☆病児も病後も保育園とのお付き合いです☆
「診てもらって来いと言われました」「来るなという意味でしょう」「うつるんですか?」「なんでもうつります」 まだまだ残暑で夏カゼが来ます。夏カゼのなかでも学校保健法で第2種伝染病に指定されているのが咽頭結膜熱(プール熱:主にアデノウィルス3型)です。主要症状消失後2日間休む必要があります。 夏カゼでも第3種伝染病に指定されているのが、流行性角結膜炎(主にアデノウィルス8型)、急性出血性結膜炎(エンテロウィルス70型)、は医師の許可があるまでお休み。手足口病(エンテロウィルス71、コクサッキーウィルスA10,16)は全身状態の安定するまでお休み、です。夏カゼですので、発疹があるからお休みということではありません 市内の保育園でも、一部の保育園は、手足に発疹を1個見つけると大騒ぎです。必ず「診てもらってくるように」と言われますが、本音は「来ないでほしい」という意味ですので、母親から「行ってもいいですか?」と聞かれると大変困ります。 山奥には病児保育園も病後保育園もありませんので、病気になったら、保育園の顔色をうかがって、言われるとおりにするしかありません。 医療は不安の上に成り立ちますので、誰かが「心配」「不安」を感じた時点で医療が発生します。 児が「助けてお母さん」と言ったら医療です。児が「大丈夫」と言っても母が不安になったら医療です。親子で大丈夫と思ってもジジババが騒いだら医療です。一家全員「大丈夫」と思っても保育園と町内会が騒いだら医療です。医療は社会とのお付き合いに他なりません。 手足口病も咽頭結膜熱(プール熱)も夏カゼです。夏カゼのウィルスは約120種類(エンテロウィルス70+アデノウィルス50)居りますので、小学校に入るまでの6年間に全部かかろうとすると年間20回夏カゼにかかる必要があります。 たいていは知らないうちにかかって(不顕性感染)知らないうちに治ってしまいます。カゼは「うつりますか」と聞かれると「うつります」。ただし「発病するかどうかはわかりません」。 丈夫な児は大丈夫でも、アレルギー体質が強いとか、弱っている児、基礎疾患のある児は強い症状が出ますので、お付き合いでお休みする必要があります。(「夏カゼなんかがこじれる体質に問題がある」なんて外来では絶対に言えません)。 病児保育園のない山奥では、保育園の空気(カゼひいたら来るな)を読めないと村八分になりますので、注意が必要です。