テーマ:好きなクラシック(2327)
カテゴリ:参考資料
ライナーノートには、そう書かれている。ツィマーマンにとって、「ラフマニノフの協奏曲は演奏するものではなく、“生きる”もの」なのだそうだ。う~む……、どういう意味なのか今ひとつ分りにくい。 しかし、第1番と2番を録音しているツィマーマンが、3番と4番を未だに録音しない理由を知ると理解できるような気がする。彼はこう語っている。 「私は全曲録音にはそれほど関心がありません。そしてラフマニノフの4つの協奏曲は、通して演奏するよう意図されてもいないのです。私は第3番には大きな敬意を抱いていますが、現在のところ録音しようという心構えは出来ていません。解釈はきわめて複雑で、実現には時間がかかるでしょう――それに聴くたびに身を引き裂かれるような思いがする感情がぎっしり詰まっています。さきほども言ったように、ラフマニノフの協奏曲は演奏するものではなく、生きるものです。とくに第3番はほとんど命がけになることを要求する作品です。」 要約すると、ラフマニノフのピアノ協奏曲、特に第3番は命を削るほど壮絶な演奏になるということ。つまり、ツィマーマンにとって“生きる”とはそう意味するようだ。 私は、ラフマニノフのピアノ協奏曲のうち第2番が最上だと思っているが、最も好きなのは第3番だ。そして、録音と過去の実演を聴いて最も気に入っているのは、いずれも小山実稚恵のピアノで、今のところ私の中では1番である。彼女が弾く第1楽章のカデンツァを聴くと、鳥肌が立つような感覚に見舞われるのだ。 しかし、もしツィマーマンが命をかけて演奏した第3番が録音されれば、もしかしたら小山を超えてしまうかもしれない。それはいつのことになるのだろうか?ファンである私にとっては、実に待ち遠しい知らせなのである。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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