スズメの餌付け
マンションのベランダに、毎朝米粒を数個ばかり置いていたことがあった。すると、毎朝、スズメが来てはたべていった。そして、ちょうど今くらいの時分には、ようやく羽がはえそろったひなどりをつれた親子がやってきて、親鳥がくちうつしで、餌を、というか米粒をやるんだな、ひなどりに。そのひなどりは、羽を小刻みにふるわせてそれをたべる。そのときは、家にいるときも、驚かさないように、そっと動いたものだ。ただ、あるとき、野生の鳥を餌付けるのは、自然の摂理に反するように感じてやめた。でも何年もたつが、いまでもときどき、スズメがきて、エアコン室外機の、よく米粒をおいていたあたりをのぞいていくことがある。DNAのなかに情報は、しっかり受け継がれてるんだなあ、って感心しちゃったりするんだなあ。