福禄太郎の書評と時事評論

[政治・政策・世相・犯罪・歴史] カテゴリの記事

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• 幻の香水、その名はプリンセス・アイコ

  親日的で知られる某国は、さる愛知万博でのイベントとして、特産の紫のバラで作った香水を天皇家の愛子内親王に贈呈する計画を立てて盛り上がっていました。しかし、外務省が宮内庁に打診したところ、皇室はプレゼントは受け取れないとのことでした。これを聞いて某国の当惑すること、失望すること。いくらでも渡し方はあったと思うのですが。外務省は海外の要人を日本に招いたときに、宮内庁に頼んで皇族の出席をセットする必要があり、宮内庁には強く折衝できなかったようです。宮内庁と外務省の人事交流が必要かもしれないと思いました。某国の中では報道で盛り上がっていたのですが、日本のマスコミは宮内庁に遠慮してか、一切報道しませんでした。永遠に知られることが無い、紫のバラから造った香水の名前、それは「プリンセス・アイコ」だそうです。

  December 22, 2007

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• 株式投資で参考にしているサイト

  株式新聞のサイトは銘柄を入れると、判断が表示されます。自分だけの基準で判断していると、ひとりよがりになるので参考意見としています。たとえば、7694または「フォスター電機」と入力欄に入れると、「やや弱気」と判断が表示されます。過去は、　12/13 　　やや弱気 12/12 やや弱気 12/11 やや弱気 12/10 強気 12/07 強気とのことです。実際の株価を見ますと、月日　　　 　　　　 始値　高値　安値　終値　始値→終値　前日の判断合否2007年12月14日 3,320 3,390 3,150 3,230 下げ　　　　　　○2007年12月13日 3,420 3,430 3,290 3,320 下げ　　　　　　○2007年12月12日 3,220 3,420 3,210 3,410 上げ　　　　　　×2007年12月11日 3,210 3,320 3,190 3,280 上げ　　　　　　○2007年12月10日 3,220 3,230 3,160 3,190 下げ　　　　　　×2007年12月7日　 3,250 3,270 3,180 3,200 で、まずまずの成績といえましょう。

  December 16, 2007

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• 日米同盟のゆくえ

  http://www.nikkeibp.co.jp/sj/2/special/261/（ガードがかかってても日経BPオンラインに登録すれば閲覧できます）のサイトに掲載されている、「重大な危機を迎えた日米同盟」における手嶋さんの発言は興味深かったです。その要旨は以下のとおりです。今、日本の安全保障の土台となっていた日米同盟の基本的構造に、空洞化が生じています。それは北朝鮮の核を巡る基本的なスタンスの違いが日米にあるからです。米国が一番恐れていることは、北朝鮮の核がシリアやイランに流れたり、あるいは直接、アルカイダなどのテロ組織に渡ることです。そうなれば、次は核による9.11が起きる恐れがある。しかし、北朝鮮の核が拡散しない限りは、米国本土に北朝鮮のミサイルが届くわけではないので、事実上、容認しようという方向に傾きつつあります。　一方、日本はそれを認めるわけにはいきません。ノドンが容易に届く距離にあるわけですから。北朝鮮の核保有を容認する日本人はおそらくほとんどいないでしょう。　既に米国は資金洗浄で作った30億円を密かにベルリンで北朝鮮に渡した上で、６カ国協議に臨んでいます。そこで、ヨンビョンの核施設の使用凍結などを決議しようとしていますが、もともとこの核施設は古くてほとんど役に立たないのです。肝心なことはすべての核計画を申告し、無力化することですが、６カ国協議ではそこまでやろうとしていません。　長引くイラク占領によって米国はもはや東アジアを管理する力を持っていないので、アジアは中国に任せて、北朝鮮に要求をのませるためにテロ支援国家の指定解除に動いているのです。解除されると、世界銀行のカネが北朝鮮にも流れ込みますから、それを誘い水に言うことを聞かせようというわけです。これは日本の立場と異なります。　米国は、我々が半世紀以上も安全保障の礎としてきた日米同盟の上部構造に６カ国協議を置こうとしているのですから。　この状況を安閑と見ておらず、日本は自分たちの手で自分の国の安全保障や危機管理をすることを決断し、行動するべきでしょう。

  December 11, 2007

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  樋口季一郎

  この人は、カトリック系ニュースレター「心のともしび」2008年1月号に掲載されていた、元帝国陸軍の軍人です。以下はミルトスのホームページから抜粋・修正しました。　一九三三年にドイツの支配権を握ったナチスは、次々と反ユダヤ政策を実施し、ユダヤ人に対する差別と迫害はひどくなる一方であった。ユダヤ系のドイツ人は、シベリヤ鉄道を経て、日本や満州を通過して、安全な国に行こうとした。　これは、いわゆる「杉原ビザ」で救われる出来事のまだ二年半あまり前の出来事である。　昭和十三年（一九三八年）三月といえば、満州はまだ寒気厳しい季節であった。　満州（現中国・東北部）の「満州里（マンチューリ）」駅と国境を接するソ連側の駅「オトポール」は、シベリヤ鉄道の支線の終点である。そこに、ヨーロッパよりナチスの迫害を逃れてきたユダヤ人の難民が多数、到着した。正式なビザを持たないためか、満州国に入れてもらえず、野宿に近い生活を強いられている。このままでは飢え凍えてしまう。その人々の数は約二万人とも数千人とも言われる。　このオトポールの事情が、関東軍のハルピン特務機関長・樋口季一郎陸軍少将（後に中将となる）の耳に伝わった。　樋口は、これこそ人命に関わる問題であると考え、満州国外交部の下村信貞（終戦時にハルピン代表部次長）を呼んで協議をした。そして、これは「結局人道上の問題である」と意見の一致を見た上で、外交上の手続きをとらせた。（以降、満州国は国境の満州里駅で、難民への通過ビザを発行することになった）　さらに、樋口は満鉄の松岡洋右総裁（後に外務大臣）に連絡をとる。樋口に同意した松岡は、直ちに救援列車の出動の手配をさせた。　満州里はハルピンから九〇〇キロの距離にあり、列車の本数は少なかった。一週間に客車と貨物車がそれぞれ一回の運行だったため、特別に救援列車が必要であった。　三月十二日、ハルピンに最初の列車が到着した。ハルピン在住のユダヤ人も出迎え、難民の世話をした。同胞の救出をことのほか喜んだ。　鉄道の運賃は無料であった。これも松岡の指示であったという。（やがて、ユダヤ人協会が精算するようになった）。　救われたユダヤ人は、やがて日本、上海、あるいはアメリカ他へと安住の地を求めて渡った。　こうして、「樋口ルート」は開かれた。そして、独ソ戦勃発（一九四一年）でシベリヤ鉄道経由で移動ができなくなるまで、ユダヤ人の自由への道となった。【福禄太郎】樋口さん個人の判断も正しければ、当時の松岡さんの判断も正しかったようです。その後、こんな話もあります（Wikipedia「河豚計画」から）：日独防共協定に基づき設けられた駐日ドイツ大使館付警察担当官として1941年5月に東京に赴任した「ワルシャワの虐殺者」と呼ばれる親衛隊大佐ヨゼフ・マイジンガー (Josef Meisinger) は、1942年6月、ハインリヒ・ヒムラーの命を帯びて上海に赴いた。彼は日本に対し、上海におけるユダヤ難民の「処理」を迫り、以下の3案を提示した。 1. 黄浦江にある廃船にユダヤ人を詰め込み、東シナ海に流した上、撃沈する 2. 岩塩鉱で強制労働に従事させる 3. 長江河口に収容所を建設し、ユダヤ人を収容して生体実験の材料とする要するに、彼はヒトラー及びヒムラーのユダヤ人大虐殺計画をアジアへ持ち込んだのである。この案は安江を経由して外相松岡洋右に伝えられたが、政府はこれに従おうとしなかった。

