故橋本元首相追悼:「米国債を売りに出したいという誘惑にかられたことがある」
1997年6月、当時の橋本首相が、「米国債を売りに出したいという誘惑にかられたことがある」と発言したとたん、NYダウが暴落した。軍事的被保護国の首相として一線を越えた発言をしてしまったわけだ。日本の外貨準備の大半は米国債であり、米財政赤字の補填という役割も果たしているので、おいそれと売ってはならないことになっているようだ。もっとつっこんでいくと、米国による世界金融支配ということになるが、この点についてマイケル・ハドソン博士の著書「Super Imperialism:Economic Strategy of American Empire」がある。この本は発禁という説があるが、検索エンジンで検索したら改訂版がPDFファイルでダウンロード可能となっていた。335ページもある膨大な本であるが、エピローグから一部を紹介する:Today, in 2002, the euro has not provided the requisite alternative, for it is not a truly political currency such as is the dollar. But even more important, there has been no political will for Europe or Asia to take an alternative route. Only America has shown the will to create global international structures and to restructure them at will to fit its financial needs as these have evolved from hyper-creditor to hyper-debtor status. It is as if European and Asian society lack some gene for institutional self-programming for their own economic evolution, and have acted simply as the mirror image of America like a dancer following the partner's lead.【翻訳】2002年現在でユーロは必要不可欠な代替通貨の地位を獲得するにはいたっていない。なぜならユーロはドルのように真の政治的な通貨になっていないからだ。しかし、さらに重要なことは、ヨーロッパもアジアもアメリカにとって代わろうという政治的な意志がないことだ。アメリカだけが国際的秩序の構築と再構築を行なう意志を持ち、自らの財政的必要性に応じて超債権国の地位を捨て超債務国の地位を獲得するにいたっている。ヨーロッパもアジアも自らの経済発展に関する自己プログラミングを行う遺伝子が欠如しており、アメリカの姿を映す鏡として行動している。それはあたかもダンサーがパートナーのリードに従っているようなものだ。