今日のヘンな人

[ヘンタイ系] カテゴリの記事

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• 女装する方と私

  　最近、立て続けに変なニュースが目についた。一つは、女装した少年が、出会い系サイトで知り合った男を呼び出し、強盗をはたらこうとした、というヤツ。時事通信によれば「車中で女装した少年が男性に援助交際を持ち掛けた。男性が応じ、約６万円入りの財布を出したところで少年がひったくって逃げた」のだそうだ。　　しゃちゅーは暗かったのだろうが、いくら16歳のオトコノコだとはいえ、声とか体格とかで男だって分からなかったのだろうか？？？　　みょーなのは、共犯者の男（24歳）が、見張り役を務めていたらしい。このオトコとジョソーショーネンはいったい、どういう関係なんだろうか。それからそのジョソーショーネンは、どこから女装してきたのだろう。どこかのトイレででも着替えたのか、家からそのかっこで出てきたのか。　もっと目が点になったのは、かつら、口紅、ニセモノのオッパイまでつけて女装した60歳のおじさんが、女子浴場に侵入した、というニュース。なんとこのおじさん、女湯の湯船にまでひたっていたらしい。　本人は「女性のハダカが見たかった」と供述しているらしいが、もしかして、オンナとして女湯に入りたかった、というだけなんじゃ？　ハダカだもん、究極の「女装」だよなぁ。　女性の場合、男っぽい格好をしても、べつに「男装」とは言われないし、よしんば言われたとしても、「男装の麗人」なんて言葉もあるし、宝塚もあるし、それほど奇異には思われない。男性の方が、そういう意味では制約が多いのだ。そして「やっちゃいけないこと」をしたくなるのはヒトのツネ。　てな訳で、男性の方がヘンタイに走りやすい、という説を立ててみたのだが、いかがなもんだろうか。追記：このところ仕事が忙しくて、ぜんぜんログインできずに反省中。日々出会う変な人の記憶が、う、うすれていくーっ　このヘンでちゃんと復帰しないとっ

  2005年05月19日

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• 黄色い方と私

  　ちょっと失業している最中、ふつーの日の午後イチくらいに、母のお供でデパートに行った。でもって、デパートの中の食堂街でちょっと遅めのお昼をしよう、ということに。　普通の日の昼時のデパートの食堂街（長い）は、意外にも非常に混んでいてビックリ。ほとんどがおじいさん、おばあさんだが、それなりに若い人たちもいる。もう14時近かったのだけれど、ふつーのひの昼時のデパートの（以下略）は、まだまだ混んでいた。で、私たちはとある店の入り口付近に並べられたイスで、順番待ちをしていたワケだ。　ふと目を向けると、向かい側のお好み食堂みたいなやつ（ざるそばからエビフライまで、なんでもあるようなレストラン）のウィンドウをのぞいている、黄色いスーツの女性の背中が見えた。少しイエローの強い、明るいクリーム色というのだろうか。どこといって、おかしなところのない人だったが、私の目は彼女を凝視し続ける。　最近、自分の性癖というか、嗅覚というかに、信頼を置くようになった私は、「私の目が、こんなにも凝視し続けるということは、たぶんこの人は、変な人なのであろう」と結論づけた（変な話だけど、これは結構マジ）。　観察を続けると、その女性は黄色いスーツになんと、赤い手袋をしていた。それも軍手みたいな素材の。でもって、真っ白なストッキング（タイツかな？）をはき、真っ白な中ヒールのパンプスをはいている。かなりズレてるセンスだ。が、私の探知機に引っかかるほどの「ヘン」でもない。　まぢまぢと凝視していると、その人はすーっといなくなってしまった。立ち去るとき、ちらっと横顔が見えたら、大きなマスクをしていた。花粉症なのだろうか。　しばらくすると、その人はまた、私たちが並んでいる向かい側のレストランをのぞき込みにやってきた。その後ろ姿をじーろじろ見続けたが、格好の悪い足をしている以外に、特に変わったところもない。が、その人、立ち去りがけに今度は、くるりと私の方を振り返った。おじさんだぁあああ！　そう、大きなマスクは花粉のためというよりも、たぶん、顔を隠すため。その人は、前髪を垂らしたおかっぱ風のカツラで、顔の大部分を隠しているが、それに加えて、マスクでも目から下をだーっと隠しているのだ。マスクの下の皮膚はちなみに、なめした革のように茶色くて、ついでに深いシワに刻まれていた。　女装のおじさんは、私たちがレストランに入るまでに、その後3回ほど、向かいのレストランのウィンドウをのぞきにやって来た。なんで同じ所をぐるぐる回っているのか、知らない。それよりも気になったのは、真正面からおじさんとすれ違っても、それが女装のおじさんだと気づく人が、ひっとりもいなかったことだ。　おじさんが、スシ屋の方角に消えていくのを見守っていたら、ちょっと離れたところにある、イタリアンの店の前に座っていた女子大生とそのお母さん、という感じの女性二人が、互いをヒジでつつきあって、おじさんを見送っているのが見えた。あの食堂街で、黄色いスーツに白ヒールのおじさんに気づいたのは、彼女たちと、私たちのみとは、ちょっと情けないぞ、世間の人（って気づかない方がマトモ？）