  December 9, 2007

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  curveball（カーブボール）

  カーブボールとは、イラクに大量破壊兵器があると言うデマを流したCIAの協力者イラク人のコードネームで、Wikipeiaに実名が紹介されている。本日８時の産経新聞ニュースによれば、この協力者は亡命先のドイツで、「イラクでトレーラー型の移動式生物兵器製造装置の開発・製造にかかわった」との情報を提供。情報は、米中央情報局（ＣＩＡ）の手に渡り、内部では信用性に疑義が呈されながらも、「確実な情報」としてホワイトハウスに伝えられてしまい、開戦後、現地調査や協力者の身辺調査などで虚偽だったと判明したそうだ。「ジャッカルの日」などの著作で知られる作家フレデリック・フォーサイス氏は「（イラク戦争は）５００年余に及ぶ諜報（ちょうほう）の歴史で最大の失態だ」と評している。「カーブボール　スパイと、嘘と、戦争を起こしたペテン師」という本がこのことを詳しく書いていて、産経新聞社から翻訳出版される予定とのこと。

  November 6, 2007

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  山本五十六の人見知り

  日本人は、なぜ同じ失敗を繰り返すのか 撤退戦の研究 (知恵の森文庫) (文庫)半藤 一利 (著), 江坂 彰 (著)を読みました。経営評論家の江坂氏が今まで意識的に避けてきた重い課題、それが太平洋戦争でした。　「東京裁判は、どうみても勝者が敗者を一方的な論理と、心情で裁いた、文明のバーバリズムであり、断じて公平とはいえない。戦争の責任は日米双方にある。が、戦争に負けた高級軍人には、当然、敗戦責任がある。限られた資源、工業力、兵力で知恵深く戦った明治日本の陸海軍のリーダーたちと違って、昭和の将官、参謀は、なぜ負けるに決まっているやり方で戦争したのか。どうして、ベトナムのように、負けない戦法が構築でさなかったのか。敗戦責任や分析を曖昧にして、圧倒的な物量戦に負けたと一億総ザンゲしてしまつたところに、平成大停滞の遠因がある気がしてならない。」そこで昭和史の第一人者の半藤 一利と議論してできたのが本書です。この中でとくに印象に残ったのは半藤 一利氏の「山本五十六の人見知り」です。　山本五十六は、対米戦争の本質を短期決戦で終結させるべき戦争と認識していたのですが、それを強力に主張しませんでした。また、ミッドウェーの作戦でも山本五十六は米国の機動部隊を誘い出してたたくことを考えていたのですが、結局軍令部にしたがってミドウエー島攻略になってしまいました。山本五十六自身のなかでは、ミッドウェーに打って出る目的ははっきりしていました。だから、自分なりの作戦目的を軍令部の会議で主張し、説得すべきだったのですが、やっていません。その理由は山本五十六の人見知りにあるとしています。山本はその生粋の越後人で、口の重さも手伝って「分からない奴は何を言っても分からない」と他人を説得することをしなかったのです。山本は、南雲忠一中将以下の幹部にミッドウエーの戦いの意味を徹底しなかったし、嫌いだった宇垣参謀長とは話もしていないのです。その理由も越後人の人見知り性質としています。これに対して、米軍のニミッツはスプルーアンスと徹底的な討論をしています。ディスカッション・コミュニケーションが重要と半藤一利氏は示唆しています。

  October 22, 2007

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• サイバー空間の制覇を目指す中国

  今年２月ごろ、バルト海に面したエストニアがロシア離れをはじめたところ、大規模なサイバー攻撃をうけ、電話網が一時麻痺、官庁・大手銀行・新聞社が攻撃にさらされました。これはロシア人ハッカーのしわざではと疑われています。雑誌FACTAのよれば、英国の傍受機関GCHQ（政府通信本部）が、太平洋上の米空母とハワイの真珠湾になる太平洋艦隊司令部とペンタゴンの通信を遮断するサイバー攻撃が、中国によって計画されていることをつきとめたそうです。この雑誌の記事によれば、米国国家安全保障局（NSA)がイングランド北部ハロゲート近郊に構えるメンウィルズ・ヒル基地でも、中国人民解放軍上官の会話から、この６月国防総省にあるロバート・ゲイツ国防長官のコンピューターに侵入する作戦が成功したことが判明し、確認したところ事実だったそうです。これをうけて米英は中国のサイバー攻撃に対応するチームを編成し、多数の数学者も動員されているとのことです。サイバー攻撃の脅威が、高まっているようです。

  October 21, 2007

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• ただより、高いものはなし。

  　輸入米入札を巡る汚職疑惑で、元農水省職員、森光潔容疑者（５０）が収賄容疑で逮捕された。調べでは、森光容疑者は同省食糧貿易課長補佐だった０５年８月、ＳＢＳ（売買同時入札）制度と呼ばれる輸入米入札に際し、アンドレイ社側に買い取り予定価格などを教えた謝礼として、同９月下旬、米国カリフォルニアへの旅行費用約３６万円を同社側に肩代わりさせた疑い。森光容疑者は、同省が接待問題を調査し始めた後に旅行費用を返還していた。（毎日新聞オンライン１０月８日より抜粋）３６万円の旅行が高くついたわけだが、これに鑑みると準公的機関である厚生年金基金の役職員が、投資顧問会社のさそいにのって格安中国ツアー（タダではない）に行くのもそろそろやめにしておいたほうが良いと思う。李下に冠を正さずというではないか。

  October 9, 2007

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• 郵政民営化の被害

  私の勤めている会社では、印紙・切手はいつも関連のA社を通していました。ところが、日本郵政公社から、民営・分社化を理由として10月1日以降印紙・切手等の売り渡し窓口を遠方の本局に変更する通告がありました。A社は交通費を考えると、仕入れ回数を減らして週1回にせざるを得ないそうです。そこで、われわれとしては印紙・切手の仕入れを最大1週間待つか、あるいは今までより在庫を多く持たなくてはならなくなりました。思わぬ民営化の「効果」は困ったものです。

  October 1, 2007

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• ミャンマー政府について

  ミャンマーについては記者が銃撃されたことは残念なことだが、ミャンマー政府を締め上げるのはいかがなものかと思う。というのは元産経新聞記者の高山正之氏のエッセイを読んだからだ。銃を向けられているデモ隊の中にいて、カメラで撮影しているとは、あまりにも無防備な取材だったのではなかろうか。また、途上国の場合に放水車や催涙ガスあるいはゴム弾のような洗練された治安維持のツールがなかったのも、先進国からすると違和感を感じるだろうが、ある程度無理がないのではなかろうか。ミャンマーの経済的苦境も軍事政権が悪いわけではなく、欧米の経済制裁が原因だ。ミャンマーを追い込むと、完全に中国の衛星国になってしまうだろう。

  September 30, 2007

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  選挙違反の連座制に疑問

  写真は最近辞職した小林温議員です。朝日COMによれば、　「参院選神奈川選挙区で再選され、出納責任者らが公職選挙法違反（日当買収）の罪で起訴された自民党の小林温（ゆたか）参院議員（４３）が４日、議員辞職した。　小林氏はこの日午後、江田五月参院議長に辞職願を提出、許可された。会見で小林氏は、出納責任者が起訴事実を否認しているとして「事件は無実」としながらも、１０日から論戦が始まる臨時国会への影響や、再選挙、補欠選挙となった場合の政治的な空白を避けたい、として、議員辞職を決意したという。」支持者の票が、選挙運動員の違反で無駄になるのは残念です。政治の世界は減点主義が主流のようです。しかし、減点主義は、選挙組織のしっかりしている世襲議員を利するのではないでしょうか。かつて民主党の鎌田さゆり議員も連座制適用の可能性があるので議員辞職したことが思い出されます。

