『君が降る日』島本理生著+『心霊探偵八雲3』神永学著読みました。
最近読み終わった本が二冊。「君が降る日」島本理生著 【内容情報】(「BOOK」データベースより)恋人・降一を事故で亡くした志保。彼の母親が営む店を手伝う彼女の前に現れたのは、その事故の原因をつくった五十嵐だった。彼の存在を受け入れられない志保だったが、同じ悲しみを抱える者同士、少しずつ二人の距離が近づいていく…。「君が降る日」他、二編収録。 【目次】(「BOOK」データベースより)君が降る日/冬の動物園/野ばら 表題作は息苦しさを覚えるほどの寂しさに押しつぶされそうになりながら読みました。あとがきにて、「恋人の死というテーマは、私にとってハードルが高く…」とありましたが島本さんの視点や文章は元々切迫した心象風景を綴るのに似合っているのでハードルが高い、なんて風には全然感じられませんでした。けれど、この題材は延々と出口の見えてこないトンネルの中を潜っていくようなものなので読むほうは「重たいなあ…」と思うのも事実。こういう題材を読むと、先に死んじゃった人はずるい、と思ってしまいます。生きて共に時間を過ごしていればもっと喧嘩もしただろうし、傷つけあったりもしただろうに死んじゃったことで思い出がどんどん澄んで、美化されていってしまうのだから。亡くなった人はそんなこと望んでないだろうけどそうなってしまうのだから仕方がない。こういうテーマを読むと柊は「ずるい…ずるい…」と思いながら読んでしまいます。表題作を重さを救ってくれたのは「冬の動物園」と「野ばら」の二編。柊はとくに「冬の動物園」に登場する森谷君の明るさが好きです。彼の明るさはまだ彼がとっても若いことや、未来に前向きな姿勢が土台になっているものだから、これからどう変わっていくのかわからない不安定さも持っているけど精神的にしんどい状態にある人には眩しい位の光、だと思います。久しぶりにDVなどの暴力がテーマに入っていない島本さんの作品集を読んだ気がします。大好きな島本さんの文章を堪能させてもらいました♪「心霊探偵八雲3~闇の先にある光」神永学著 【内容情報】(「BOOK」データベースより)八雲にまた新たな相談が持ち込まれた。なんでも、飛び降り自殺を延々と繰り返す、女性の幽霊が出るという。しぶしぶ調査を引き受ける八雲だったが、そんな八雲の前に“死者の魂が見える”という怪しげな霊媒師が現れる。なんとその男の両目は、燃えさかる炎のように、真っ赤に染まっていた!?敵か味方か、八雲と同じ能力を持つ謎の男の正体、そして事件の真相は!?驚異のハイスピード・スピリチュアル・ミステリー第3弾。文章はとても軽めなのに、今回は扱われている事件が重い…。こういう事件を扱ったものは気分がどんより落ち込んでしまうので出来れば避けたいなあ。こういう事件を引き起こす身勝手な輩は因果応報、幽霊にとりつかれてとり殺されちゃっても全然構わないと思ってしまいます。 柊の読書メーターは→こちら