しつこい息子
一昨日、私がPCの前で歌を歌っていると、なんと3時に義母が息子を連れて帰って来てしまった。早すぎますよ、お義母さん、と言いたかったが、私は義母の前では猫をかぶっているためどうもありがとうございましたと言っておく。義母はいつものように少し娘の相手をすると、さっさと帰ってくれたのでありがたかった。息子は帰って来た時に、義母の家の近くの野道で摘んだと言う小さな紫色の花の花束を「Je t'aime, maman」(ママ、好きだよ)と言う言葉と一緒に私にくれた。いくら息子とは言え異性に花とともにそんな言葉を贈られたらうれしくない訳は無い。「Moi aussi, je t'aime」(私も好きよ)と言い返すのは当然である。ところが義母が去ったあと、息子はことあるごとに「Je t'aime, maman」と繰り返す。とにかくしつこく繰り返す。いくら愛の言葉でも一分毎に聞かされてはたまらない。しかも私が言い返さないとイヤなようで、moi aussi, je t'aime と言うまで言い続けるのだ。それでも一日目はなんとか我慢していたが、二日目となっては暑苦しくって仕方ない。ここまで je t'aime, je t'aime と繰り返されると、おちょくられてるとしか思えない。きっと前日義母と言いあってそれが楽しかったのかもしれないが、本当にいつまでもいつまでもいつまでもいつまでもいつまでも言って来るので、いい加減腹が立ち、わかった、わかった、と軽くあしらってしまう。どこに行ってもついて来て愛の言葉を浴びせかけるので、まるでストーカーのようだ。そしたら私はさしずめ美人OLと言った所か。あまりにもしつこいのでこっちも意地悪な気持ちになり、何があっても答えてやるものかと完全に無視をしていたら終いには泣き出してしまった。息子は泣くとあとが長い。テレビのアニメで泣いてしまうほどの泣き虫だ。できれば泣かさないように毎日を送っているのに、こんな事で泣かれてしまうとはと自分にも腹が立つ。一生懸命なだめて息子が泣き止んだ後、あなたが私を好きな事は知ってるし、私があなたを好きな事も知ってるね。わざわざ何度も言い合わなくても二人ともわかってるんだからもう言い合うのはやめようね。そういって聞かせるとわかった、と言う。本当にわかっているのか疑問だが、その後何も言ってこなかったのでほっとした。夕方、旦那が帰って来た時、息子が「Je t'aime, papa」と言ったのであ、今度は旦那の番だと期待したのだが、旦那が「Moi aussi, je t'aime」と返すと息子は気が済んだようで、それで旦那を放免してしまった。とっってもガッカリした。