|
カテゴリ:保護者問題(親問題)
ケース【3】 放課後、職員室に、保護者(父親)が怒鳴り込んできました。会社帰りなのか、ネクタイを締めておられました。そんなに荒っぽい仕事をしているような服装でもありません。ベテランの男性教師に何か猛抗議をしています。突然の出来事だったので、いったい何があったのか、まわりの教員にはわかりません。ベテラン教師は、「とにかく、じっくり話をお聞きしたいと思いますので、校長室に」と、ひとまず落ち着いて、冷静に話し合える状況をセッティングしようと努めておられました。 「他のせんせーにも、聞いてもらったらいーじゃないですか!!!」「その歳になってそんな配慮もできないのか!!!」 と、ベテラン教師を追い詰めることに必死です。ベテランをみんなの前で弾劾することをこのネクタイ父さんは「いい気味だ」と思っているようです。事の成り行きを見届けたかったのですが、 すかさず教頭が「まままままー」と割ってはいって3人で校長室へ。 20分ほど経過して、3人は談笑しながら校長室から出てきました。そして、ネクタイ父さんは、会社員らしく丁寧にあいさつをしてかえっていきました。ただし、よそ様の職場を騒がせたことについての謝罪は、無しでした。 後で聞くと、どうやらネクタイ父さんは、娘が視力検査で近眼と判定されていたというのに、席替えで一番後ろになってしまったことに腹を立てていたようです。視力検査はその日の昼のことで、席替えはその前の朝に行ったそうです。席替え前に、ベテラン教師は「もし、不都合がある人は、申し出てください。配慮します。」と言っておられたそうですし、実際視力検査の結果が保健室から届いたら、改めて確認を取っていくつもりだったようです。メガネをかけている子どもだったので、「見えますか、そこで。」と、席替え後にはちゃんと声もかけたそうです。 つまり、担任はそれほど大きなミスをしていない。ベテラン教師は上記のことを丁寧にネクタイ父さんにお伝えし、父さんも、事の次第を理解したのか、落ち着きをとりもどしたそうです。 対処 子供が家で話すことには、たいていいくらかの脚色があったり、省略があったりします。子供は自分に都合が悪くなる部分を省略することが多いです。話を省略することは、「嘘」をつくことではないという心理が働くのかもしれませんね。大人だってそうですよね(苦笑)。保護者が家で子供から聞いた話と、学校で起こっている事実には、ずれがあることを前提にし、お子さんの話をよく聞いてあげてください。 ネクタイ父さんの娘さんは、「席が後ろになって見えにくくってやだなー」という事を家に帰って父親に話したそうです。 彼女は、 「今日席替えをしたところ」 「今日視力を測ったところ」 「先生は声をかけてくれた」 「今日は先生に前の席に移してもらうのをためらった」 「今回は仲良しの○○さんと席が近くだから席を前にしてもらうのもやだなー」 ということを省略して話していました。 ------------------------------- ネクタイ父さんが怒鳴り込んできたことには、おそらく「学校に対する不信感」が、頭のどこかにあり、元々、「いつか何かがあったら怒鳴り込んでやろう」と、考えていたのだと思います。 ベテラン教員から話を聞いて、ネクタイ父さんは「何だそういうことだったのか」と落ち着きを取り戻したそうです。内心馬鹿にしていたベテラン教員が思いの外、丁寧な対処をしたことにも、納得できた様子です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[保護者問題(親問題)] カテゴリの最新記事
|
|