  2005年03月18日

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• 抱きつくオトコと私

  　今日、某繁華街を歩いていたら、後ろからみょーな空気が流れてきた。　ヘンな人アンテナの発達した私のことなので、過敏に反応したワケだが、さりげなく振り返ってみると、背の高い20代後半くらいの年代の男性が、ぶつぶつ言いながら歩いているところだった。　アタマのおかしいヤツ系の感じがしたので、バッグなど引ったくられないように警戒しながら、さりげなく歩をゆるめ、彼に追い越させた。すると彼はスタスタスタッと急に速度を上げ、私の前を歩いていた10代後半くらいの女の子に寄り添って歩き始めた。「なーんだ。カップルが人混みで分断されて、それで彼氏の方がブツブツ言いながら、彼女を追いかけていたのか」と、そう思った。だってその彼氏は、その女の子を背後から抱きしめるように肩に手をかけ、引き寄せていたから。　女の子はとても小柄で華奢。彼氏の方は190センチ近くはあろうかという長身でがっちりタイプだから、彼女の身体はすっぽりと彼氏の身体に隠されてしまい、私の目から見ると一瞬、微笑ましいカップルに見えたのであった。　ところが、である。次の瞬間、私の耳に響いたのは、女の子の絶叫である。「ぎゃああああああああああああっ」そして、小柄な身体が弾けるように、彼氏の巨体の陰から飛び出してきた。女の子は片手に携帯電話を持っており、どうやら歩きながらメールを読むか、書くかしていたようである。そのスキを突かれただけで、彼女にとってそのオトコは、まったく見知らぬ赤の他人だったのだ。　女の子は携帯を持った手を、意味不明にぶんぶん振り回し、真っ青な顔をしてオトコを睨みつけると、猛然とダッシュして走り去ってしまった。　な、なんと大胆なチカン……　その後、その男は鼻歌を歌いながらフラフラと、雑踏の中に消えていったのだった。

  2004年10月23日

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• 運転手さんと私（6）

  　今日、バスに乗ったら、忌まわしい（おおげさ）思い出のある運転手さんに、久しぶりに遭遇した。　その人に初めてであったのは、とある始発のバス停だった。3人の運転手さんが、立ち話をしており、その中で一番小柄なおじさんは、痩せた細面がネズミみたい。凶悪な目つきの持ち主で、しかもイライラしている様子だったから、「神経質そうな人だな～」と思った。「あの人のバスだと、いやだな～」と。　そして案の定（？）、ネズミのおじさんは、私が乗るバスの運転手さんだった。立ち話をしていた他の2人は、それぞれのバスに戻り、バスのドアを開けて乗客をのせ始めた。が、ネズミのおじさんは、一人、灰皿のそばでタバコをふかしているだけで、発車時間直前までバスのそばには近寄らなかった。　それは冬の寒い日だったから、早く乗って車内に座っていたいと、足踏みをしている人もいたし、おじさんの方をチラチラ見ている人もいたのだが、どこ吹く風だ。仏頂面でタバコをふかし続ける。　ようやく発車時間。おじさんと我々はバスに乗り込んで、直ちに出発した。　しばらく走ってから、ふとバスのバックミラーを見上げた私は自分の目を疑った。ミラーに映る苦虫をかみつぶしたようなおじさんの顔に、突如として満面の笑みがっ！　そして向かいから走行してくるバスに、KABA.ちゃんみたいな仕草で、きゃ～～～っっと手を振ったのだ（ただし片手）。反対車線のバスに乗務している堅太りの中年男性も、きゃぁ～～～んっ、という感じでぶんぶん手を振っている。　一時期、「だっちゅーの」とか言って、胸の谷間を見せるポーズを取る、女性の二人組タレントさんがいたけれど、おじさんとその同僚の体つきは、ちょうどそんな感じだった。運転しているのだし、豊満なバストもないから、「だっちゅーの」した訳ではない。が、何というのか、女の子がカワイコぶるときの古典的ポーズ、肩をすくめて身をよじるような、ちょうどそんなポーズ。「いや～～～～ん」ってな感じで、お互い熱狂的に手を振っている。　ネズミのおじさんは、同僚のバスが通り過ぎても、しばらくバックミラーに向かって手を振っていた。が、ついに相手が視界から消えると、顔にカーテンでもおりるように、一瞬にして元の仏頂面に戻り、淡々と運転を続けた。　私が降りるバス停までの間に、その後も何台かのバスとすれ違った。でも、おじさんがあのように、ぶんぶん手を振ることはなかった。あの二人は、デキたてのゲイのカップルか何かだったんだろうか？　そして、今日久しぶりに出会ったおじさんが、相変わらずの仏頂面だったことは、言うまでもない。