  September 6, 2007

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  官邸崩壊

  満を持してスタートして、中国との友好確立など、はなばなしくデビューした安倍政権が、なぜ１年を待たずしてつまずいたかを時系列を追って詳しく解説した本です。政治に関心の強い人は面白いと思います。　安倍首相と親しい２世の若手議員で側近を固めた結果、未熟さゆえに官僚をうまく活用できず、井上秘書官をはじめとしてマスコミからも嫌われる経緯が詳しく書かれています。世襲で議員になった人たちは、実社会の経験が乏しいために、人の使い方が下手なようです。広報のプロ世耕議員についても、NTTで広報をやっていたといっても独占企業の広報は宣伝だけで「切ったはった」ができない、と厳しく批評しています。　さらに本書は「老害」問題も指摘しています。安倍政権の人気急落の原因となった郵政民営化反対議員の復党を強く主張したのは青木・片山の重鎮で、安倍首相は断りきれなかったとのこと。「経験豊富」な両議員は「空気が読めない」どころか「世論が読めない」永田町の住人と思いました。今回の内閣改造でも青木氏は参議院の当選回数にこだわって不平を述べたそうですが、まったく不見識です。舛添議員を厚生労働大臣にした安倍首相の判断のほうがはるかに正しいと思います。

  September 4, 2007

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  吉田健正「カナダはなぜイラク戦争に参戦しなかったのか」

  カナダは国防法にて、カナダが戦争できるのは１．緊急時のカナダ防衛２．国連憲章に基づいてカナダがとった行動の結果３．北大西洋条約、北米航空宇宙防衛協定などカナダが加わっている防衛機構の元でカナダがとった行動の結果。と規定しています。米国が９１１で攻撃を受けたので、北太平洋条約に基づきアフガン戦争には参加しました。しかし、イラク戦争はどれにも該当しなかったので参戦しませんでした。それでも米国から意地悪をされませんでした。過去にカナダは米国のために血を流したので深い信頼関係があるからでしょう。うらやましいと思いました。またカナダは難民を毎年1万人―3万人受け入れているそうです。ちなみに日本は、2004年は9人だそうです。早く「敗戦国」「軍事被保護国」から脱して「普通の国」になりたいと思いました。

  July 30, 2007

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• 予測市場の結果　与党54議席、野党71議席

  以前、米国の予測市場を紹介しましたが、今回の参議院選挙では予測市場を開設した人がいて、7月28日に締め切られました。獲得議席数の最終予想結果は与党54議席、野党71議席だそうです。当るか楽しみです。

  July 29, 2007

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• 雑誌ＦＡＣＴＡのトークイベントがネットに載っていた。

  雑誌ＦＡＣＴＡの阿部編集長と手嶋龍一氏のトークイベントが7月24日にありました。私も購読者なので、購読者枠を使えば聴きにいけたのですが、相変わらず会社でバタバタしているので申し込みませんでした。しかし、ネットはありがたいもので、参加したブロガーの感想もあれば、取材したレポートもありました。時間がたって消去されないうちに早速私のパソコンに取り込みました。

  July 29, 2007

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• 田中秀征の小沢一郎への無理な要望

  今日はいよいよ参議院選挙。日経ＢＰネットには、識者の論説がのっていて興味深いです。田原聡一郎、花岡信昭、福岡政行とならんで、かつては新党さきがけにいた「田中秀征」もコメントをしています。「改革」を語らない小沢一郎は歌を忘れたカナリアと同じ。という文章では、これが小沢一郎の「最後の戦い」なら、自分の主張である「天下り規制」と「集団的自衛権」について明確に打ち出してほしいと要望しています。これはなかなか意地悪なコメントです。支持基盤である連合の意に反する主張、党内の分裂を促進するような主張は言いたくても言えないからです。田中秀征の意図するところは、左派と右派の主張が全く異なる民主党内部の問題でしょう。

  July 29, 2007

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  田村重信「民主党はなぜ、頼りないのか」

  民主党は支持母体が労働組合で、議員は旧社会党、旧自民党、旧新党さきがけ等の寄り合い所帯であり、この結果として憲法・安全保障について明確な政策を打ち出せないという問題が指摘されています。象徴的なのが、「国旗国歌法案」を民主党が自主投票で対応した場合の結果です。賛成45名、反対46名でした（衆議院）。民主党の派閥についても紹介しています。小沢一郎の「一新会」、菅直人の「国のかたち研究会」、前原誠司の「凌雲会」、旧社会党系の「新政局懇談会」（社会主義者、護憲派）、民社協会等です。著者は自民党の職員ですが、自民党の派閥は「憲法や安全保障」といった国家の中枢に関わる分野については共通しているが、民主党の派閥はそういうことについても共通の意見を持たないと指摘しています。

  July 22, 2007

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  岩間敏「石油で読み解く「完敗の太平洋戦争」

  著者は早稲田大学法学部卒。新聞社、自動車会社研究所を経て石油公団入社。通産省出向、ハーバード大学客員研究員、石油公団パリ事務所長、計画部長、計画評価部長、ロンドン事務局長等を経て2002年から石油公団理事、後にサハリン石油ガス開発常勤監査役である。太平洋戦争開戦時に米国の原油生産量は日本の740倍もあったのだから、戦う前に負けていたようなものだ。情報の軽視、専門知識の不足、その場しのぎの対応この3点セットで見事に負け戦になったわけだが、本書は小ネタがいろいろあっておもしろかった。満州と樺太には膨大な石油があったのに、技術が無いために発見できなかった。当時、最新技術である米国に地震探鉱機器を日本鉱業が導入していたが、満州の探鉱では、日本石油が技術支援を行なっていたため、この技術は使用されなかった。もしも満州の大慶油田を掘り当てていたら歴史は変わっていたかもしれない。いずれにしても軍部の独走で負け戦になった可能性は高いが、松の根から油をとるために兵隊を動員して日本の山の松を掘り返すようなことは無かったかもしれない。戦艦大和は燃料を片道分しか積んでいなかったと言われるが、じつは帰りの分も持っていたこと。陸軍が南方で開発した油田の石油は海軍には使わせなかったなど、陸軍の海軍の確執もある。石油事情が厳しいのは戦後も変わっていない。著者は「石油公団」を廃止したことは短慮と考えているようである。

  July 21, 2007

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• ＜中越沖地震＞党首クラス次々と現地入り

  ＜中越沖地震＞与野党が対策本部設置、次々と現地入り7月16日19時24分配信 毎日新聞　新潟県中越沖地震の被害の広がりを受け、与野党は１６日、それぞれ対策本部を設置、党首クラスが次々と現地入りした。台風４号に次ぐ参院選の選挙期間中の自然災害で党首クラスの参院選の遊説日程は大幅な変更を迫られているが、与野党とも対策に万全を期す姿勢を強調した。 【福禄太郎】選挙目当てのパフォーマンスで迷惑でしょうね。被災地にとっては、タイミングとして最悪の時期「選挙直前」の地震でしたね。

  July 16, 2007

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• 民主党のマニフェスト研究（３）　死刑より終身刑

  民主党は、先進国で死刑があるのは日本と米国だけといって、死刑存廃を議論すべきとしています。死刑の代わりに仮釈放なしの終身刑ではどうかと提案しています。【福禄太郎】　私は死刑存続論者ですので反対ですね。現在の無期懲役が15年で出られるのも問題ですので仮釈放なしの終身刑は死刑に加えて必要と思いますが。

