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カテゴリ:経済
経済コラムマガジンの8/10号を転載。ついでに、自民・民主マニフェスト比較というサイトを見つけたのでリンクしておこう。また、せっかくだから、民主党websiteマニフェスト2009と自民党みなさんとのお約束を並べておく。それにしても経済コラムマガジンさんはブレない。一貫して、デフレを問題視し、積極財政を唱えてきた。転載した記事では、報道ステーションの星氏を批判しているが、確かに星氏は顕名だし、影響力もあるけど、ぼくは、経済コラムマガジンさんの主張に説得力を感じる。どちらを信用するかといえば、星氏ではなく、ネット世界の経済コラムマガジンさんを信用するということだ。
(引用開始) ●財源問題 自民党は、民主党の選挙マニフェストを、財源を明確にしない無責任なものと酷評している。その点自民党のマニフェストは、「景気回復後に消費税増税を行う」と明記していると胸を張っている。しかし多くのメディアから、自民党政権こそ膨大な債務を作ってきたではないかと指摘され顰蹙をかっている。 また自民党の言う「景気回復」とは、経済がどの程度の状態になったことを指すのかはっきり分らない。少なくともバブル崩壊後、日本国民の全体が景気が回復したと感じたことは一度もなかった(一部の大手輸出企業やミニバブルで恩恵を受けた不動産業界を除けば)。 自民党の「10年後に一世帯の可処分所得を100万円増やす」という公約も酷い。当然、100万円増やすための具体的な手段を示すべきであるが、それが「経済成長の実現」では話にならない。もしこのような公約がまかり通るのなら、他の党は「うちは200万円増やす」と言えば良い。 選挙マニフェストではこの「財源」が一番の問題になっている。そこで今週号は主にこの財源問題を取上げる。自民党はこれで民主党を攻めるが、自民党の方も曖昧である。両党ともいわゆる「バラマキ」が目立つ。選挙だから仕方がないという見方がある反面、これを財政に対する考えが日本の政治家の間で変わってきた兆しと筆者は捉えている。 筆者は、財政再建論者の勢いが、一頃に比べ衰えているという印象を持つ。あれだけ騒いでいた「2011年までにプライマリーバランスの回復」という教条的スローガンが、いとも簡単に引込められた。バランスの回復は2020年までで良いということになった。 世界同時不況後、「日本の財政は危機的状態であり、直に財政再建に取りかからなければ、財政は破綻する」という例の嘘話をとんと聞かなくなった。だいたい05/5/23(第390号)「ヴァーチャルなもの(その2)」で述べたように、筆者は日本の財政危機は虚構であると言ってきた。特に第390号で日本の財政が危機ではないことを知りながら、色々な都合で「危機」と言っている人々がいることを指摘した。 たしかに日本の公的債務は額としては大きいが、一方、日本には過剰な貯蓄が存在する。したがって経済の循環を考えると財政を赤字にせざるを得ないのである。財政赤字は大きいと言われているが、筆者に言わせればこれでも赤字額が小さ過ぎるのである。このため日本経済はずっとデフレ状態から脱却できないのである。 これは何回も言ってきたが、本当に日本の財政が危機ならば、日本の国債が買われるはずがない。また金利がこんなに低い水準で推移するはずがない。しかも日本の国債のほとんどを買っているのは国内の主体である。日本の巨額の過剰貯蓄を考えれば、当然と言えば当然である。 民主党のマニフェストでは、一方で無駄な財政支出を削減して財源を捻出すると言っているが、これだけではとても足りるはずがない。どうしても暗黙のうちに国債の増発を想定していると見なされる。選挙だからこのことに触れないだけである。しかし今日の日本の経済状態では、筆者は「バラマキ」の内訳を別にして、国債を増発しても財政支出を大きくすることには大賛成である。 自・公連立と民主党のどちらが総選挙に勝っても、国債の増発が避けられないことはコンセンサスになりつつある。しかし筆者は、仮に国債増発となっても、国内に巨額の過剰貯蓄があり問題はないと思っている。また仮に長期金利が問題になるほど上昇する場面があれば、日銀の国債買い切りオペ額を増やせば良いと考える。 ところが総選挙後の政策を念頭に、また財政赤字問題がテーマに浮上する気配が出てきた。これまで大人しくしていると思っていた財政再建論者が、また騒ぎ出す様相を見せているのである。 ●報道ステーションの星氏 先日の朝日テレビ系の報道ステーションで、民主党政権ができた時の財政運営が話題になっていた。やはり日本のメディアは、民主党政権が国債発行を増やすことを見越しているようだ。この時の解説は朝日新聞の星氏であった。ところがこの星氏の話がデタラメなのには筆者も驚いた。 彼は「国の債務は800兆円あり、仮に長期金利が3%に上昇すれば金利だけで年間24兆円になる。こうなっては一般の歳出を相当削らなければならなくなる。」と言ってのけた。テレビだから話を単純にすることは仕方がない。しかし単純化するといっても、事実とかけ離れたことを言うのは問題である。 まず金利負担を問題にするなら、政府が持つ金融資産を差引いたところの純債務を使うべきである。特に日本の場合、政府は膨大な金融資産を持っている。つまり実質的な金利負担額はこの純債務を基に算出すべきである。ちなみに04/12/13(第371号)「第一回財政研交流会」で述べたように、日本の名目GDP純債務比率は他の先進各国と遜色はない。 星氏の話の中で一番の問題は3%という長期金利である。彼は簡単に長期金利が3%になるという前提で話をしている。しかしこれは酷い誤魔化しである。たしかに国債の増発は、国債の価格の下落、つまり長期金利の上昇の要因になる。 ところがずっと日本では国債の残高が増え続けているが、一方で過剰貯蓄も増えているため、長期金利はむしろ下がり気味である。10年前の小渕政権の頃に1.8%であった長期金利は、今日、1.4%台である。2003年には一時期1%を切ったこともある。つまり国債残高は一貫して増えているが、金利は上昇しないのである。 むしろ筆者は、投資や消費が増えて経済活動が活発になった結果、長期金利が3%に上昇する状況が好ましいとさえ考える。しかし残念ながら今日の日本にはそのような資金需要がないのである。金利が上昇することより、経済活動が停滞していることの方が問題である。 いずれにしても星氏の金利が3%になるという話はちょっと有り得ない。また仮に金利が3%になるという状況では、景気が超過熱になっているはずである。その時は反対に財政支出を少し削減すれば良いのである。 ヘッジファンドの資金が再び日本に流入して来る気配がある。リーマンショック後、ヘッジファンドは解約が続き資金が底をついた。ところが最近になってまたヘッジファンドに資金が集まるようになった。問題はその資金の行方である。 外国人の日本株の売越しがずっと続いていたが、3週間前から買越しに転じた。買越し額はここ3週間で約1兆円程度と見られる。この中にはヘッジファンドの買いもある。 筆者が注目しているのはヘッジファンドの株式以外での運用である。例えば総選挙後の財政支出増大による国債増発を見越した資金運用である。前述の通り国債増発は国債価格の下落要因である。その前にヘッジファンドが国債(国債の先物)を売ってくるのでないかと危惧されるのである。これに内外の投機資金が加われば、長期金利の急上昇という場面も有りうる。 筆者は星氏の話はばかげていると説明してきた。しかしこのような話が広まり信じる人が増えれば、これに乗じて一儲けを企む人々も出てくるのである。考えられる一つのシナリオは、株式売り(今日の買いから一転して売りに変わる)と国債売りである。国債売りによって金利が上昇し円高になる。円高になって株式が下落した後に株式の買戻しである。また国債も頃合いを見て買戻すといった具合だ。当分の間、長期金利の動きを注視する必要があると思っている。 (引用終わり) メディアや政治家、官僚が米国と中国を刺激しないことを行動の指針(基準)としていて、国民の生活や安心して暮らせる社会を第一義に考えていないように思われる。そう解釈しないと、人の連帯や共同体社会を突き崩すような政策を外国の言いなりになって、実施するなんてまったく理解できない。小泉・竹中ら清和会のワシントンコンセンサスに則った、売国政策を繰り返し、繰り返し、分析し、総括していかないと、国家総動員の勢いでもって、同じことは再度繰り返されると思う。そもそも、米国には、日本を戦争で破ったという鼻持ちならない驕りがあるのだから、米国の国益のために、日本側エージェントを通じて、都合よく、便利な財布からこの国の国富を流出させようとする動きは今後もやまないだろう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
August 14, 2009 11:53:42 AM
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