  2004年09月26日

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• チカンな方々と私（1）

  　私は割と良く、痴漢に遭う。と言っても、「変な人」との遭遇確率が多いから、というだけで、以前書いた山本スミカさんのように、「私ってほら、魅力的だからぁ、良くチカンに狙われるのよねぇっ」という暗黙の主張をしているワケでは、ぜんぜん無い。　私が遭遇するチカン氏は、追っかけ型の方が多い。逃げても後から、走って追っかけてくるタイプである。　23時をとうに過ぎた時刻の山手線。所々に酔っぱらいがいる程度で、その晩はどの車両も、かなりガラガラな状態だった。だから、隣の車両からズンズンズンっと歩いてきた、30前後とおぼしき男性が、私の隣りに座った瞬間、さすがに鈍くさい私も「ん？」と思った。だっていくらでも、スペースが空いているのに、何も、他人の横にピッタリ座ること、ないじゃないか。　とは言うものの、その当時はまだ花も恥じらう（をいっ）年齢だったので、「きみわりー」と思いながらもしばし我慢した。　ところが！　私の左隣りに座った男は、腕組みをして居眠りを始めながら、実は組んだ左手を伸ばし、指先でヘラヘラと私の二の腕を触り始めたではないか！　私はさっと立ち上がり、隣のブロックの座席に移動した。するとその男もささっと立ち上がり、またまた私の隣りに座った。　私は再度無言で立ち上がり、もといた座席に戻った。するとその男は、またもや私の隣り（でも先ほどとは反対側）に座った。　無言の追いかけっこは、スキスキの車両の中でも、かなり目立ったらしく、酔っぱらいでない乗客3、4人が、不審そうにこちらを見ていた。　3度もその男に隣りに座られた私は、更に立ち上がり、今度は隣の車両に移動した。さすがにその男はついては来なかったが、それは丁度、次の駅に到着しようとしていた瞬間だったせいかもしれない。　　

