが印象的でした。 美しいスローな曲に塩谷さんの優しい音がすごくしっくりくるのです。 よくスローな曲では観客の集中力が落ちてるなと感じることがありますが、 塩谷さんのPPP(ピアニシシモ=極々弱)は、逆に注意を引込んでいく、 余韻や間を味わいつつも、息をのんで次の響きを待ってしまう、 というような魅力がありました。 (ただ同行の友人が連日の疲れのためかあまりに心地よい音に 寝入る場面もありましたが…笑) 以前ミシェル・カミロと上原ひろみさんのデュエットを観た時は、 ピアノの位置だけでなくメーカーも違ったので、 その影響も大きいかと思ったのですが、 今回はおそらく同じメーカーの同じモデルと思われます。 それでもアコースティックなので個体差は考えられますが、 さらに、アンコール1曲だけ二人の位置が入れ替わった時に はっきりしました。 やっぱり各々の音の個性は変わらないのですね。 同じ場所で同じ楽器を弾いても弾く人によってこれ程違うとは…。 そうなんだろうとは思ってはいましたが、 こんなにも歴然と表れることにびっくり。 ピアノという楽器の奥の深さを垣間見た気がしました。 勿論メインのデュエットではこれまでの公演で培ってきた阿吽の呼吸と、 2つの音色が絡み合いが絶妙で、素晴らしいコンサートでした。 二人がひとつひとつの音や余韻をとても大切にしているのも 心地よかったです。 心をこめて出す音の響きや、相手との対話で作り上げていく音楽に ジーンときたコンサートでした。
そうそう、演奏の合間のこの二人のトークも楽しかったです。 話がうまい小曽根さんにほとんど翻弄されている塩谷さんがいい。 アンコールも笑わしてくれました。 下手から出て行ったと思ったら、間髪入れずに意表をついて 上手から出てきたり…。 オーチャードホールの大きな舞台の裏を 二人が全力で疾走していたと思うと可笑しい。 結構お茶目(笑) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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