本棚には幸せが詰まっている。
ここ○○年。ずっとあこがれていたあの本が、自分のものになりました。藤原良経全歌集とその研究 青木賢豪先生(笠間書院)新古今歌人の研究 久保田淳先生(東京大学出版会)この二冊です。その昔、果てしなく昔のこと。よくあるアプローチとして、古典の源氏物語からはじまって、王朝物語を好きになり、伊勢物語や寝覚物語、落窪物語、狭衣物語と読みあさり、その後何となく和歌にも興味を持ち始め、運命の出会いが。塚本邦雄先生のカルチャースクールへ気軽な気持ちで出かけた日から、pgは新古今和歌に興味を持つようになりました。塚本先生は詩人であり、独特のスタンスで定家や俊成、良経などについて語ってくださいました。確か百人一首関連のスクールだったと思うのですが、定家撰の小倉百人一首ではなく、塚本先生撰の百人一首を鑑賞したと思います。pgは家庭環境で百人一首は好きで、すべて暗記していましたが、個々の和歌についてはさほど造詣も深くなく、意味がわかっているわけでもなかったので、このスクールでのセミナーは興味深いものだったのです。それから、新古今時代の華麗なる歌の世界に魅了され、その中でも知名度は低くても素晴らしい歌を作っていた藤原(九条)良経について、非常に興味を持ちました。その流れで、院政期(平安末期から鎌倉初期)の政治形態についても興味を広げ、政治機構や社会構造を理解するためにこの時代を生きた公卿たちの生の声が聞ける「公卿日記」というものに、傾倒していったのです。そのきっかけとなった上記の二冊。特に「新古今歌人の研究」は図書館で四週間にわたって読み進めても、読み切れなかったと言うくらい、ページ数は多いし、内容の濃い素晴らしい書です。この書を手に入れることができたのは、幸運としかいいようがありません。絶版になって久しく、古本店でも15,000円以上の値がついていた古書。今回は少々書き込みありということでしたが、9,800円でゲット。そして、良経研究の書として押さえておきたかった青木先生の書。これは幻の書というか、pgが今まで探しまくっても出会えなかった全歌集研究です。良経は37歳で亡くなってしまうのですが、その間に珠玉のごとき素晴らしい歌を残しています。同じ時代を生きた定家の歌ともリンクしあいながら、新古今歌壇のパトロンとして、その詩歌の花を咲かせました。いつか、この本を得たい。ずっと、ずっとそう思ってきました。そして、実物を見てすぐに買いました28,000円。値段は関係なしです。絶版ですから。この二冊の他にも、たくさんの気になる本(定家研究や源通親日記注釈など)があったのですが、さすがに手がでませんでした。八木書店ではこの二冊を買い、満足してお隣の慶文堂書店へ。こちらには公卿日記の類が山積みになっていて、pgの目には宝の山のようでした。『明月記』の史料纂集(第一巻のみ)があって、コレを買おうか?それとも『台記』の揃えを買おうかと迷っているうちに、ふと目に留まった三冊の本!国書刊行会版 明月記(三巻)これぞ、pgが『玉葉』についで欲していた本です。『玉葉』はまだ販売されていますし、重版もなっています。pgも昔版の『玉葉』ではなく、新刊本の方を持っていますし、CDROM化されていて、索引もついている。でも『明月記』の準完全本の、国書刊行会版は絶版で手に入らないし、値段もわからない。史料纂集版はすでに、お手上げ状態らしく第二巻を出版するめどさえも立っていないというのが内情で、明月記を知るためには古いタイプの国書刊行会版か、時雨亭文庫の復刻版を見る以外ない状況。さすがに復刻版は、素人には厳しいです。そこで国書刊行会版ですが、なかなかない。それがふと目にとまったわけで。早速中を調べてみると、pgが昔読んだあの本です。懐かしく、嬉しく思いお値段を……25,000円。えーーー一冊二万越え?ということは三冊で七万?それはさすがに…と躊躇しましたが、なんと三巻揃えで25,000円ということに気がつくpg。即、買い!!!これ以上の買い物はないと、『台記』は今回見送って、イレギュラーですがこの三巻を買いました。ところでこの五冊は、とてつもなく重いので宅配便で送ってもらうことに。ただでさえ重いらう゛ぃちゃんを肩から下げて、移動するだけでもめまいがするのに、それ以上に重い本まで抱えられませんもの。さて、満足行くお買い物を終えて一息ついて、食事して。今度は万里小路先生からもチェックされていたアカシヤ書店へ。ここは囲碁・将棋関連本の古本を扱っていらっしゃるお店です。いやー!!いっぱいあります。なんだか昔に返ったよう。そういえば、この本もあの詰め碁本も買った覚えがある。こちらの手筋問題集も。そう思いながら、いろいろと物色しました。で、結局これこれを。呉清源 二十一世紀の打ち方 1,500円小林覚 五段の壁を破る三つの常識 600円石田芳夫 三段挑戦の詰碁100 500円石田芳夫 三段の壁を破る この手、何目 600円日本棋院 初段合格の手筋150題 400円↑めちゃ、リーズナブル↑いったいpgの棋力ってどのくらいなの?というラインナップですけどね。これに依田ノートを加えつつ、囲碁のお勉強もいたします!それにしても、涙をのんでお別れしたたくさんの本たち。いつかpgがダイアモンド鉱山を発掘したら、君たちを迎えにいってあげるからね、と名残をおしみつつ京都へ帰りました。アデュー神保町。今度はいつ訪問できるのだろう(そのまえに軍資金がいる)。戦利品が届くのを心待ちにします。