  2004年09月10日

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• 吸う人と私

  　ガイジンさんには、我々の想像を超えたヘンな人がいるものだ。文化の違いというか、地球の広大さを（おおげさ）感じさせる。　私もロンドンで、かなりヘンなガイジンさん（本当は私の方がガイジンだ）と出会ったが、友人から聞いた話で極めつけだったのは、人の食べ物を盗むイギリス人男性だろう。　イギリス人の学生や社会人、外国人留学生など6、7人で、一軒家をハウスシェアしていた時、冷蔵庫の食べ物がなくなるという事件が頻発したそうだ。無断で他人の食料品に手を付けているヤツがいるらしい、と、全員（除く真犯人）が疑心暗鬼に囚われ始めると、固形物の盗難は無くなったが、何とある日、ある住人の牛乳パックが空になっていた。それも未開封のまま。「買ってきた時からカラだったんじゃないの？」と、当初は、封を切っていない牛乳が空っぽだと騒いだ男性が、笑い者にされたそうだ。しかしその男性は、「まさか！　スーパーで手に取れば、重さで分かるよ。カラの牛乳パックなんて、買ってくるワケ無いじゃないか！」と反論する。でも、あまりにも滑稽な事件だったので、誰もが本気で相手にしなかったし、それまでに頻発していた食料品泥棒と、むつび付けて考える人もいなかった。二度目の事件が起こるまでは。　今度、被害に遭ったのは、最初の男性を一番笑い者にした女性だった。彼女の牛乳パックも、気づいたらカラになっていた。もちろん未開封のまま。気の強い人だったから、半狂乱で原因を追及したらしい。他の住人も、二度目の事件ともなれば、「牛乳を買ってきた人の間違い」とは思えず、彼女の調査に協力した。　そして分かったこと……　何と牛乳パックにハリの穴くらいの小さな穴が空いており、そこから内容物を吸い出したらしき形跡が発見された。その場にいた全員が、唖然としたのは言うまでもない。そして「例の食料品泥棒だ」と、全員の意見が一致したのだった。　そしてある日の夜中、犯人が確保された。その家に暮らすイギリス人男性・社会人だった。捕まった時、彼は新手を考え出したらしく、卵の殻に小さな穴を開けて、ちゅーちゅー吸っているところだったそうだ。　ちゃんと吸えたのかどうかは知らないが、みんなで交替で張り番をした結果捕らえた相手が、卵のおしりにちゅーちゅーしているところを見て、他の全員が怒る気を無くしたそうだ。そして、「他の人の食べ物を取っても良いけど、頼むから穴を開けて吸い出すのだけは止めて」と言うことになった。　ちなみに、泥棒の彼の言い分によれば、「自分は、購入者がまだ手を付けていない食品を、勝手に開けるほど、デリカシーのない人間ではない」そうだ。開けずに中身を全部吸い出す方が、絶対にヘンだと思うのだが。　しかし、もしも卵吸い出しの技が成功していたとしたら、卵焼きを作ろうと割った人は、さぞやビックリしたことだろう。それがゆで卵だったりしたら、もっと驚いたろうなぁ。それとも、鍋で茹でている間に、カラが割れちゃったりするのかな？（そんなことはどうでもよろし）

  2004年08月26日

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• 電車の中のヘンな方々と私（1）

  　電車の中で、私はよくヘンな人に遭遇する。同じ車両の中にも20人や30人はいるわけだから、その人達も私と同様にヘンな人に遭遇しているはずなのだが、たいていの人が気づかない。不思議なことである。　が、それはともかくとして、ある日出会ったのは、一目で奇怪と察知できる、白いワンピース姿の人。胸のすぐ下で切り替えになっていて、そこから床近くまで流れるスカート部分は、ボックス状のひだひだになっている。布地は麻が入っているような、しゃりっとした感じのキナリで、仕立てが良いのか、シンプルなデザインだが、とってもおしゃれで上品。　でも、私は別に、衣服の品質に目をとめたわけではない。清楚なそのワンピースを着ているのが、ロングヘアを胸元までたらしたおじさんだったから、ついじろじろ見てしまったのだ。　顔立ちはキツネ系。細面で目がつり上がっているが、ちょっとキツい感じの、50代くらいのおばさんに見えないこともない。体つきも華奢でほっそりしており、ワンピースの前身頃にフリルのような飾りがついていて、バストの有無をうまく隠しているので、これまた女性に見えないこともない。　が、その人の額を見たら、女性だと思う人はいないはずだ。額からもみあげにかけての生え際が、これは口ではうまく説明できないが、見るからに男性のそれだったのだ。　おじさんは、私が服装や固そうで真っ黒な髪をじろじろやっている時は、つんっとお澄まししていたが、生え際に目をとめてニヤリ（うそ）とした途端、そわそわと落ち着かなくなり、私から顔を背けてしまった。　スカートをめくって確かめたワケではないけど、あれは絶対におじさん。間違いない。　角張った生え際のおじさんは女装癖の人だったのだろうが、もっとヘンな人を見たことがある。おじいさんのオカマだ。　その人はキチンと背広を着て、ネクタイを締めて、電車の座席に座っていた。上品な顔立ちで、特に目立って異常なところもない。ところが、静かに座っているそのたたずまいに、何とも言えないお淑やかさがある。　駅名を確かめようと、ふと顔をあげる仕草も色っぽいし、膝の上でそろえたほっそりした手は、指先まで丁寧に手入れされていて、ふと動く瞬間に何とも言えない風情を見せる、といった具合。そのおじいさんが立ち上がり、下車するところを見届けたが、歩き方もとっても優雅だった。　あの立ち居振る舞いは、踊りでもやっている人か、それとも引退した女形さんかのどちらかだろう。とても素敵な人（と言うのもヘンだが）で、古びたオカマとか呼んでしまうのは申し訳ないのだが、どこか無惨な感じがした。それは背広姿が原因だったのだと思う。　かといって、あの年齢の「心は女性」な方が、他のどういう服装をすりゃ良いんだか分からない。でも、若い頃はきっと、目も覚めるような「美女」だったんだろうなぁ、と察せられるおじいさんが、上等ではあるがどこか身体に馴染まない、地味なスーツを着ているというのは、なんだかとっても気の毒に感じられたのだった。　着物ならどうだったんだろう？　って、私が真剣に悩むことはないのだが。