  July 16, 2007

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• 民主党のマニフェスト研究（２）

  ２００７政策リスト３００から　 １．政治任用の拡大　【福禄太郎】　　　現在の政治家及びその取り巻きの質から考えて、政治任用を拡大することは　　　公務員のモラルを低下させるだけでなく、混乱と行政能力の低下を招きま　　　　す。 ２.永住外国人への地方選挙権の付与【福禄太郎】　　選挙権を得ようとするなら、まず日本国籍を取得すべきと考えます。 ３.戦後処理問題 　アジア等の女性に対する旧日本軍による「慰安婦問題」の解決を図るための「戦時性的強制被害者問題の解決の促進に対する法律案」～　【福禄太郎】　　　韓国の主張に従っているようですね。 ４.靖国問題・国立追悼施設の建立 　A級戦犯が合祀されている靖国神社に、総理が参拝することは好ましいことではありません・・・　　　【福禄太郎】　　　総理が死者を弔って何が悪いのでしょうか。民主党は外圧に負けているのではないでしょうか。　　 ５.沖縄で、地域主権のパイロットケースとしての「一国二制度」の推進・・・　　　【福禄太郎】　　　　　どうして、沖縄を特別扱いするのか疑問です。沖縄の人に失礼では。６.国際連帯税の検討　　国境を越える特定の経済活動に課税し、集まった収入を貧困撲滅・途上国支援などを行なう国際機関の財源とする「国際連帯税」について検討を進めます。【福禄太郎】　　工場を中国に移して苦労している製造業に課税するつもりでしょうか。７．社会保険庁の国税庁への統合「内国歳入庁」構想【福禄太郎】　　保険料は利益がない企業、税金を納めていない個人にも課せられますが、税は赤字企業や納税のない人からは取りません。その違いがわかっているのでしょうか。それとも個人に対しても「外形標準課税」を考えるのでしょうか。８．農業について「個別所得保障制度の創設」　農業・農村を活性化するため、原則として全ての販売農家に戸別所得補償を実施します。総額は1兆円程度とし、米・麦・大豆・雑穀・菜種・飼料作物などの重点品目を対象にします。【福禄太郎】　農民票目当ての究極のバラマキですね。これで農業が活性化しますかね。 詳細分析が楽天ブログにありました。

  July 16, 2007

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• 民主党マニフェストの「イラクから自衛隊を即時撤退」は危険

  選挙が近いので民主党のマニフェストを読んでみました。民主党は旧自民党と旧社会党が同じ舟に乗っているので、なかなかマニフェストをまとめるのも大変だったと思います。全体的に口当たりの良い内容になっていますが、気になった部分がありました。「イラクから自衛隊を即時撤退イラクに対する多国籍軍による武力の行使は正当性を有しておらず、自衛隊の活動範囲とされるいわゆる非戦闘地域の概念もフィクションであり、イラク特措法の法的枠組みは完全に破綻しています。・・・・政府のイラク特措法の期限を延長する法律案に対しては、航空自衛隊の活動がイラク復興の目的にかなった活動かどうか大きな疑念がある上、政府の情報開示が極めて不十分であることから、反対しました。」【福禄太郎】確かに「大量破壊兵器」がイラクに無かったので、米国はサダム・フセインを殺すのではなく、謝罪すべきとは思います。しかし憲法第9条のために日本が置かれている軍事被保護国の立場からすると、対米協調の観点から航空自衛隊の活動は続けるべきだと思います。細川政権のときに、クリントンに逆らって徹底的にバッシングに遭い、長い日本経済の停滞をもたらしたことを考えると、イラクからの撤退は軽率でしょう。「人権侵害救済機関の創設民主党は、「人権侵害による被害の救済及び予防等に関する法律案」（人権侵害救済法案）を提出しましたが、政府は対案となる「人権擁護法案」の提出を拒み、審議を忌避する状況が続いています。民主党の法案は、内閣府の外局として中央人権委員会を、また、各都道府県に地方人権委員会を設置し、人権侵害に係る調停・仲裁等の手続きを定めるとともに、特別救済手続については報道機関等を対象としないことを内容としており、引き続きその成立をめざします。」【福禄太郎】人権擁護法は「人権」の内容があいまいなので到底賛成できません。私は犯罪被害者保護法というように対象を限定すべきと思います。「 学校教育力の向上地方公共団体が設置する学校においては、保護者、地域住民、学校関係者、教育専門家等が参画する「学校理事会」が主な権限を持って運営する制度に改革します。現場に近い地域と保護者が協力して学校運営をすすめることによって、学校との信頼関係・絆を強め、いじめや不登校問題などへの迅速な対応や、学校との有機的連携・協力を可能とし、同時に地域コミュニティの再生、強化につなげます。」【福禄太郎】最近は共稼ぎが多くなっていますから、このようにすると特定の政治的信条を持った人たちが学校教育を乗っ取ることが出来るようになると思います。さらに、2007政策リスト300では、選択的夫婦別姓の導入がうたわれていますが、伝統から一歩踏み出す考え方については影響を慎重に吟味すべきでしょう。

  July 16, 2007

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• 民主党の知人からカンパ依頼の手紙が来たが献金せず

  知人は、昨年9月の郵政選挙で議席を失って、地区の支部長として民主党組織の拡大と自身の議席回復のために活動しています。民主党は今回の参議院選挙を「逆転の夏」と位置づけて55議席を獲得目標に活動しているそうです。彼のお手紙を読むと、年金記録問題では「年金記録の未統合問題」「請求漏れ年金の未払い問題」をすりかえて、「消えた年金」という限りなくデマに近い表現をする必死さが理解できました。民主党は次期衆議院選挙での党勢回復を悲願として、その前哨戦として背水の陣で今回の参議院選挙に臨んでいることがよくわかりました。このため彼の同封したニュースレターの内容も口当たりの良い洗練された内容になっています：「今、政治がなさねばならないのは、「ゆきすぎた民営化」「ゆきすぎた分権」「ゆきすぎた競争」を、もっと穏当なものに是正していくことではないでしょうか。大企業や勝ち組だけでなく、庶民の生活と仕事と将来を見据えたものにする必要があるでしょう。・・」

  July 7, 2007

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• 年金記録問題と自己責任論

  かつて、外務省がイラクに行くなと言うのに若者が行って、人質になって、政府の交渉で解放した人がいました。その若者がまたイラクに行きたいと言ったとたんに激しいバッシングに遭いましたね。その一つが自己責任論でした。耐震偽装で、被害者が政府に救済を求めたら、これも「安物を買った人間が悪い」と自己責任論のバッシングに遭いましたね。ところで、今回の年金記録問題ではどうして自己責任論が出てこないのかが不思議です。基礎年金番号導入時に、社会保険庁は被保険者全員に手紙を出し、さらに58歳になれば年金の通知が来るので、内容が間違っていれば照会し、通知が来なければ社会保険事務所に行けばよいだけの話しです。自己責任論もご都合主義のような感じがします。金融庁が生命保険会社の不払いで申請主義を崩して、保険会社の専門性から払うべきものは保険金請求がなくても払わなくてはならないということをやりはじめたのは「パンドラの箱をあけた」ことになったと思います。これによって日本社会の各方面で自己責任論は後退していくかもしれません。しかしそのパンドラの箱にのこるのは「希望」ではなくて「コストの増大」と思うのです。

