朗読会
「<ライブセッション>リンボウ先生、明治の文豪を読む」を聴きに,横浜の近代文学館へ行く。チェンバロの演奏と師匠による「作家の朗読」という組み合わせだ。朗読作品は,漱石の『夢十夜』,子規の『歌よみに与ふる書』,鏡花の『妙の宮』,村井弦斎の『食道楽』,鴎外の『ぢいさんばあさん』というラインアップ。私にとっては馴染みの薄い作品もあったが,約百年も前に生まれたものというのに,古さを感じさせず,すっかりストーリー展開に引き込まれてしまった。チェンバロの演奏は,朗読の前後にまとめられていて,贅沢なひとときを演出していたと思う。ただし,個人的には朗読の余韻に浸っているときに,自分の感覚とはかなり離れたイメージの曲が演奏された部分があって,少し残念に思われた。いずれにしても,手つかずのままになっていた『食道楽』辺りから,読んでみようと思った。今年の秋は,読書の秋にしよう。