  2004年06月22日

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• エロ運転手さんと私

  　先日、知人とタクシーに乗った。結構の長距離だったので、会話も尽きてお互いがふと黙った瞬間、とんでもないものが聞こえてきた。「カレの指がワタシのアソコに……」　それはリスナーからの投稿内容を読む、若手のたぶん、お笑い芸人さんの声だった。会話が途切れるまで気づかなかったが、小さなボリュームでラジオがつけられていたのだ。　その後も、「私はついに許してしまった」とか、「カレがアナルを責めてきて、それに感じてしまった自分は、何ていやらしいヤツなんだろうと思ったら、なおワタシは……」みたいな話が延々と続いた。　初老の、上品な面差しの運転手さんは、しらーっと平静な顔をしているが、知人と私は大パニックである。　もう余り話すこともないのに、妙に大きな声で、天気だのスポーツだのの話題を持ち出し、ついには面白くもない、政治についての討論会まで開いてしまった。　タクシーを降りたときは疲労困憊。お互い協力して難局を乗り切ったのだから、満足感があってしかるべきだったが、そんなものはどこからも湧いてこなかった。　いったいあの運転手さんは、どういうつもりだったのだろうか。偶然たまたま？　それとも確信犯？　それとも単にスケベなだけ？　いやいや、あの平然とした顔は、耳が遠いのかも？　最近、夜遅くにラジオを聞く習慣のない私には、どうも判断がつかないのであった。

  2004年06月12日

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• おかまのおじさんと私

  　私はけっこー良く、おかまの方に遭遇する。ある日などは、強烈なおかまのおじさん2人に、立て続けに遭遇した。　一人目はバス停で、ほかのおじさん（というより、こちらはお爺さんに近い）と立ち話をしていた。このおじさんの出で立ちはと言うと、千鳥格子模様のジャケットと、同じ柄のミニのタイトスカート、そして膝下丈のブーツ。　頭には古めかしいカツラをかぶっていた。ぐりんぐりんにパーマがかかっていて、イヤに真っ黒。質感はビニールっぽい。しかし、それさえも、まあ、良いかと思わせるような、決定的にヘンなところが、彼にはあった。顔だ。　肉体労働系の人によく見かける厳つい顔は、赤銅色に日焼けしており、スッピン。ま、おじさんとしては、ごく普通のスッピンさだが、まがりなりにも女装するんだったら、女性に見えるように（見えるか見えないかは別として）、それなりに努力するもんじゃないだろうか（「留美子」さんみたいに）。ミニのタイトスカート、ブーツで肉体労働者顔というのは、どうも解せないのであった。　その日の夕方、今度はバスに乗っている最中に、別のオカマのおじさんに出会った。後ろの方から、何かヘンなモノが聞こえてくるなーと思ったら、その人だった。話の内容は女性のものなのに、声が男性だったので、無意識のうちに「ヘン」と感じたのだろう。　そのおじさんが話していたのは「色が白いってことだけで、満足しなくちゃあダメね。そりゃ、それ以上を望んだら、望むことはいくらでもあるけれど、色白だとほら、どんな色をのせても映えるじゃなぁい？　だからね、アタシは色が白いんだからって、他のことには目をつぶることにしてんの」という内容だ。　声は全くおじさんの声だが、しゃべり方はオヤマみたいな感じ。なよっとしていて、丁寧な口調だ。どんな人だろうと、さりげなく振り向いたけど、親子連れ、オバサンの二人連れ、おじいさんの集団などが入り乱れていて、どれだか分からなかった。　が、あるバス停で、「じゃあ、アタシはここで。ごきげんよう」という声が聞こえたので、バスから降りた人を注意してみていると、いたいたいたいた。細身で長身の、見るからになよなよしたおじさんが。まだバスの中にいる別れた連れに、道路から丁寧に会釈をしている。　で、でも待てよ？　この人、全然色白じゃないじゃん。ミニタイトのおじさんほど、浅黒い顔はしていないものの、世間的には色黒に分類される肌色だ。どんな色をおいても映えるってアンタ、それは大いなる勘違いだ！　その後、バスは途中の停留所で止まることなく、終点に到着した。私は色白妄想おじさんの連れが誰だったのかを確かめるべく、一番最後まで粘って辺りを見回していたが、それらしき人は一人もいなかった。色白おじさんは、誰か一人の相手と会話をしている風だったが、バスの中には私以外、連れなしで一人で乗っている人がいなかったのだ。　もしや、オカマな上に頭もおかしくて、独り言を大きな声で喋っていたのだろうか？　そう言えば、連れの人が相づちをうつ声は、一度たりとも聞こえなかったっけ……