  July 5, 2007

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• 年金記録問題と魔女狩り

  年金記録問題は、社会保険庁の役人が悪者にされていますが、実際は被保険者側に問題がある場合があります。例えば、昔は旅館の女性従業員は年齢制限があって25歳未満としているところがありました。そこで、実際は28歳なのに24歳と偽って勤めていた人がいました。こういう人の生年月日は正しくありませんね。また、前歴を隠して就職している人もいます。こういう人は前職の基礎年金番号は統合されていないかもしれませんね。それから事業所からの申請書がまちがっていて、「矢口歌子」が「天口歌子」になっていたら、正しく登録されませんね。社会保険庁は基礎年金番号が導入されたときに、被保険者全員に照会の手紙を出しています。私は3通もらっています。この手紙が来ていない場合や、内容に間違い・漏れがある場合は自分で社会保険庁に行けばよいのです。このような申請主義は行政コストを下げるためにやむをえないと思います。こういう事情を捨象して、社会保険庁の役人が悪者になっています。誇りを持ってまじめに仕事をしてきた人間に過去の賞与の一部を返上させるなど、極めて侮辱的な仕打ちですね。絶対に自分の息子や娘を社会保険庁（またはその衣替えした役所）に就職させようとは思わないでしょうね。彼らは政治家のパフォーマンスとマスコミの魔女狩りの犠牲者ではないでしょうか。厚生労働省のキャリアは、ノンキャリアをかばう発言をしないのでしょうか。それでは組織が持たず、自己都合退職者が激増すると思いますが。

  July 5, 2007

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• 厚生労働省：電子申請の欠陥を10日間放置

  7月5日23時3分配信 時事通信および読売オンラインによると、厚生労働省の電子申請システムで、同システムを利用するのに必要なコンピューターソフトに欠陥があるにもかかわらず、同省が１０日間にわたり問題を放置していたことが５日、わかったとのこと。　このソフトを利用者が使うと、外部からパソコンを操作され、情報が流出する恐れがある。同省は先月２６日、欠陥を認識したが、適切な対応をとっていなかった。同省によると、今のところ被害の報告はないという。被害の報告はないが、同省は、ソフトをインストールした利用者に削除するよう呼び掛けている。　このソフトは、ほかの省庁や自治体でも電子申請をする際に必要とされるケースがある。製造元は、欠陥を改善した新しいソフトを公開。法務省や国土交通省などは新ソフトへの対応を既に済ませており、厚労省も対応を進めている。【福禄太郎】厚生労働省の管理能力を疑いますね。一事が万事ですが、企業年金の申請でも半年以上も棚ざらしにするのはあたりまえと言われています。課長クラスは組織をちゃんと把握して、タイムリーに処理をしようという意識があるのでしょうか。もっとも、電子申請を使っている人は、それほど多くないので、被害は少ないでしょうが。

  July 5, 2007

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• エスキモーの捕鯨は認められたアンカレッジの国際捕鯨委員会

  アメリカ人がいつからか捕鯨禁止に熱心になった経緯は高山正之氏のエッセイに詳しい。5年前の下関の大会では、アメリカ合衆国はアラスカの先住民（エスキモー）の捕鯨が禁止された。かねてから、いじめられ役の日本は米国に一矢を報いたと溜飲を下ろした。しかし、今回の国際捕鯨委員会に出席した山際大志郎衆議院議員（自民党）のニュースレターによると、米国は準備を重ねて今回のアンカレッジの大会に臨み、エスキモーの捕鯨を認めさせたのだ。しかし、日本の太平洋沿岸の小規模捕鯨については毎年申請をしているにもかかわらず本年も却下されてしまった。アメリカのご都合主義は困ったものだ。

  July 2, 2007

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• 月刊「Ｗｉｌｌ」、「年金記録消失」はデマ

  月刊Willは右寄りの雑誌ですが、 「年金記録消失」はデマだ、という見出しにひかれて買いました。堤氏の説では安倍首相の「社会保険庁解体」を民主党が潰すために「五千万件の記録消失」を持ち出してきて、こういう問題を解明しないで解体とは何事かと、解体に反対したということです。これが真実としても、結局安倍首相の返り討ちにあってしまったことになりますが。いずれにしても、移行途中の記録を「宙に浮いた」と言い換えて国民の不安をあおった民主党の宣伝テクニックを、わかっている人が多くなりつつあるようです。小泉元首相なら「年金記録消失はデマです。」とワン・フレーズで言い切ったでしょう。

  July 1, 2007

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• この国の閉塞感の由来

  またまた慶応大学権丈先生のエッセイを読んでいたらこの国の閉塞感の一因が分かってきたような気がしました。選択2月号の次の一節を引用しています。　世襲閨閥議員の典型であるらしい安倍首相が、閣僚・党三役の多くに世襲議員・閨閥議員を配した政権が推し進めている政策のうち、きわめて順調に効果が出ている2大政策は、官僚破壊と医療破壊であるように見える。すなわち、官僚（文系受験の勝者）および医師（理系受験の勝者）の権力の剥奪と地位の引き落としである。権丈先生曰く、　おもしろいのは、現政権は、一方では、しっかりと勉強した子どもたちの行き着く先の官僚・医師の自尊心を傷つけながら、他方では、教育改革などもやりたいらしいのである。さてさて、このふたつってのは両立するのだろうか？　　最近は、閨閥議員でもある幹事長が、「閣僚や官僚は首相への絶対的な忠誠と自己犠牲の精神が求められている」と――つまり受験競争の勝者である官僚は世襲閨閥議員の長に「絶対的な忠誠」を尽くすのが当たり前と言ったりもしている。たしかに、官僚に「忠誠心」は必要かもしれない。しかし「忠誠心」というものはアメを与えられて生まれるもの（報奨権力下で生じる関係）とムチで叩かれて生まれるもの（威嚇権力下で生じる関係）、それに相手の価値観に直接働きかけて心の底からその気にさせて生まれるもの（条件づけ権力下での関係）との３種類があるはず。ところが、現政権は、報奨権力・条件づけ権力の行使という方法を見向きもせずに、威嚇権力の行使ばかりをとろうとしているように見える。子どもの頃から真面目に勉強してもあげくの果ては、世襲・閨閥議員の臣下、否、ムチで叩いて叩いて忠誠心を植え付けられる待遇しか待っていない。こういう社会環境の下、どういう教育改革を行えば、子どもたちはちゃんと勉強する気になるのだろうか。お手並み拝見と行きたいところである。　メディアは、各省庁から官僚の退職後の人事権を奪うことにより官僚の自律性を喪わせて帰属意識を所属省庁から政治家に向かわせようとする動きを、きわめてよしとする論調で報道しているようであるが、この国の政治家はそれほどに信頼できるものなのか。政治家性善説に寄りすぎていないか。世論は、政治家は正しく政治家の正しい企てを邪魔しているのが官僚という構図で話をしているようなのであるが、この仮説は現実のこの国の政策形成過程を正確に描写しているのか。いまの官僚には問題はあろう、しかしながら、いまの政治家にもそれに負けず劣らずの問題があり、官僚という拮抗力が消えるとすればいまの日本の政治は危険でさえある――わたくしにはそう見えてしまう。（福禄太郎：政治家はマスコミ操縦にかけては官僚より一枚上手ということでしょう）　支配階級が世襲・閨閥に支配され、立身出世という言葉が死語となって教育がエリートの再生産システムとして機能しておらず、教育の階段を駆け上ってみても世襲・閨閥議員という支配階級にいいようにあしらわれる社会――どのように考えぬけば、「活力ある国」、「教育が再生された国」を創造できるのやら。【福禄太郎補足】　・世襲・閨閥といっても選挙の洗礼は受けているので、政治家になる人は縁者の中でも選ばれたタフな人々です。だから単純な世襲・閨閥とは違います。　・民主党の小沢一郎・鳩山由紀夫両氏も世襲のたぐいで、バラマキと揚げ足取りに秀でています。党勢拡大のため年金不安を煽り立てて平然としている点では自民党よりもガラが悪いので、とても支持する気にはなりません。　・権力を持っている者は、行使する場合には、慎重に他者への敬意を持って行使すべきと思いました。人生経験に乏しいと、自分が「鬼を退治する桃太郎」の気分になってしまうのでしょう。参考：「選択」7月号から世襲議員支配は愚民政治

