カテゴリ:森田理論の基本的な考え方
森田理論で人間には精神拮抗作用が備わっているということを学びました。
これは人間にはある欲望が湧き上がった時、それを抑制する考えや感情が同時に湧き上がってくるというものです。 もともとすべての人間に備わっている機能です。 例えば、飲み放題の懇親会などで、浴びるほどいろんな酒を飲みたいと思っても、二日酔いで苦しんだ時のことを思い出して今日は少しセーブして飲もうと自分に言い聞かせる。 一気飲みを我慢して、食べることを優先する。 酒を飲むたびに同量のお冷を飲むようにする。 精神拮抗作用がきちんと機能すると、二日酔いで苦しむことはありません。 しかし悲しいかな時としてこの機能が正常に働かなくなることがあります。 不安に取りつかれたり、欲望の暴走などがあります。 不安と欲望のバランスがとれないと目も当てられないことが起きます。 神経症に陥っている人は、不安にとりつかれて生の欲望の発揮が蚊帳の外になります。抑制力ばかりが働いている状態です。 自動車でいえば、動き出してもいなのに、ブレーキを思い切り踏み込んでいるようなものです。 ブレーキから足を離して、アクセルを踏み込まないと目的地に向かって車が動き出すことはありません。 あたりまえのことですが、自分の心の中のことになるとそういう気持ちになれないのです。 不安と欲望のバランスをとるためには、不安のことは一時棚上げにして、100%欲望の方に目を向けることが大切です。 簡単なようですが、神経症で苦しんでいるときはこれが難しい。 ではどうすればいいのか。 そういう人にお勧めしたいのは、日常茶飯事に丁寧に取り組むことです。 これなら誰でも取り組みやすいのではないでしょうか。 食事の準備、掃除、洗濯、整理整頓、身支度などです、 ものそのものになって一心不乱に取り組んでみることです。 すると興味や関心が湧いてきます。気づきや発見が生まれてきます。 それをきっかけにして毎日の生活のルーティンを確立するのは如何でしょうか。 規則正しい生活の習慣を作り上げることです。3か月くらいで形になります。 まず朝決まった時間に起床することが肝心です。 ウイークディの昼間は毎日同じ時間に同じことをする習慣を作るのです。 規則正しい生活が習慣化してくると、頭でこの次に何をしようかと考える前に、体がすっと動くようになります。 人間は考えることと行動は同時にできないといいます。 すっと体が動くようになると神経症的な不安に振り回されることが少なくなります。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2024.02.16 06:20:08
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