北野監督のタップ 「三連」
February 8, 2007元旦には見なかったが、フジテレビ系列恒例の「かくし芸大会」の再放送を見かけた。ちょうど、映画監督の北野武さん、というか東京芸大の北野教授がタップダンスを踊っているところだった。往時のお笑い芸人は、ストリップの前座として、タップダンスができるのが当たり前で、多くの漫才師はタップが踏めるし、ビートたけしさんのタップが相当なものらしいとは聞いていた。しかし、北野監督のそれは想像以上のものだった。特に驚いたのが三連。1つの音の中に、3つのリズムが入るステップだ。右足で1,2,3、左足で1,2,3・・・。1.2.3,4と数える間に、タララ、タララ、タララ、タララと12個の音が入る。その連続だ。テレビとは言え、明瞭な音が聞こえてきた。北野監督は確か10年くらい前、頭蓋骨が折れる瀕死の大けがをされたはずだ。生きているだけでも不思議、立って歩けるだけでも奇跡だと思うが、この三連の連続といったら・・・。私はこれが大の苦手で、健康状態が絶好調でも無理だ。大勢で踊る時ならやっているふりはできるが、ソロで音を拾うとなったらたちまち化けの皮がはがれてしまうだろう。あんな大けがをしても出せる技というのは、けが前に身につけたものが本当に体に染みついていたからだと思う。何かを極めるとはこういうことかと思った。文句なしに尊敬します、北野監督。