  July 1, 2007

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• 過去の行政責任を問うていたら、公務員になる人がいなくなる

  6月27日9時37分配信 毎日新聞によれば＜年金問題＞賞与返納ラッシュ　国民の信頼返ってくるの？として、次の記事がある：　年金支給漏れ問題への「けじめ」として、安倍晋三首相らが賞与の自主返納を決めたことをめぐり、歴代厚生相・厚生労働相の間に２６日、波紋が広がった。歴代厚相・厚労相の賞与は議員歳費。公職選挙法で歳費の寄付は禁じられているため、年金返上や役職辞任などで追随する動きが続出した。福禄太郎が思うに、過去の行政責任を問うて、リタイアした後にお金を返納させられるというのでは、公務員になんかなる人がいなくなるのではないかと心配する。そんなこといったら、税金を7兆9000億円も注入した日本長期信用銀行を1200億円でリップルウッドに売って大もうけさせた元大蔵省の役人だって返納しなくてはならなくなる。きりが無い。行政責任を遡及で問うのはやめるべきだと思う。

  June 29, 2007

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• ヒラリー・クリントンが次期米国大統領になる確率は３２．６％

  予想の市場がある。ここでは様々な予想が取引されているようだ。現在のところヒラリー・クリントンが大統領になる確率は３２．６％だ。電光掲示板のように％が推移している。2008.pres.clintonがその値を示している。オバマ候補をはるかに引き離している。共和党は民主党の足元にも及ばないが、ルディー・ジュリアーニが勢いを失い、フレッド・トンプソンが伸びているようだ。

  June 28, 2007

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• Yahooの「年金記録」国会議員宛一斉調査に、あの「片山さつき」議員が回答

  Yahooの政治欄では、年金記録問題に関して、国会議員に一斉にアンケートをした結果が掲載されています。アンケートの内容は「年金記録不備問題がなぜ発生し、今後どう対応すればよいと考えますか？」というものです。9件の回答があったようですが、小泉チルドレンの「片山さつき」議員が回答しています。片山議員は「年金問題緊急調査対応委員会」にも出席しているので、この内容は政権の公式見解に近いものですが、電話相談については私見も含まれています。片山議員は「濃いキャラ」で人気は今一です。男性からの人気は「佐藤ゆかり」議員のほうがあるのではないでしょうか。しかし、これを読んでいると「まじめに議員業務をしているな」という感じがしました。

  June 24, 2007

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• 年金記録でセンセーショナルな記事しか書けない記者たち

  新聞記者たちは、年金記録　5000万件問題が、移行中の問題と入力ミスの問題が意図的に混在させられていることに気づき始めたが、社会保険庁を徹底批判しないと記事ならないようで、この点を権丈教授は、すさまじきものは宮仕えと揶揄している。

  June 20, 2007

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• 政治家が火をつけマスコミがあおる年金騒動への権丈教授のコメント

  慶応大学商学部の権丈教授は、一連のエッセイで年金記録をめぐる政治家のウソ（基礎年金番号の移行作業中のものをあたかも消えたように言う）をからかっている。例えば：7月の参院選を前にして与党を攻めあぐねていた野党民主党は、自分たちの社会保険庁改革法案の核「歳入庁法案」を与党から「公務員温存法案」だと攻撃されていた。公務員バッシングの渦中、この攻撃は相当にこたえ、かなり不利な立場に追い込まれていた。そこで、昔からある基礎年金番号の未統合記録のことを持ちだしてみると、おっ、この商品、予想に反してなかなかウケがいい。しめた――。　　　「これ一本で行く」（鳩山民主党幹事長）　　　反応のよさに新聞広告の掲載も検討。　　　「世論の沸騰まであと一歩」（民主党国体関係者）　　　「参院選につながる戦いができるのは、これしかない。　　　　三振か逆転満塁ホームランか、大勝負だ」（民主党幹部）　　　『朝日新聞』2007年5月23日朝刊野党、メディア、こぞって「念頭にあるのは、年金問題を訴えて自民党に競り勝った04年参院選だ」（上記記事）。与党には、04年年金国会の悪夢がよぎる。民主党幹事長が「これ一本で行く」と飛びついた翌週には、安倍内閣の支持率は急落！こりゃ、政治ってのは楽でおもしろくってやめられないね。みんなが自分の子どもを政治家にさせたくなるのも、よ～く分かる。

  June 19, 2007

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• 本日のフジテレビ「報道２００１」で気になったこと

  本日のフジテレビ「報道２００１」で櫻井よしこ氏が、「公的年金の予定利回りが４％という高い水準である」とコメントしていましたが、これは誤りです。現在の公的年金の予定利率は３．２％で、４％は平成16年法改正前の予定利率です。榊原「年金が消える」と同じ誤りです。（根拠：厚生労働省のホームページで運用利回りを3.2%としています。）評論家は、「識者」として年金を論じるのなら、一次資料、例えば社会保障審議会の年金部会の資料に目を通して欲しいと思うのです。

  June 17, 2007

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• 選挙の不思議：どうしてラッシュの混雑緩和を公約にしない？？

  行きも帰りも満員電車に揺られて４０年(高校時代から）、不思議に思うのはどうしてラッシュの混雑緩和が選挙公約にならないのかだ。恒常的な対策としては・都心の容積率規制の強化、・一定の乗車率を超えた場合の、電車本数の増加の義務付け・一定の乗車率を超えた場合の沿線開発の停止突発的な混雑については対策強化：・線路内立ち入りに対する罰則強化・飛込みの多い路線に対する駅員配置の強化など、いろいろ考えられる。私のような素人が考えるより、むしろ現場の電鉄会社の職員に考えさせたほうが良いだろう。どこかの政党が取り上げないか、期待しているのだが・・・

  June 15, 2007

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• 舛添要一参議院議員の参議院厚生労働委員会での質問

  今日の昼、たまたま国会のテレビ中継を見る時間があった。年金記録の不備に関して、片山参議院議員に続いて舛添参議院議員の質問があったが、自分の年金記録の不備を例に具体的に何が問題化を指摘していて明快な質問だった。その本質は「年金の納付記録問題についても、よく理解されていない面がある。約１０年前に基礎年金番号制度を導入された際、転職や結婚などを理由に１人で複数の年金記録を持つケースが出た。その数は約３億件に上ったが、１人１件にまとめる作業を行い、１０年がかりで約２億５０００万件が処理された。今回明るみになった約５０００万件はその残りで決して「消えた年金」ではない。」ということだ。社会保険庁の対応のお粗末さを厳しく糾弾しているが、国民の不安をあおることはしていない。さらに、米国のような社会保障番号制度やインターネットによる照会の拡充など提言していて興味深かった。

  June 14, 2007

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• 年金照合問題

  社会保険庁の年金照合が問題になっている。入力段階のダブルチェックもせず、原票を破棄したことは弁明の余地が無いが、政治問題化して年金の不安をあおっているのはまずい。どうすれば最小のコストで問題を解決すべきかを議論すべきだが、野党は問題を暴発させることのみに腐心しているように見える。税務署の納税記録には社会保険料控除の欄があるから、省庁の縦割りを越えてチェックをかければ済むだけの簡単な話と私は思うのだが。

