上海国際マラソンでハーフを走り切る
小さい頃からマラソンは私にとって苦しみでしかなかった。フルマラソンに参加する人を見てクレイジーだと人ごとのように思っていた。そんな私に貴重な機会が巡ってきた。上海国際マラソンのハーフ(約21キロメートル)を走る予定だった同僚が体調不良のため、出場を諦めることに。私に代わりに走らないか、と声をかけてくれたのだ。上海国際マラソンなんて、走りたくても簡単に出場出来るものではない。「いい記念になるかな」と思い、オッケーした。朝7時に走り始めた。コースは5キロ、10キロ、ハーフ(約21キロ)、フル(42.195キロ)とあるが、スタート地点はみんな一緒。たくさんの人で道路はごった返していた。国際マラソンだけあって、外国人が多い。服装にも気合を感じる。私はといえば、とりわけマラソン用の服装があるわけなく、普通のジャージで走った。ハーフは3時間で打ち切られるため、「なんとか3時間以内に!」というのが私の目標だった。5キロを通過したとき「まだ5キロか」と気が遠くなった。10キロを通過したとき、走り始めてからちょうど1時間半だった。「マズイ、このままじゃ3時間以内にゴール出来ない!」 そこから少しペースを上げた。15キロを通過した時「あと6キロだ。なんとか走り続けよう」と思った。そこからが辛かった。どうやら辛いのは私だけではなく、歩いている人をたくさん見るようになった。途中、何度か歩いたりもしたが、最後は意地だ。必死に走った。猛ダッシュでゴール!記録は2時間59分40秒だった。ギリギリ3時間以内にゴール出来たのだ。やった~~~!!! 見事参加賞の金メダルを手にすることが出来た。しかし、本当の苦しみはその後から始まった。足が痛くて歩けない。特に足の裏がハンパなくいたい。足を引きずりながらなんとか家に帰った。そのあと数日間は本当に苦しかった。なんとか堪えながら歩いた。表向きは何もなかったかのように振舞った。普段運動もせずに21キロを走るとこういうことになるのか、と人生でまた新しいことを学んだ。一週間後、普通に歩けるようになった。その時の感動、喜びは忘れられない。今回、嫌いなマラソンを21キロも走るという新しいことに挑戦し、マラソンが少し、いやだいぶかなあ、好きになった。次、機会があれば今度はしっかり準備運動をしたり、ランニング用のシューズを買ったりして大会に臨みたい。