ステキな金縛り★★★☆☆(2.5位だけど役者さんはみんな好きだから)
……三谷作品ってこんなにインパクト無かったっけ?役者さんに助けられているだけで脚本、詰まらなすぎ。所々…いや、結構笑えるポイントはあるんだけど、会話の軽妙さとか、やりとりで笑えるんじゃなく、役者さん達の持ち味やキャラ設定が笑えるだけなので気分があまりよくならない。幽霊を証人にするという発想とかそう言う突飛なモノは別に構わない。その幽霊の存在を認めさせることがこのお話のキモなのかと思ったらそうでもない。検察官も『見える』ひとだったから。まあね、百歩譲ってそれはいいよ。ある程度の人が視認できないと話にならないしさ。ただ、『幽霊が霊界と簡単に行き来して他の幽霊を連れてこられる』時点で、『殺された被害者連れてくりゃいっぱつで終わりじゃん?』と言う疑問がずっとあった。でもそれは絶対にやらないと決めてのこの展開なのかと思ったらあっさり最後のオチはそれで。実は『犯人じゃないというならアリバイを幽霊に証明させるより真犯人を捜す方が順当だろ?』とも思っていた。でもそれが目的ではなくて、アリバイの立証だけがこの裁判の目的でその為の幽霊証人喚問だと思っていたら。結局最後は真犯人を弁護士がかなり簡単に暴くんだよね。だったらこの展開はあまりにバカでしょう?このお話ではあくまで『アリバイ立証』だけに拘って、『幽霊の証言が認められてアリバイが立証された』と言う裁判記録がちゃんと記されてその後真犯人が警察の手で発見・逮捕された…じゃないと、なんかスッキリしない。だって、幽霊の話すアリバイを認めさせるより、真犯人を突き止める方がよっぽど現実的でドラマチックだもん。『幽霊の証人喚問ってのをやりたいから無理矢理』感を感じてしまって白けてしまう。そして深津さん演じる主人公の性格や行動が嫌いだ。自分本位で自分の気持ちばかり主張して、幽霊には多少気遣うけど同居(同棲?)している恋人(?)には思いやりを見せる節がない。深津絵里が演じてなかったら絶対にもっとムカついていたに違いない。深津さん、美味いし可愛いから。兎に角、役者さん達は凄くいい。今までのモノみたいな人間模様の交錯も今ひとつだし、薄っぺらさだけが目立つインパクトの薄いモノで正直、結構期待していただけにもの凄く残念…。