  2004年06月04日

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• みんな気がつけ、変な人！

  　先日、とあるデパートを歩いていたら、ヘンな足が見えた。太めの中ヒールのパンプスに白いハイソックス。それ自身はヘンではないが、ソックスがレッグウォーマーのように、足首の周辺でわさわさわさっとたまっているのが、私の「ヘン探知機」に引っかかった。だって、もう絶滅したと思っていたルーズソックスのサリーちゃん足なんだもん。　ところが、ヒールから靴下と、下から目線を上げていってもっと驚いた。白いハイソックスが途切れた上に、ぐるぐる巻き毛状態になった、すね毛が見えたのだ。　げっ　さらに視線を上げると、さらにまきまきっとカールした、モモ毛（？）が密集している。そしてピチピチのショートパンツ。ずずっとてっぺんまで視線を走らせると、磯野波平さんを、ごま塩天然パーマにしたような頭部が現れた。　女ものの黒いパンプス、女子高生用のハイソックス、そしてぐりぐり巻き毛の体毛。それは50代後半くらいの、ジさまであった。　確かに、脚線はなかなか美しかった。最近は、O脚の女の子が多いが、そのおじさんは、すらっとまっすぐで、引き締まった足をしている。人に見せたい気持ちは分からではないが、豊かなすね毛とモモ毛で中ヒールパンプスというのは、なんかヘンである（そーゆー問題じゃないかもしれないが）。　それにしても世間の人は、こんなに「ヘンな人」が目の前にいるというのに、どうして気づかないんだろうか？　おじさんは、脚線美をみせつけながら、しゃなりしゃなりと店内を歩いていたが、結局、買い物客の誰一人として、気づいた様子はなかった。どーしても解せない。***ちょっと追加***　今日、近所の公園でちょっと頭のおかしいお婆さんが、ノグソをたれていた。公衆便所があるのに、わざわざ目立つ、生け垣みたいなのの上にのぼって、ズボンを下ろして用を足していた。　案の定、気づいたのは私だけ。親子連れとか、散歩の老夫婦とか、結構大勢の人がいたのに。。。　見て見ぬ振りをしているとか、そういうのではなく、皆さん、本当に気づいない屈託無げな顔で、ノグソの前を往来していた。あー、納得行かない！　みんな、気付よっ！

  2004年05月24日

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• 小柄な外人さんと私（2）

  　「おなじオヤジに、二度、声をかけられた」ということを書いたら、もう一人、同じようなヤツがいたことを思い出した。そいつはパリ在住の抜け作で、ルーブル近辺を本拠地にしている。　えげれすに暮らしている間、週末に何度かパリに出かけた。そしてほぼ毎回、そのおっさんに遭遇し、声をかけられた。2度はルーブルの前、1度はオルセーの前だ（私は結構、美術オタクなんである）。　一度目は「少しお話ししてよろしいですか」と歩み寄ってきた。見るからにアヤシイおやじなので、さしもの私も「急いでますから」と背を向けた。　二度目は疲れて腰を下ろしていたら、隣に座られた。以前やさしくしてくれたという、日本人女性の話をえんえんと、下手くそな英語で語り始め、ついには彼女から教えられた「マッサージがどーの」と言い出した。疲れたから座っていただけなのだから、ものも言わずに立ち去ったことは言うまでもない。　三度目はさすがに「おめー、私の顔くらい覚えとけよ」という心境になり、「良いお天気ですね」と話しかけてくるにこやかな笑顔に、「ほー、そうかい」と言ってやったら、ショックを受けたような表情で固まってしまった。日本女性に、あまーい幻想を抱いていた人で、悪気はなかったのかもしれない（なんて、本気で考えるほどには、間抜けじゃない私である）。　ところで私は、男性から声をかけられるようなタイプでは、およそ、ない。それに断固、日本人にも見えない。だからどうして、美術館周辺で妙なおやじに声をかけられるのか、謎である。それも同じやつに何度も！

