797467 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

ひよきちわーるど

ひよきちわーるど

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
2010.09.15
XML
カテゴリ:子育て

お茶を始めて数年経過。

相変わらずの初心者ではあるけれど
先生や社中の方々に見守っていただきながらのお稽古は実に楽しく

その中において お点前のこと、着物のこと
様々なことを教えていただきながらの日々である。

また私自身、本来のお稽古日は月曜日なのだけれど
姉弟子の方々が花月をなさる水曜日にもお声をかけていただき
お言葉に甘えつつ、先生のお宅にお邪魔している。





・・・お茶を始めてしばらく経ったある日
あまりこの世界に深入りするまい、と決めた。

もちろん、お茶の世界は大好きである。
今までやってきたどんなことよりもこころ惹かれる。

まさに総合芸術、知れば知るほど奥深い。



けれど、人の常として
自身の惹かれるものに心奪われることほど怖ろしいものはない、と。

お茶を愛する人間である前に、私は母であり、妻でなければと。




バレエをしていた時にも同じことを思っていた。

発表会が近づくと それこそ朝から夜までレッスンのし通しである。
もちろん、昼食も何もない。

自分の出番のない時を見計らい
レッスン場の片隅にてドリンクゼリーを流し込むのみ。

当然のことながら
そんな場所に当時3歳だった娘を連れて行くことは出来ず
夫に見てもらっていたのだが
・・・そんなことでは駄目だ、と痛感するようになった。

夫は、自分の夢を大事にしなさいと言ってくれたのだが
今は自分の夢よりも子どもである。
そう決めて、後ろ髪をひかれるような思いでバレエを諦めた。


・・・今は、それで本当によかったと思っている。





仕事にしても、そう。

このことについては普段あまり口にしないのだけれど
本当は、今でも、幼稚園勤務に戻りたいと願っている。

教育の現場は本当に良い。
こども達の笑顔、活気、温かなふれあい。

この教育の現場に一度でも立った人であるならば
再び戻りたいと願うことと思う。



けれど我が子のことを思えば
もしも子どもが熱を出したとき、病気になったとき
その他 様々やむを得ない状況に陥ったとき

子どもを守るのは自分しかいないと思えば
自然のうちに 自分の夢など、消え去っていく。


殊に我が家の場合
何かあったときに、子どもを見てくれるところがなかった。

13年ほど前、入院さえ出来なかったときには
そのあまりの心細さ、辛さに病院の先生の前で泣いてしまった。

・・・他のご家庭同様 我が家もまた 
夫と2人、ただがむしゃらに子育てに奮闘してきた。





私たち女性にとって、我が子は何ものにも代え難い存在である。

だからこそ、私たちは無意識のうちに
自身に対して警鐘を鳴らすのだと思う。

厳しい言い方ではあるけれど・・
こころ惹かれるものにうつつをぬかすな、と。



お茶を始めたばかりの頃
「静謐」という言葉そのままの世界に惹かれ

自分なりに見聞を広めたく様々な本を読み
美術館に通ったこともあったのだけれど

やがて、何事にもつい熱心になりすぎてしまう自身の癖に気付き
そのたびごとに「うつつをぬかすな」と自分に言い聞かせてきた。



器用な人であるならば、母親としても仕事をする人としても
十分にその責任を果たしてゆけるのだろうけれど
残念ながら、私にはその才はない。

だからこそ、の自身への言い聞かせではあった。







 朝に見て昼には呼びて夜は触れ
      
      確かめをらねば 子は消ゆるもの 



                    河野裕子






この歌は この夏にお亡くなりになった河野裕子氏のもの。

この歌を目にしたとき
今まで、私が母として抱き続けてきた怖れのようなものは
まさにこれだったのだ、と思い当たった。

子どもという存在は、こちらがどんなに心を砕いたとて
どれほど祈ったとて
消えゆくこともあるのだ、と。

だからこそ、日々油断無く
「親」として生きていかなければならないのだと。





若い頃には 何事に対しても情熱を傾け
突き詰めるだけ突き詰めた自分ではあったけれど

我が子をこの世に送り出したその日から
怖れを抱き こころを張り詰め
自分の好きなことに背を向けてきた。


どうしてこうも神経質なのだろうと
自身を情けない思いで見つめることもあったのだけれど
・・・やはり これで良かったのだと思う。




1人の女性として足りないところも多すぎるし
仕事の面でも半人前。

思えば何ひとつ胸を張れるものはないのだけれど
それでもひとつだけ言えるとすれば
自分なりに精一杯努力してきたことだろうか・・と。

それでも、他の方々の努力から見れば
まだまだなのだと思う。


・・・未熟なりに手探りでやってきた、というのが正直な気持ちだろうか。





このまま少しずつ年を重ねて
どこにでもいる普通のおばちゃんになって

これを成し遂げましたと言えるものは
ひとつもないかもしれないけれど


我が子を最後まで守るお母さんとして
生きていけたらいいな と思う。















お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2015.03.12 09:22:19
コメント(4) | コメントを書く
[子育て] カテゴリの最新記事



© Rakuten Group, Inc.
X