カテゴリ:エネルギー・資源・ゴミ
■ガイアからのメッセージ
家庭が省エネと自然エネの組み合わせで自給可能になるように、産業もまた省エネと自然エネの利用で自給可能になるだろう。現時点で、世界で一番安い発電方法は、風がよく吹く地域の風力発電となっている。アメリカのデータで、4セント/キロワット時。それまで一番安いとされていた石炭の単価を下回っている。日本の原子力より大幅に下回っている。 これまで石油には、莫大な「隠された補助金」が出されていた。 例えば軍事費にアメリカは年間48兆円以上を支出する。日本の実質的な国家予算以上の額を、軍事費だけで消費するのだ。 この軍事費でイラクの石油を全量得たとしても、その石油の金額はわずかに2.4兆円、軍事費支出の20分の1にしかならない。石油の本当の購入価格はきわめて高い、と言わざるを得ない。これは実質的に石油獲得のコストなのだから、石油価格に上乗せされるべきものだ。 もし石油価格がこれらのコストを加算した本来の高さだったら、経済のグローバリゼーションは成り立たない。石油が安く設定されていなければ、遠く地球の裏側のブラジルから運ばれてくる大豆が、地域で作るものより安くなるはずがないのだから。 石油価格が正当なものになれば、経済のグローバリゼーションはもっと慎ましいものになるだろう。すなわち必要最小限の、互いに余剰の生産物を交換し合う程度の、まず自分のコミュニティ経済を充足した上での交易になるのだ。 しかし、自然エネルギーからの電気は、こんな状況でありながら「隠された補助金」をもらっている石油よりも安いものになった。自然エネルギーのポテンシャルは相当に大きい。おそらく移動動力源の燃料についても、早晩自然エネルギーの方が安いという状況が作られるのではないだろうか。こうした化石エネルギーの対する不当な補助金も、やがて自然エネルギーの安さ、潤沢さに破られる日が来る。そのとき石油の奪い合うための戦争は不要になる。 これまでの社会は、石油という中央集権を余儀なくさせる中心から広がる、石油を頂点としたヒエラルキー状に社会が形成されてきた。しかしエネルギーが各地で作られるようになるとき、社会は地域分散型に変化する。エネルギーは各地域に生まれるもので、社会の上から与えられるものではなくなるのだ。 「戦争をやめさせ環境破壊をくいとめる新しい社会のつくり方」田中 優 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009年07月19日 16時34分43秒
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