  2004年05月08日

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• 変質な方々と私（1）

  　ヘンな人の最たるものは、やはり変質者だろう。私の初変質者遭遇体験は、小学校5年生の夏休みのことだった。　塾からの帰り道。塾からバス停までは、住宅街を通り抜けていくのが近道だった。暑いさなかの昼下がり、辺りに人の気配はなかった。　あと数メートルで大通り、というところに、白い乗用車が停まっていた。中には（今思い返してみると20代半ばくらいの）サラリーマン風の男性が座っており、開け放した窓から困ったような顔を出し、「すいません」と私に呼びかけた。　「道でもききたいのかなぁ？」くらいに思いながら乗用車に近づくと、どちらかというとおとなしそうな顔つきのその男性は、「すいません。腫れちゃって困ってるんですけど、この辺に病院はありませんかね？」と言った。　「腫れる？」　きょとんとする私の顔を見て、その男性は色白の頬を紅潮させ、股間に手を振って見せた。背広のズボンはチャックが開いており、そこから白くてぶにゃぶにゃした物体が屹立していた。　私はそうとう長い間、しげしげとそれを見つめた。何なのか、分からなかったからだ。その様子を見て、おとなしそうな男性は、クルマの天井を仰いで、気が触れたみたいに笑い出した。ことここに至って、ようやく異常を察知した私は、大通りへと駆けだした。男性がきーきー笑いながら、白いぶにゃぶにゃを振り回し、追いかけて来ないかどうか、歩道橋を駆け上がって、しばらく確かめてから、私はバス停へと向かった。　小学生の女の子が、困惑したように自分の股間を眺め、「訳が分からない」という顔をしたことに、今の私よりも年下の彼の青年は、倒錯的な喜びを見いだしたのだろうか？　いずれにせよ真相を知ったら、よけいに根の暗い人になっていただろう。　私が当惑したのは、男の子が「おしっこをする道具」である例のブツが、そのように自立するとは知らなかったためというよりは、彼が指し示したなまっちろな物体が、成人男性の股間にあってしかるべき形状のものとは、思いもよらなかったからなのだ。　家に飛んで帰ると、ちょうど叔母が遊びに来ていたので、私は二人の聴衆相手に、私が見たものについて、興奮状態でしゃべりまくった。「ヘンなお兄さんが、ズボンのチャックから なまっちろくて、小さくて、痩せっぽちのゴム人形みたいなものを出していたんだよ。あれは何なんだろう？？？」　　母も叔母も一通り聞いてくれたあと、「いやねぇ。これからは表通りを歩きなさい」と、しかつめらしい顔をして言った。でも、私がカバンを置きに部屋を出てしばらくすると、茶の間からは華やかな笑い声が聞こえたのだった。　私に男性の股間に関する基準値を与えた男性2人の妻たちは、貧弱な逸物の持ち主である青年に、滑稽さと哀れみを感じたのだろうと、今にして思う。若い母親たちが、変質者におかしみを感じる余地のある、まだ、のどかな時代だったのだ。

