人間について
<Chagallシャガール:ニューヨークアートポスター>人間には、大きく分けて「二つの精神タイプ」があると言われます。「周囲に協調して生きてゆくタイプ」と、「自分自身にこだわりながら生きてゆくタイプ」です。「分裂型」とは、周りの人や環境に合わせる性質を持ち、調和を好み、流行や世論を重視します。「そううつ型」とは、自分だけのこだわりを持ち、周りに流されることなく、自己のアイデンティティを重視します。ある説によると、「団塊の世代」を境に世代間で格差が見られるといいます。「団塊の世代」より上では、頑固で自己主張が強く、こだわりを持っている人が多い。それより下では、常に周囲を見渡し、周りに合わせて生きていく人が多い。これは自己主張をすることで周囲とゴタゴタするよりも、うまく協調しながら環境に合わせて適応する方が、時代の流れに合っていたからなのかもしれません。どちらが良いということではなく、そういう特徴が見られるということです。「分裂型の特徴」 分裂型の関心は周囲にあります。周囲がいいと言えばそれでいいと思い、悪いことがあれば周りの誰かのせいだと思います。逆に良いことが起きても自分の努力の結果だとは思わず、ラッキーだと思い、人生はなるようになると思っている傾向が強いのです。そのため、流行に敏感で、売れ筋ランキングなど、世間に受け入れられているものを積極的に取り入れようとします。好みも世間のブームに乗ってコロコロ変わるでしょう。特定の人間と深く関わることを苦手とし、少人数で話し込む場をあまり好みません。それよりは、大勢でワイワイ当たり障りのない話題で盛り上がることの方を好みます。環境への適応力が高く、職場や学校などが変わっても、すぐに溶け込むことができたりします。そのため、環境の変化に対するストレスをあまり感じないことが多いようです。また、何か良くないことが起こっても、自分を責めたり、いつまでも引きずったりしないため、自分を追い込んでしまうようなことも少ないようです。過去へのこだわりもあまり強くないようです。時として本音を言う場が少ないため、それがストレスの原因になることがあるでしょう。また、過去への執着が少ない分、あまり反省をしないで、同じ失敗を繰り返してしまうこともあるようです。「分裂型」の場合は、部分的にでも主体性を持つように心がけると良いでしょう。そして自分の行いや発言に対する責任感を持って反省するようにしましょう。ただそれがストレスとして溜め込んでしまうようでは意味がありません。今まで通り、周囲にうまく合わせられる協調性を持ちつつ、その中で自分のアイデンティティを守る領域を作っていくと良いでしょう。「そううつ型の特徴」 そううつ型の関心は、自分自身です。何かに成功したり、良いことがあれば、それは自分の努力の成果だと思い、大きな達成感、満足感を得られるでしょう。逆に悪いことが起こった場合は、それは自分のせいだと自身を責め、深い罪悪感を抱く傾向が強いでしょう。また、自己のアイデンティティが強いため、常に主体性のある行動や発言を心がけていますが、逆にそれが周囲を受け入れられない原因にもなります。そのため、頑固だと思われることが多いのも「そううつ型の特徴」です。基本的に自分が決めたルールにのっとって、自分の価値観で物事を判断するため、自分が納得できることに対しては良いのですが、納得できないことがあると、それが大きなストレスになります。好みも流行に関係なくあまり変わらず、自分が良いと思ったものを長く愛用する傾向が強いでしょう。また広く浅い人間関係を好まず、特定の少人数と膝を突き合わせて、じっくり語り合う関係を好みます。そのため、大勢のパーティーなどは居心地が悪く感じ、初対面ではなかなか馴染めないでしょう。逆に深い関係を築くと、その関係をとても大切にしようとします。そのため、異動や転職、転校など、周りの環境が変わることに大きなストレスを感じます。 「そううつ型」は「分裂型」に比べて、ストレスを溜め込んでしまいやすいタイプです。周囲で起こるさまざまな要因を自分の中に求め、自分の価値観で納得できない限り、うまく消化しきれないかもしれません。「そううつ型」の場合は、ある程度、周囲に対して寛容になり、他を受け入れ、他と協調することを心がけることが大切です。自分や周りを許せなかったり、環境に溶け込めず強いストレスを持ち続けることは、精神的な悪影響になります。周囲や自分を受け入れる気持ちが大切なのです。