共和制?ジーコ監督の功労撤回
カズ選手ら日本サッカーの功労選手を招集してのシンガポール戦を功労試合にする案を、ジーコ監督が断念。 11月5日の記者会見で代表メンバーを発表した中に、注目の選手は無くFW大久保(喧嘩サッカーの体現者)が復帰しただけだった。 反対した最右翼は現役代表選手の現メンバー、宮本恒靖、中澤佑二らを中心とした、「出場がないのに、チームを盛り上げてくれた控え選手の出場を、ジーコ監督に求める」という主張だった。 記者会見でもジーコ監督は、険しい表情で「選手の声を受け止めた。チャンスがないにもかかわらず、チームを盛り上げ、国のため、チームのため努力してくれた(控え)選手を実戦の中に入れたいという声を受け入れた」コメントした。 日本サッカー協会はジーコ監督を守るはずが田嶋技術委員は中立かやや否定的な立場を保った。 実質的にはAFC(アジアサッカー協会)からの「消化試合とはいえ日本がシンガポール戦に手を抜くことを許さない」との声明があった。これが決定的だった。 もともとジーコ監督は、マリノスやジュビロやカシマのアジアチャンピオンズクラブリーグでの敗退や、Jリーグ2ndステージでの低迷には、選手を代表に取られ、帰ってきても代表選手の疲労があったこと遠因にあげて、クラブに気を使っての理由。記者会見でコメント「協力してくれているクラブに対する感謝の気持ちもあった・・・」 主力を休ませ、別の選手を招集することで、いつも主力を派遣しているクラブの負担を減らせられる。天皇杯のために代表合宿を中断したり、人数を通常の23人程度からベンチ入りと同数の18人に減らしたのもクラブへの配慮からだった。 しかし、Jリーグクラブの声はもっと現実的で切実だった。 Jリーグ理事会でJ1各クラブからの ジーコは最終予選を甘く見ている。 新しい選手を試す方がよい。 クラブはこのようなプランに協力できない。 などの意見が聞かれた。 日本代表がドイツワールドカップに確実に出場する方がJリーグ各クラブの経営にとって遥かに重要だった。代表の成績によって日本サッカーの注目・お客さんの動向が左右されるという切実な理由からのようだ。またJリーグクラブには功労選手への引退勧告(ゼロ回答)を控えているクラブまであるかもしれない。 ともかく宮本や中澤ら代表レギュラー選手の意見には強い説得力がある。題名に共和制と書いたがジュビロが過去の黄金時代の頃も大久保グラウンドで輪になって座って鈴木政一監督と選手の話し合いが積極的にあって共にチームが作られた。 そこまでいかなくとも、このジーコ日本代表は、ジーコ監督は共に戦う「ジーコ主将」という側面を持ち、カシマ時代のように選手たちを引っ張っている。 先はジュビロを例に出したが、懐かしい話でいえば、日本リーグ(JSL)時代の日産自動車サッカー部 黄金時代も加茂→オスカー監督は何もしなくても木村・金田・水沼ら優秀な選手たちが話し合い試合が出来たという。(ちなみにこの頃、呂比須ワグナーも所属。) この事が、ジーコ監督の指導力低下などというしょうも無い話にはならない。 選手たちの意見を取り入れるジーコ監督の姿勢は、オマーン戦での深いライン取りなど、ワールドカップ一次予選第一戦の選手(中田英寿ら)の好きにやらせてみて、選手交代で軌道修正するなど、選手が「監督の命令に忠実なロボットという呪縛」から自立し、自分で考え始めた就任2年目から既に見られたことだ。 ジーコ監督は自らが選手であった伯フラメンゴと伊ウデイネーゼ、セレソンをはじめとする時代、スポーツ大臣であったブラジル政治家時代、仏でセレソンを率いたブラジル代表副監督時代を経て、自らの体験が作った人間ジーコによる兄貴分としての代表監督がある。 時には代表監督あるまじきシステムに反する選択が今後おそらくあったとしても、人間として人情として人々は納得するだろう。 だが、厳しい勝負の世界、功労試合のかわりにサブ選手で行われるシンガポール戦、後々思った以上に役に立つと思うのだが、どうだろう。 ヴィッセル神戸にトルシエが・・・ ヴィッセル神戸フロントが三木谷社長の同意を取り付け、フィリップ・トルシエ氏にオファーを出しているらしい。現在、カタール代表監督を辞任し、フリーのトルシエ氏。代理人によれば、本人は乗り気・・・。く、来るのか、またあの赤鬼先生が・・・。