  June 10, 2007

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• 風邪をひいて朝日新聞社「論座」６月号をじっくり読む

  朝日新聞といえば、ネット右翼からは中国のまわしもの等さんざん叩かれています。世論調査の電話アルバイトをした人の話では「朝日新聞の調査です」と言ったとたんに解答拒否に会うこともあるそうです。しかしこの「論座」はなかなかおもしろかったです。渡部恒雄「米国のサインを読み違えるな」は従軍慰安婦問題についての米国とのデリケートな外交を良く論じています。私流本の整理法では、本の整理に悩む読書家のようすが実感できてユーモラスです。(日本の住宅事情が問題なのでしょう）香港特別行政区行政長官候補の香港政治への抱負も興味深かったです。フォリンアフェアーズの記事の翻訳が特に良かったです。ウクライナのオレンジ革命の立役者「ユリア・ティモシェンコ」の「ロシアの帝国的野心を封じ込めよ」は、いかにもウクライナの親欧派としての面目躍如足るものがあります。また、「エタノール燃料は本当に人と地球に優しいのか」はトウモロコシがエタノールの主要原料となっているのは米国市場におけるエタノール生産の最大手であるアーチャー・ダニエルズ・ミッドランド・カンパニー社のロビー活動によるところが大きく、むしろ木や植物からとったセルロースからとったほうが効率が良いとしています。

  June 3, 2007

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• 知らない間に進んでいた米国の医療保障

  米国は社会保障の後進国として有名で、リタイア後は民間保険に加入していない限り、高額の薬剤費を自分でまかなうしかなかった。６０歳を超えると米国でも日本と同様に薬の服用が多くなるので大変だった。ところが、先日「証券アナリストジャーナル」附属のアナリスト講演録を見ていたらクレディ・スイス証券の酒井氏が医薬品業界についての分析を書いていた。読むつもりは無かったのだが、読み出したら面白くて最後まで読んでしまった。わかったことは、米国の社会保障が充実して、２００６年１月からメディケアパートＤと呼ばれる医療保険サービスが始まったことだ。６０歳以上の高齢者は政府から薬剤費の７～８割が支給されるのだ。日本と同様のレベルだ。これで米国の医薬品の売上高は増加したそうな。各国の社会保障は、くるくる変わるので追いかけるのが大変だ。せっかく勉強しても知識が陳腐化してしまう。しかし、薬品業界の証券アナリストのレポートに着目するのも一つの方法だと思った。

  May 12, 2007

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• アメリカ人「石打（いしうち）の刑」に憤慨

  知人のアメリカ人とイラク戦争について議論していたのですが、彼は、クルド人の少女がスンニ派の男性と関わったとして「石打」の刑で殺された事件に憤慨していました。こんな連中のためにイラクにアメリカの若者が行かなくてはならないのかということを言っていました。「石打」の刑は聖書に出てきますが、２０００年たっても続いていたのですね。ネットでは、このニュースは大きな反響を呼んでいるようです。また石打の刑をやめさせようというサイトもありました。

  May 8, 2007

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• 連休明けはラッシュがきつい

  連休明けはラッシュがきつかったです。交通機関の許容量を無視して、都心の容積率を緩和した石原知事をうらみます。容積率規制は地方から権限を取り上げて国が交通量や上下水道などのインフラを考えて管理すべきと思います。

  May 7, 2007

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• 共和党の大統領候補の討論会も見ました

  新聞報道もされていますが、3日、共和党の大統領候補の討論会がレーガン大統領記念館で行なわれました。先週の民主党の討論会の向こうを張って、10名の大統領候補が質問に答える形で行なわれました。イラク戦争に関しては「今、アメリカ軍が撤退したらイラクはめちゃくちゃになってしまう」という意見が大勢で、これは説得力がありました。存在感が最もあったのは前ニューヨーク市長のジュリアーニ氏ですが、ニューヨーク市での犯罪減少などの功績を聴くのはそろそろ飽きがきました。印象が強かったのは、ロン・ポール※というテキサス州から選出された下院議員でした。この人は空軍で軍医を勤めた人で、自由主義者です。小さな政府を強く主張し、このためにイラク戦争にも共和党で唯一反対票を投じています。変わり者ということで当初は討論会に招かれないのではないかとの観測もあったようですが、最終的に招かれ、事後のアンケートでは高得点を得たようです。単純な主張なので若者の支持が多く、大統領候補として始めてのインタビューは大学の学生寮の一室で行なわれています。※視聴者が作る辞書「ウィキペディア」（英語）には、すでにこの討論会の後のアンケートでロン・ポールがトップになったことが記載されています。この百科事典の内容には私は一歩距離を置いて見ていますが、リアルタイムに更新されるのはすごいと思いました。

  May 5, 2007

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  この本もハズレでしたが・・「タイゾー化する子供たち」

  ★本書は日本の教育問題の責任をアメリカの政策にしているトンデモ本で、買って読む価値はありません。しかし図書館で借りて目を通すには、まあまあの本でした。特に優秀な人材が国家公務員ではなく、ゴールドマンサックスのような外資系投資銀行等に流れるのを憂える点は共感できました。また「タイゾー化」という言葉は面白いと思いました。タイゾーとは小泉チルドレンの杉村大蔵衆議院議員から命名したものですが、一言でいうと「プロセスのないサクセス・ストーリー」、「段取りなき成功談」を語る一群が現れている現象をタイゾー化現象を著者が命名したものです。その特徴は（１）「苦節何十年」といった苦労話とは全く無縁で、いきなり「成功」する（２）自分の「成功」をメディアに対してひけらかし、何らの衒い（てらい）も感じない（３）理念を語らず、ひたすら印象論だけを繰り返すとのことです。いつの時代にもこのような若者はいたと思いますが、特に現代では、メディアのおだてに乗る危険性を子供たちに早く認識して欲しいと思いました。

  May 4, 2007

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• 計算流体力学のビジネスへの応用

  本日の日経に宮田秀明東大教授の評論が掲載されていた。「計算流体力学」を社会現象・ビジネスに活用しようというものだ。現在　道路公団の全国シミュレーション経営システム　電力会社の経営システム　書籍ビジネスの改革　小売業の最適化　日中韓物流を研究しているとのことで、今後の展開に注目したい。かつてはダイナモというシミュレーション言語を使用してローマクラブが「成長の限界」というレポートを出していたが、今回の計算流体力学はもっと精度が高そうだ。

  May 3, 2007

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• 横浜市立大学の「改革」で数学科を抹殺した中田市長の軽薄

  横浜市の中田市長は大学の「改革」と称して、学科の大幅な変更を行なった。理学部からは数学科がなくなり、基盤科学コースと環境生命コースになった。基盤科学コースは、これまでの理学部の教育内容を充実し、物理・化学に特化した教育内容であり、物理学、化学、応用物理学、応用化学、材料科学を含む。 中心的科目は、 振動と波動、先端科学技術I・II、ナノ物質創製概説、量子力学、周期表の科学、分子機能科学、ミクロ現象とその集合、先端科学序説、波動としての電子 周辺的科目は、 自然科学ゼミ、企業技術体験、先端物性測定講義I・II、シュミレーション実験、有機物質科学、無機物質科学、ナノ構造分析、電子物性、電磁気学、総計力学 関連科目は、 光と物質の科学、超分子科学、分子構造科学、分子反応制御、物質機能科学I・II、界面表面科学、先端物性測定講義III、高分子科学、触媒科学、科学論文表現法、エネルギー変換、自然科学とベクトル解析、自然現象と複素数・留数、先端物性測定実習III、自然科学とフーリエ解析 である。意欲的な試みであり、学生さんの興味も惹くだろうが、数学科もなくなり基礎がおろそかにならないのか懸念されるところだ。例えばファイナンス分野は最近高度になってきて数学科の人間が必要とされているが、このカリキュラムでは無理だろう。せめて確率過程の科目は履修する選択肢を作っておくべきだったと思う。

