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丘菜摘のその日暮らし

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2007年06月01日
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カテゴリ:リンボウ先生
師匠が特別出演するということもあって,上野公園内にある旧東京音楽学校奏楽堂で行われた「イタリアバロック声楽曲の夕べ3」を聴きにいく。

前半はいろいろな歌い手が代わる代わる登場して,モンテヴェルディやカッチー二等のさまざまな曲を歌う。私などには必ずしもなじみのある曲とはいえないものも多かった。

師匠もここではバリトン歌手として,チェンバロの伴奏のもとパスクィーニの「静かな憩いのうちに」を披露した。プロの中に入るとさすがに声量等に違いがあるのを感じるが,テクニックには着実な進歩が感じられ,努力を続けておられることが推察される。

後半は,やはり私は寡聞にして知らなかったのだが,ヘンデルのオペラ「アルチーナ」という曲のハイライトで構成されていた。師匠は,あらすじを朗読して物語を進行させる役割を担う。物語自体は,魔女の呪縛を愛の力で解き放つ…といったファンタジーともいうべき作品だったが,その分わかりやすかった。

もっとも,今回の一番の楽しみは,重要文化財である奏楽堂で演奏を聴けることであった。
奏楽堂は,1890年に建てられた日本最古の様式音楽ホールで,移転の危機を乗り越えて,現在の場所で今でも定期演奏会等が行われいる。美しい木造の建物自体はこれまでにも見学したことがあったのだが,残念ながらそこで演奏を聴く機会がなかった。

パンフレットによれば,その昔,滝廉太郎がピアノを弾き,山田耕筰が歌曲を歌い,三浦環が日本人による初のオペラ公演でデビューを飾ったというその舞台での演奏を一度生で聴いてみたいと思っていたものが,今回思わぬ形で実現したのだった。

今回は声楽曲で,伴奏のリコーダーやチェンバロなどの音の響きは,評判通り柔らかで潤いがあり温かい。一方で,魔女が投げ捨てた杖が床に落ちたときなどは,強く反響した。

今度は,舞台正面にあるパイプオルガンの音や,室内楽曲などを聴いてみたいと思った。





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最終更新日  2007年06月12日 23時39分14秒
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