生活困窮者を描けば、それでたりるのか?
格差社会。朝日新聞論座1月号「現代の貧困 生活困窮者の実態」「ワーキングプア 門倉貴史著」なんかなあ、現代の貧困を描くのはいいんだけど、どれもこれもそれで止まっている。たとえば、タクシー運転手。規制緩和で台数が増え、実収入は減り、労働環境も悪化の一途の話。いたるところで、とりあげられているが、じゃあ、どうするか。見えない。今の政治に、規制緩和の逆を行く勇気があるか?あるとはいえぬ。結局、生活困窮者をえがくルポは、社会を動かす力たりえず、他人の不幸は密の味的感覚を国民にもたせているにすぎない。「おれは、ワークイングプアにはならないよ。」的な感覚というか。他人事というか。それが今の政治の閉塞感を呼び起こし、難問であるがゆえに、政権はそれを避けて教育基本法、防衛省に走る。好きにしろ、とはいえない政治が、いま、そこにある。