  April 30, 2007

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• 米国民主党の公開討論を聴く

  4月27日サウスカロライナ州立大学で民主党の大統領候補8名が揃ってディベートが行なわれました。ディベートといっても、司会者の質問に大統領候補が答える形であり、議論が行なわれたわけではありません。民主党の層の厚さをアピールするショーのようなものでした。この90分の中継録画がインターネットで最初から最後まで視聴できるのですから、便利な世の中になったものです。8名が一致していたのは「イラクから早く撤退しよう」ということでした。（福禄太郎：しかし、撤退後のプランが明確でありません。バース党と軍により精密に作られていたサダムフセインの統治機構を暴力的に破壊した米国が、安定的な民主主義政権を樹立できずに撤退するのは無責任な気もします。おそらくイスラム原理主義者は米軍の撤退を待っているのでしょう。）軍事だけでなく、健康保険制度の創設をはじめとする広範な問題について短い時間でしたが各候補がコメントをしていました。全般的印象では、存在感ではヒラリー・クリントンが一番でした。好印象という点ではバラック・オバマが一番でした。特にオバマ上院議員はイラクの混乱を予想して、当初からイラク侵攻に反対していた先見性で他を圧していました。エドワーズ上院議員は今ひとつ存在感は無かったのですが、質問に数字をちりばめて答えるところなど、さすがと思わせました。「皆さんに聞きます。過去4年間で最大の失敗は何で、それをどう評価しますか」という趣旨の意地悪な質問についても、それぞれの候補がそれぞれの答えをしていました。例えば、「ブッシュ政権を批判することが生ぬるかったのが最大の失敗だ」とかわす候補のレトリックのうまさには感心しました。オバマ上院議員は、「妻のほうが私が言うより沢山知っている」と前置きをしてから政治的な反省点を論じていましたが、これも慣れているなと感じさせました。

  April 29, 2007

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• 衰退する産業

  3月23日に大阪家具厚生年金基金が解散しました。現在家具業界は構造的な不況状態です。一つには住宅事情もあって結婚の際に三点セットを用意しなくなったこと、もう一つは海外からの輸入品の力が理由でしょう。アジアでの現地生産でもしない限り、なかなか生き残りが難しいようです。日本といえば「製造業が強い」と思い込みがちですが、繊維業界とともに家具業界も伝統的な企業は斜陽になっているところが多いようです。

  April 28, 2007

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• ジンバブエは今

  ＶＯＡ（Voice of America：米国の宣伝放送）でジンバブエ（南アフリカの北に接する国。旧ローデシア）の現ムガベ政権を「民主主義に反する」と激しく非難していた。外務省のホームページを開くと、次のように解説している。（1）独立以降、ムガベ政権は白人との融和による国家建設に努めた。1987年、ムガベ率いる与党ZANU-PF（ショナ族中心）とヌコモ率いる野党第一党のZAPU（ンデベレ族中心）とが統合し、ZANU-PFが誕生し、1990年、1995年に行われた総選挙で改選議席120議席中それぞれ、117、118議席を占め事実上の一党体制を築いた。しかし、2000年6月に行われた議会選挙では、1999年に労働組合運動を前身として設立された野党民主改革運動（MDC）が57議席を獲得（与党ZANU - PFは62議席）し、これまでの一党支配体制から二大政党制へと移行した。（2）2000年2月、土地収用を含む新憲法草案に対する国民投票が行われたが、反対55％で否決された。これを不満とし、独立戦争を戦った退役軍人等による白人所有農場の占拠が各地で発生、両者間の小競り合いにより死者が発生する事態になった。同年8月より白人大農場を強制収用し、共同農場で働くアフリカ人農民等に再配分することを目的とした土地改革「ファスト・トラック」が開始された。2002年10月、政府は1,100万ヘクタールの白人大農場（約5,000農場）を強制収用し、「ファスト・トラック」が終了したと発表した が、大多数の白人農場主は、十分な補償もないまま土地を追われることとなった（3）2002年3月に行われた大統領選挙は、ムガベ大統領とチャンギライMDC党首により激しく争われたが、ムガベ大統領が再選された。大統領選挙後の国内混乱を受け、南ア及びナイジェリア両国の仲介でZANU-PFとMDC両党の対話会合が開始されたものの、MDCは大統領選挙の無効を主張して両党は対立状態となり、対話は暗礁に乗り上げた。2003年6月にMDCが計画した大規模な反政府デモに対しては、政府は治安部隊の出動、MDCの党首逮捕などの強行的な措置を発動した。2004年末には、ジンバブエ議会はNGO規制法（現在まで未発効）、情報アクセス・プライバシー保護法、選挙委員会法等を相次いで改正または成立させて、2005年3月の議会選挙を前に野党やその支持者への締めつけを強化した。（4）2005年3月31日、議会選挙が行われ、ZANU-PFが選挙で選ばれる120議席の内78議席を獲得して勝利した。更に大統領による指名等による30議席を加え、ZANU-PFは5年ぶりに単独で憲法改正案の可決が可能となる3分の2以上の議席を確保した。一方、41議席にとどまったMDCは、選挙は大規模な不正の下で行われたと批判し、選挙無効を訴えた。（5）2005年5月になって、ジンバブエ政府は「秩序回復作戦」と称して不法居住区の住宅や露店の撤去に着手し、70万人（国連発表）が住居や生活の糧を失った。右はＧ８グレンイーグルズ・サミットにおいても議論され、議長総括において憂慮が表明された。（6）2005年8月、2000年以降に収用された土地の原則国有化、これらの土地にかかる裁判権の否定、議会上院の再設置等からなる憲法改正（独立以来7度目）が行われた。11月の上院選挙では、ZANU-PFが90％の議席を確保し、上院・下院でのZANU-PFの優位性が確保され、野党MDCでは内部抗争が目立つようになる。（7）経済・社会情勢の悪化をうけ、2006年9月には、ジンバブエ労働組合連合体を主体とするストライキが未遂におわり、多くの活動家が非人道的な扱いを受け、国際社会からの批判を受けた。【福禄太郎】要するに、旧英国領で白人支配を廃し、英連邦にも加わらず西欧から相手にされなくなって経済的に疲弊、反対勢力を抑えるために政権はますます強権的になってくると言うパターンだ。旧英国領で英連邦に加わらず「民主的でない」と非難されているのはミャンマーと似たようなところがある。「民主的」という言葉が、ジンバブエやミャンマーについては旧宗主国と仲良くしないことへの批判の口実に使われている。植民地の歴史を顧みることなく単純に「民主的でないからダメ」というのは英米の身勝手だろう。この「民主的でない」という言葉には、土地を追われた白人地主の怨念がこもっているように思える。ところで、捨てる神あれば拾う神ありで、中国が援助に乗り出しているようだ。いずれ中国の中華思想とプラグマティズムには愛想をつかされるだろうが、これで一息つくかもしれない。

  April 24, 2007

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• 最近アメリカ人の先生から聞かれたこと

  今、英会話学校に通っています。最近アメリカ人の先生から聞かれることは長崎市長射殺を受けて、「どうして日本では暴力団がはびこっているの」ということです。「地上げなどで必要なのでしょう。アメリカでもニューヨークでマフィアが地上げしていたと聞いていますよ」などと答えていますが、「アメリカでは市長が銃殺されたことなんてことは最近無い。われわれはＦＢＩがマフィアを退治し、ロバート・ケネディーが司法長官のときにも取り締まった」などといわれました。言論の自由があるようでないような日本の現状は不思議のようです。

  April 22, 2007

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