カテゴリ:森田理論の基本的な考え方
先日森田の学習会で、「あるがまま」について話し合いました。
「不安はそのまま受け入れてなすべきをなす」の実践が難しいという話が出ました。 神経症で悩んでいる人は、自分では対応できない不安を抱えています。 その不安に対して、薬物療法は自分に合った薬を処方してもらえます。 認知行動療法の暴露療法では直接不安に働きかけて不安を軽減ないしはなくする方法を教えてくれます。 森田療法では不安を軽減するためにどんなことに取り組めばよいと言っているのですか。 その方法や考え方を教えてほしいのです。 次に「なすべきをなす」という考え方が漠然としているように思えます。 「なすべきをなす」というのは、自分でやってみたいこと、楽しいと思えること、生活を維持するために最低限取り組むべきことなどだと思いますが、不安で日々格闘している人が果たしてそんなことができますか? そう言われれば、もっともなことです。どうすればよいのでしょうか。 森田では不安については現実的な不安と神経症的な不安に分けています。 現実的な不安にはどんなにおっくうでも積極的に対応しなければなりません。 たとえば巨大地震が予想されています。そのための対策をとることなどです。 津波で命を落とすようなことは避けようと思えば避けることができます。 次に神経症的な不安は欲望があるから発生するという考え方です。 不安を抱えたまま、なすべきことに意識や注意を向けることが肝心であると言われています。 ここで大事なことは、不安を坂道を転がる雪だるまのように大きな不安に増幅させないということです。 不安が湧き上がることは自然なことで、その不安を増悪させて、一生に関わるような問題にしないことがポイントとなります。 そんなことをしていると、最初は自分のほうが不安を追いかけていたのに、途中から立場が変わって不安の方がしつこく自分を追いかけまわしてくるのです。 アフリカの草原でライオンやチーターに追い掛け回されている小動物の姿と同じです。観念上の悪循環、行動上の悪循環が繰り返されて生活はどんどん後退していきます。 森田では、「なすべきをなす」ことに重点を置いて、不安をつつきまわさないようにしましょう。時間の経過とともに不安はどんどん小さく変化してくるはずだと教えてくれています。 「なすべきをなす」に関して、私がお勧めしたいのはずばり、「規則正しい生活習慣を作りあげる」ということです。 起床時間、就寝時間を一定にする。 起きている時間帯は、毎日同じ時間に同じ行動をとる習慣を作り上げるということです。これは3ヶ月くらい取り組むと習慣化されます。 習慣化されると、暇を持て余すことがなくなります。 この次に何をしようかと考える前に、体のほうが自然に動いてくるようになります。 習慣化されたルーティンワークを回避すると居心地が悪くなると思えるようになったらしめたものです。 毎日のルーティンワークに森田の「ものそのものになる」をとり入れると、気づきや発見、興味や関心が次々に浮かび生活が活性化してきます。 松山城から見た風景です お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2024.11.06 06:36:54
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