カテゴリ:勘違い系
前にも書いたかもしれないが、高校時代は「親が比較的年を取っている」か、ニューファミリー的に「やけに若い両親」という2つのグループに、クラスメートが綺麗に二分されていた。私は「親が年配」組に属しており、何故か仲良しグループ全員が、いわゆる「若いお父さん、お母さん」を持っている派ではなかった。
大学に入ると、仲の良い友だちの3割が「若い両親」を持つムスメたちだったが、やっぱり主流は「ちょっと年喰ってる派」 しかし、そんなある時、若い派の友だちが、べんとーを食べている最中に「専業主婦なんて最低」と言い出した。 そのときその場にいたのは、彼女以外は老け組だったので、全員がムッとした。私くらいの年代で、親がちょっと年喰っているような家庭では、まだ、一家の主婦たるもの、専業主婦であるのが当然、という風潮だったからだ。 「何で?」と、私たちの中で一番ニンゲンができていたOさんが、やんわりと問いただした。彼女のお母さんに会ったことがあるが、お母さんというより、お婆さんという雰囲気の方だった。彼女はかなり年の離れたお兄さんとお姉さんがいる末っ子だったから、当然のことだ。すると、爆弾発言をしたHは、彼女自慢の若くて美しいお母さんがそう言ったため、受け売りをしていることが分かった。 でも、彼女の母上も専業主婦だったはず。何でまた、そんな母上が、専業主婦を否定するのだろうか? よくよく聞いてみると、そのころ母上は、近所のブティックにパートに出始めたのだそうだった。をいをい。 別にパートを否定している訳ではない。私たちの世代では、「お母さんが働いている」と言っても、フルタイムで仕事を持っている人はほとんどいなかった。夫婦で商売をしているとか、カメラマン(ウーマン、か)といった特殊な職業の人はいたが、その他はパート。でも、そういう時代の「パート」って、本当に短時間、ちょっと外に出てみた、という程度が多かったのだ。 案の定、彼女の母上も週に1日か2日、2、3時間のお仕事だった。しかもパートに出た理由は、稼いだお金を自分のお小遣いにするため。それで「仕事を持っている女性と、家にこもりっきりの女とは違う」とか言われても、私たち年喰ってる派は挨拶に困ろうと言うものだ。 家事とフルタイムの仕事を両立している女性は偉いと思う。私なんて、仕事だけでいっぱいいっぱいだし、家事をしようとすると、皿を割ったり鍋をひっくり返したりの大騒ぎになるに決まっている(と言うか、母から一切手を出すな、後が面倒だから、と言われている。くくー)。 それを考えると、短時間であろうと仕事をして、家事と両立している女性も偉いと思うが、彼女のお母さんに限っては、我々はちっとも偉いと思わなかった。「仕事」が超極端に短時間なこともあったが、彼女のムスメはそのとき、「お母さんが働き始めたから、弁当を作ってくれなくなった」と、菓子パンを昼食として食べていたのだ。しかもその日も前日も、パートに出る日ではなかったのに… ぜんぜん両立してないじゃん。 また、これは後年の話になるが、この母上は、自分の娘(爆弾発言した本人)が初めてボーナスをもらったとき、「良いコートを持っているかどうかが、洗練された女性の証よ」とか何とか言って、全額はたいてカシミヤのコートを買わせたような、自分勝手な人だ。何故自分勝手かというと、二人のサイズはほぼ一緒。母上は彼女が大枚はたいて購入したコートを、自分の専有物にしてしまったのだ。ムスメまで食い物かよー ま、それはともかく、専業主婦が日頃こなしている仕事に対して給料を払うとなったら、大変な額になるそうだ。えげれすなんぞのハウスキーパー(執事の女性版みたいな人)などは、まさに専業主婦が日々行っている作業を、職業として請け負っている訳だが、主婦のように家族に対する愛情は無いはず。それでも相当な高給取りであり、プロフェッショナルとして非常に尊敬されている。専業主婦のどこが悪いかっ ぜーぜー しかしおかしなことに、友人たちを総ざらいしてみると、お母さんが専業主婦、という年配派のムスメほど、未だに独身で仕事一筋である。できすぎた母を持つと家事的に無能になるのか、「あそこまでできない」とやる前にあきらめの気持ちが出てしまうのか? どちらかは分からないが、私の周囲に関して言えば、結婚しているのは、専業主婦を否定するような「専業主婦+ほんのちょっとだけパート経験アリ」というタイプの方のムスメばかりだ。うーん、これはいったい… お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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