アルミンクのサロメを見聞きしてビアズリーを思い出す
桜ほころぶ春のよき日に、なぜか、R.シュトラウスのサロメをそれも、母親を隣にして、見聞きするはめになりました。ズボラな定期会員は、本日、会場に行って演目を知ったのです。この2~3月、日本は、不思議なことにサロメブームだそうで、わが新日本フィルも、若き音楽監督クリスティアン・アルミンクのもと、コンサート・オペラ・スタイルで上演したのでした。 @ @ @オーケストラを「C」の字で囲い込むかのような階段状の舞台。舞台正面には、正邪の境界とも、魔界から覗く瞳とも思える直径3メートルほどの白い円形があり、その円を中心にスパイラル状に、なにか得体の知れない結晶が広がっています。そこに至る階段には、なぜか死の匂いがつきまといます。 @ @ @ワイルド原作のサロメの話は、良くご存知でしょう。愛憎うずまく王や母娘も、そして銀の皿に盛られる預言者も、あたかも、そんな血さえ引き継いでいそうな欧州のオペラ歌手たちが演じて怖かった。ウイーン少年合唱団出身、良家のご子息そのまんま、見るからに性格のよさそうな指揮者も、実はそんな狂気を秘めていそうで怖かった。 @ @ @そこで、思い出すは、大好きな挿絵画家オーブリー・ビアズリーただいま、わが家の壁一面の画集・図録の中から、探しに探して、見つかりました。98年にV&A(ヴィクトリア&アルバート)美術館所蔵のビアズリー作品を集めて日本で開かれたあの没後100年展の図録が....ああ、見れば見るほど恐ろしい。「おまえに口付けしたよ、ヨカナーン」絵の中のサロメと目が合いそうで背筋が寒くなります!いかん....「あの女を殺せ!」▼新日本フィル「サロメ」3/25,3/27http://www.njp.or.jp/njp/programinfo/04-03.html#sarome▼オーブリー・ビアズリー「おまえに口付けしたよ、ヨカナーン」http://www.tv-tokyo.co.jp/kyojin/picture/f_011124.htmhttp://www.nhk.or.jp/yumebi/art/099.html久米 信行@縁尋奇妙http://t-galaxy.com/http://jentle.co.jp/http://t-galaxy.com/news/