  2004年05月05日

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• 女装趣味の方々と私（1）

  　変な人に遭遇する回数が多い原因として、変な人をあまりにも頻繁に見かけるということ以外に、私がある種、過敏だということも、あるかもしれない。　後者のケース、「気づくアンタが悪い」と非難されてもしょうがないケースは、女装趣味の方々だろう。純粋に女装するのが好きな人から、いわゆるニューハーフの方々まで、私の目を逃れてすれ違うことはできない。　私がこんな風になってしまった（笑）原因は、小学生の頃の悪夢のような体験にあるのかもしれない。　あれは、春先のことだったように思う。山手線に乗っているときのことだ。私は7人がけの座席の、真ん中あたりに座っていた。一人だったのか、親と一緒だったのかの記憶は定かでないが、向かいの座席にふと目を向けた瞬間のことは、よーく覚えている。　背広をきたおじさんと、木綿のワンピースを着たおばさんが仲良く肩を寄せ合って座っていた。まず私の目を引いたのは、おばさんの方。ふわっとしたスカートの、小花模様のワンピースは、その年代の女性には似合わないものだったし、年齢以前の問題として、そういう服が似合うようなタイプの人ではなかったからだ。　次に変だと思ったのは、妙に黒々としたおかっぱ頭。前髪を日本人形のように切りそろえているのも、髪質に光沢がありすぎるのも、妙な感じがした。さらに変だと思ったのは、おばさんの腹部だ。　中年太りでお腹に脂肪がつく場合、女の人はだいたい、2段、3段になる。柔らかく下に垂れ下がり、脂肪の量により、支えきれなくなった分が段になる、という感じではないだろうか。逆に男性の場合、ぽーんと太鼓腹のように出る。張りがあるというか、下腹だけでなく、胃の部分から前にせり出す。うにょうにょと段ができるのは、よほど（お相撲さんのように）太っている場合だけだ。　「はて面妖な」　時代小説に凝っていた小学生の私はそう思った。小花模様のビニール髪のおばさんのお腹は、キューピーちゃんのように胃の辺りから、ぽーんと前にせり出していた。「なんか変だなぁ」　今だったら、「おいおい、おっさん、白昼堂々、女装なんかしてんじゃねーよ」と思ったかもしれないが、当時の私は異常は察知しても、その意味は良くわからなかった。　よほどジロジロ見ていたのだろう。おばさんはうつむきがちに私から顔をそらせた。その様子に気づいたおじさんが、何か話しかけ始める。　「これまた面妖」　おじさんの愛おしげな様子に、またまた私は異常を感じた。その年齢の男性は普通、人前でそんな風に優しい素振りを見せたりはしないからだ（ましてや20年以上昔のことなのだ）。私のぶしつけな視線は、今度はおじさんの方に向けられた。　短い髪の、中年のおじさん。ごく普通に見える。肩幅がおばさんもどきよりも狭かったが、華奢な男性はそれほど珍しくはない。が、私の視線はおじさんの腰から太股にかけてのラインで止まった。やけに尻がでかい。そして股が太い。尻がでかい男性もいるが、全体の印象は中肉中背でありながら、股の付け根にふっくらと脂肪が固まっている男は、滅多に見ない。　と思った瞬間、二人は立ち上がり、そそくさと電車を降りてしまった。そこが目的地だったのか、じろじろと観察する子どもの目が煩わしかったのかは分からない。唐突な立ち方から推測するに、もしかすると後者だったかもしれない。　それっきり、そのことは忘れていたが、中学生くらいになって、やはり山手線に乗っていた時、急に古い記憶が蘇った。そして「ああ、あれは服装倒錯者同士のカップルだったのだろうなぁ」と納得したのだった。　今にして思うと、服装倒錯の方々に普通の人よりも気づきやすくなったのは、あの体験のせいであるような気がする。が、考えてみると、彼らにとっては私が「変な人」だったに違いない。せっかくの楽しい休日を台無しにしてしまって、気の毒なことをした。

  2004年05月04日

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• あゆに触る人と私

  　昨年の冬のことだが、夜遅くに帰ってきたら、駅にヘンな人がいた。あゆのポスター（パナソニックの新しいデジカメの宣伝ポスターが何枚も並んで貼ってある中の一枚）に、へばりついている小男がいたのだ。（これ→ http://panasonic.jp/d-snap/ ね）。　このポスターのあゆは、ムネの下やコシのちょっと上に、切れ込みが入ったような銀色の衣装を着ている。そのチビおじさんは、一生懸命、コシの切れ込み辺りに指をかけて、それを引っ張りおろそうとしていた。それは写真だっつーの。　特に酔っている様子はなかったが、そのおじさんは次に、あゆのムネにべったりと手をかけて、揉み始めた。と言うか、その下に本当に立体的なお乳があるかのように、手をお椀型にしてしこしこと動かしているのだった。　小さな男の子をつれた若いお父さんが、口をぽかーんと開けて、おじさんの奇行を眺めていた。将来、あの男の子のトラウマにならないと良いけど。

  2004年04月30日

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